株式会社 いちたす(当社)では「保護者から選ばれる保育園」になるためには、保育園にブランディングを導入することが近道だと考えています。この記事では保育園における企業ブランディングの重要性を5つのポイントに分けてご説明します。
地方では特に顕著ですが、施設を作れば園児が入るという時代ではなくなってきました。
保育園企業ブランディング5つのポイント
まずは、保育園企業ブランディングについて、以下の5つのポイントを順番に説明をしていきます。
- ブランディングとは?
- なぜ保育園にブランディングが必要なのか?
- ブランディングで期待出来る効果
- ブランディングを伝えるターゲット
- ブランディングを成功させるには?
①ブランディングとは?
ブランディングの前に、まずはブランドについてご説明します。
ブランドと聞くと、どういう印象を受けられるでしょうか?
「敷居が高い」、「手が届かない高尚なもの」そんな印象を持たれる方も多くいらっしゃるかと思います。
ですが、ブランドを「選ばれた人だけが手に入れる事が出来る高価なモノ」と定義してしまうと狭義のブランドになります。
ブランドとは?
ブランディングへの理解を深めるためにも、まずはブランドの語源を辞書で確認してみます。
ブランド【brand】
広辞苑
(焼印の意)商標。銘柄。特に、名の通った銘柄。「―商品」
「ブランド」の言葉を広辞苑で調べてみると、一番最初に「 (焼印の意) 商標」と記載があります。
この商品は私たちが作りました、という事実を他者に表す際商品に焼印を押して他の商品と区別していたことがブランドの始まりだそうです。
共感を得る
ブランドの最初の一歩は他との区別ですが、自社と他社の違いを意識して区別するだけでブランドと言えるでしょうか?
結論から申し上げると、区別するだけではブランドとは言えません。
そこに、顧客(保育園でいうと、保護者)の目から見て「この商品(保育園)でなければならない」「この商品(保育園)が良い」という「共感」という名の支持が必要です。
ブランド = 他との区別(競合他園) + 顧客(保護者)からの共感
ブランディングとは?
上記の事から、ブランディングとは、ブランドを顧客に誤解無く感じてもらうための表現活動といえます。
ブランドを顧客に誤解なく感じてもらうための表現活動
ブランディングはインナーとアウターの2種類存在する
ブランディングにはインナーブランディング、アウターブランディングと二種類あります。
インナーブランディングとは自社の価値や役割は何なのか?、どういった存在なのか?といった、自社に所属する人を対象とした、内部向け(対象が職員)のブランディングです。
対してアウターブランディングとは、顧客に向けて自社の価値のどこをどのように露出し、顧客との接点を持つか? という外部向けのブランディング(対象が顧客)です。
- アウターブランディング
- インナーブランディング
②なぜ保育園にブランディングが必要なのか?
ブランドとブランディングについて知っていただいたうえで、「入園児の減少に悩まれていらっしゃる保育園には保育園企業ブランディングが欠かせない」ということを、出生人数と施設の関係、園児の入園の流れをふまえてご説明します。
出生人数と施設の関係
保育業界の方からのご相談を受けていて強く感じますが、園児募集で苦労されていらっしゃるお客様がここ最近、増えてきました。
当社(株式会社 いちたす)の事務所がある東北地方では、園児が減少し、このままでは保育園が運営できないということで、閉園される法人も見受けられるようになっています。
施設の数より子どもの人数が多い時代は終わり、子どもの数より施設(利用定員)の数が多い時代がすぐそこまで来ていると言えるのではないでしょうか?
参考URL:保育を取り巻く状況について 令和3年5月26日 厚生労働省子ども家庭局保育課
1番人気の園から流れてくる園児の数の減少
施設の数が子どもの数より少ない時代、地域で一番人気の園に入れなかった子ども達が2番、3番人気の園に流れて入園をしており、待っていても子どもが入りました。
ですが、出生人数が年々減ってきている今の時代だと、1番人気の園から溢れてくる園児はほとんどいなくなっている、いなくなっていくと予想されます。
今までは保育事業といえば、公的なお金が潤沢に投入され、税金面でも優遇され、作ればなんとかなるという考えの方でも事業に参入できていました。
しかし、今後は存在の核となる部分を他との区別を行ったうえで打ち出さなければ、
結果的に保護者から共感を得ることができず、閉園せざるを得ない園が増えると予想されます。
つまり、ブランディングは子どもが減っている今の時代、入園児減少に悩まれている保育園に一番必要なことです。
③ブランディングで期待出来る効果
ブランディングを行う事でどのような効果が期待出来るでしょうか?
