こんにちは、株式会社いちたすの大窪由衣です。
なんの脈略もありませんが、
今回は母方の祖母の言葉が昔から現在にタイムマシンに乗ってやってきましたので、
ここに記録します。
祖母は昭和11年の熊本生まれの女性ですが、
男性の社会であるその時代、夫が病気になって働けなくなったので、
夫と子どもを連れ、地元から大阪に出てきて商売を始めました。
資金調達も運営も何もかも自身の力で行う人でした。
いくつになっても可愛らしい女性は存在しますが、
祖母は女性特有の淑やかさ、柔らかさは残さず、むしろ気風が良い様を感じさせる女性で(江戸っ子ではないのですが…)、どこに行っても、誰からも「姐さん(あねさん)」と言われていました。
とは言えども、当時の男性経営者達と必死で肩を並べて張り合う風でもないのです。
そんな祖母が存命の当時、学生だった私は祖母をもちろん尊敬はしていたけれども、そのあまりにもナイフの様に鋭い言葉選びに同じ様な生き方はしたくないと考えていました。
当時の私は
年を重ねる毎に軽やかに、尖った先っぽが丸くなっていく、そんな女性になりたかったのです。
祖母の言葉の中に、
「他人に絶対に負けるな」という言葉がありました。
母の実家に帰る度、私の顔を見るとそう言いました。
特別勉強が出来たわけでも、特別運動が出来たわけでも無い私には苦しい言葉で、
いくつになっても尖っている祖母のその言葉を素直に受け入れられずにいました。
今になって感じます。
祖母は、決して他人に競って負けるなと言っていた訳では無かった。
人と対面する時、気持ちで負けるな、もしくは物怖じするな。
そういう意味だったのではないか…そんな気がするのです。
ここ最近、愛嬌があって、にこにこと愛想良く、他人と心地よい時間を過ごすだけではいけない機会が増えた様に思います。
自分の意見を通さないといけない時もある。
こういった場面で祖母の言葉が頭によぎるのです。
他にもこんな言葉があります。
肌着を身に着ける習慣が無い家庭、副菜に加えて漬物が出てこない家庭はちゃんとしていない。
(あまりに尖りすぎていますが、ご容赦下さい。)
この言葉を聞いた時は、なんてひどい事を言うのだろうと思いました。
各家庭にはそれぞれの価値観や食べ物の好き嫌いがありますので。
ですが、祖母はきっと誰かを批判したかったわけではなかったのではないか…
恐らく、品格は細部に宿る。
そう言いたかったのでは…?と。
お客様にお渡しする資料やメールを書いている最中、贈り物を選ぶとき、デザインで妥協したくない、そんな時にこの言葉が頭をよぎるのでした。
私は夫が同じ会社に居るので、祖母と同じ環境ではもちろん無いのですが、
同じように商いを行う様になった今でこそ、色んな話を聞きたいし、聞いてもらいたいと思うのですが、祖母はもう居ません。
なぜこんなに祖母を思い出すのか…
私という暦があるとすれば、今はきっと大きな壁にぶつかる一歩手前の苦しい時期。
こういう苦しい時期こそ、昔誰かが言った言葉に思わず助けられる。
時間もズレていて、相手ももう存在しないのに。
言葉だけが時を飛び越えて私たちを救ってくれる。
これってものすごくロマンチックだな~と感じましたので、
こちらのブログに書いてみました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
株式会社いちたす
大窪由衣