こんにちは! 大窪 浩太です。
本日ご紹介する一冊は「汐見稔幸 こども・保育・人間」です。

保育業界に携わる方でしたら、知らない方はいないという程の知名度がある(と思っています)汐見先生ですが、正直なところ、保育所保育指針の改定の際に審議会の委員長をされていたお方、という程度しかわかっていませんでした。

「自分の担当は、経営・運営・会計・労務といった分野なので、それ以外の保育業界のことについては深く知る必要はない」と考えてきました。
それよりは、他業界での経営・運営・会計・労務分野での知識や新しい潮流を、どのようにすれば保育業界のお客様に還元することができるのか、ということに力を入れてきました。

幼稚園教諭の免許・保育士資格・保育教諭資格、といったものがない立場で、
現場のことを知った風に言ってしまうのは却って失礼になる、そう考えていました。

ただ、最近、保育以外の分野(たとえば、マーケティング)の専門家とお仕事を一緒にする機会が増え、考えを改めるようになりました。

お客様が求める、こども園・幼稚園・保育園を実現していくためには、
最低限の現場の知識がないと、余計なところで引っかかってしまい、本質的なお話が出来なくなってしまう。
経営層の方とは、経営・運営・会計・労務といった共通言語があるので、
話は比較的スムーズに行くケースが多いのですが、現場の先生方とは共通言語がないことに気づきました。
しかし本当に、園を変えるためには、理事長といった経営層の方だけではなく、現場の先生方にも協力していただく必要が出てきます。
そのような際に、保育のことを何も知らないままだと、信頼してもらえない。
そう思い至りました。

とはいえ、付け焼刃の知識をひけらかされる程、嫌なことはないと思うので
まずは書籍を読むことから始めていこうと思います。

第1弾が、本書、「汐見稔幸 こども・保育・人間」です!
私が保育業界でお名前を知っている数少ないお方の本です。

読んでいてずっと感じたこととして、汐見先生や対談されている先生方の子どもに対する愛情の深さ、幼稚園や保育園の先生方は、社会においてとてつもなく大きな役割を担われているんだな、ということ。

ますます応援していきたくなりました!

それでは、本書で最も心に残った箇所です。

【引用】
保護+教育が幼児期の教育の本質だといっているのです。保護教育。
その最初と最後の漢字を取って「保育」。
だから幼児期の教育は「保育」といわなければいけないというのが、幼稚園が学校教育法に規定されたときの共通認識です。

汐見稔幸 こども・保育・人間 (P37)

引用箇所の前段に倉橋惣三さんの教育についての考え方も記されているのですが、「なるほどなー!」となりました。

「保育」という言葉には、「教」という文字が入っていないのが、幼稚園と保育園の違いと勝手に思い込んでいましたが「保育」には「教育」という意味も込められているのですね!
小さなことだとは思いますが、自分の中では大きな気付きでした。

これからは定期的に、幼児教育・保育業界の書籍もご紹介していこうと思います!

お読みいただきありがとうございました!

株式会社 いちたす 大窪浩太

この記事についてのお問い合わせは
info@ichitasu.co.jp