ここでは、ブランディングが必要になった背景を中心にご説明します。本記事の後半では保育園企業ブランディングに絞った具体的なメリットもご紹介しますので、まずは一般的にブランディングで期待される効果をご覧下さい。
企業の価値向上と競争力を得る
子どもの数が減って、真っ先に打撃を受けそうな保育業界ですが、実はグローバルで活躍する日本企業は保育業界よりももっと早くに生き残りの競争に苦しんできました(労働力の低下による)。
価値観も変化し、企業は顧客に求められなければ存在する事が難しい時代に既に突入しています。
どうすれば生き残ることが出来るのか?顧客から選ばれるのか?
一同に悩み、考えました。
その結果、経営にデザインの力を持ち込むことが今の時代に必要であると考えられ、経済産業省・特許庁によって2018年5月23日に「デザイン経営」宣言という資料が取りまとめられました。
この宣言はブランディングが前提になっており、ブランド価値向上の重要性が書かれています。
ここからは、「デザイン経営」宣言を通して、ブランディングの効果をご紹介します。
参考PDF:「デザイン経営」宣⾔ 経済産業省・特許庁 産業競争⼒とデザインを考える研究会 2018年5⽉23⽇
デザイン経営宣言が出された背景の一つとして、顧客はモノではなく、コトに価値を置くようになったことが挙げられます。優れた商品を作れば売れる時代は終わり、なぜその企業の商品でならなくてはいけないのか? といった動機が求められるようになりました。
企業は自社と他社の区別を行い、共感を得られるストーリーを作り、他の企業では代替出来ない存在である事を顧客に感じてもらう必要が生まれ、結果、ブランディングが必要とされました。
このことから、ブランディングの効果とは、顧客にとって企業の価値が向上し、他社ではなく、自社を選んでもらうための競争力を得ることです。
「デザイン経営」は、ブランドとイノベーションを通じて、企業の産業競争⼒の向上に寄与する。
結果、顧客から選ばれる。
引用:経済産業省HP
参考URL:https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200323002/20200323002.html
④保育園企業ブランディングを伝えるターゲット
次に「ブランドを誰に伝える必要があるのか」「誰がターゲットなのか」ということに関して、保育業界に絞って、具体的に説明します。
職員(インナーブランディング)
結論から申し上げると、最終的なターゲットは保護者です。
ですが、ブランディングを最初に伝える対象は保護者ではありません、職員です。
「最初は職員」と聞くとゴールまで遠回りの様に感じられる方がいらっしゃるかもしれません。
ですが、職員を飛ばして、保護者に保育園の価値が伝わる事は絶対にありません。
当社では、様々な保育園にお伺いする事がありますが、ブランドを感じる・地域に愛される保育園では職員の先生が必ず、保育理念を体現しています。
極端ではありますが、HPが無くてもSNSをやっていなくとも、一本筋が通った職員の対応を見るだけで、保護者はその園らしさを感じます。
逆にHPにどれだけ素敵な写真を載せて、どれだけ素敵な言葉を綴っても、職員の対応が伴っていなければ、保護者からは選ばれません…。
保護者(アウターブランディング)
職員にブランドが浸透したら、ようやく保護者に届きます。
職員には保育理念のすべてを伝える必要がありますが、保護者には短く・シンプルに、そして共感が得られる言葉や体験に絞って表現します。
関わるすべてのひと(アウターブランディング)
保護者がターゲットとはいえ、保育園に出入りしているすべての方にブランドを伝える必要があるということもお伝えします。
業者の方々は保育園が所属している地域の方である事がほとんどです。
もしかしたら保護者かもしれないですし、保護者の知り合いの方かもしれません。
親戚のお子さんが保育園に通っているかもしれない、そんな方々がいらっしゃるかもしれません。
自分達への対応が雑だと感じた人は「きっと、子どもにも雑なんだろう」、「職員同士のコミュニケーションも雑なんだろう」とすべてを察したつもりで第三者に話してしまうはずです。
ブランディングが成功している保育園は、出入りする人達すべてがその保育園のファンである事が多いです。
自分達のブランドにふさわしい振る舞いを決めて下さいとここではお伝えしたいです!
⑤ブランディングを成功させるには?
ブランディングを成功させるために必要なポイントを2つに絞り、ご紹介致します。
ブランディングを始めるからには成功させたい経営者の方に、必ず知っていただきたい考え方です。
- 適切なチーム作り
- 結果の設定と検証
適切なチームを作る
まずはプロジェクトに必要なスキルや人材を知っておく事が重要です。
法人の規模によって参加すべき人数やメンバーは変わってくるかと思いますが、必要なスキル・人材を下記にまとめました。
- 経営者…理念や経営戦略について考える人
- クリエイティブディレクター…経営者の理念、経営戦略を一本筋を通したコンセプトとして打ち出し、他のメンバーの表現物を管理する人。ブランディングの責任者
- マーケッター…経営者が経営戦略を考えるために必要な考え方や、数字でブランドの浸透を確認出来る様に情報 ( 市場調査等 ) を提出する人
- デザイナー…イラストレーターなどを使って販促物等を作れる人
- フォトグラファー…写真を撮れる人
- イラストレーター…イラストレーターなどを使って販促物等を作れる人
- コピーライター…ブランディングにふさわしい言葉を作れる人
- プログラマー…HPを作る事が出来る人
法人内部の人で構成出来るのであれば構成しても良いのですが、クリエイティブディレクターとマーケッターについては外部の人を入れる事をオススメします。
なぜかというと、自分達の当たり前が実は核になる強みであることがある場合や、自分達では当たり前のことが保護者や外部の視点から見ると全然当たり前ではないことが本当に多いからです。
兼任可能な内容は一人の人が複数を担当しても問題ありません。
結果設定と検証をする
ブランディングは保育園の言いたい・やりたいことを打ち出すものではなく、ターゲットがどう感じるかという考えが前提にあるので、導入してもすぐに結果が伴わない場合があります。
一朝一夕にはブランドにならないからこそ、数字で定点観測出来る基準を事前に定めておく必要があります。
KPI(重要業績評価指標)を必ず設定しましょう。以下、保育園企業ブランディングで設定し得るKPIを記載します。あくまでも具体例なので保育園にとって必要なKPIを設定して下さい。
- 園児の入園希望者数
- 入園説明会の参加者数
- 保護者からの問い合わせ数
- 保護者満足度 ( アンケート調査等 )
- SNSのいいね!の数や閲覧数
- 求人応募数
- 離職率
保育園企業ブランディングのメリットとデメリット
この章では保育園企業ブランディングにおけるメリットとデメリットをご紹介します。
保育園企業ブランディングのメリット
まずは、保育園企業ブランディングのメリットを見ていきます。ほとんどの保育園でこれが解決すれば上手くいく!という内容がすべて詰まっています。
- 園児募集に困らなくなる
- 職員の採用で困らない
- 保育料の単価を上げることが出来る
園児募集に困らなくなる
地域での認知が高まると、他とは違う事をしている〇〇に強い保育園という認識をされます。
つまり、下記の図の様に〇〇に強いという他園との違いに保護者が共感をして、この保育園「だから」入りたい!という保護者の子ども達が入園する事になります。
職員の採用で困らない
ふたつめは「職員が採用出来ない」「良い職員が面接に来ない」といった悩みを解決する事が出来ます。
職員の採用に関する流れは、入園希望を出す園児の流れと変わりません。
職員は他とは違う保育をしている〇〇に強い保育園に惹かれて入職したいと思うため、自法人の強みを既に知っている状態です。
自分たちの保育を理解していない方ではなく、自分たちの保育に憧れている方が面接に来ます。
保育料の単価を上げる事が出来る
上記の表から二番人気、三番人気の園はどうしても保育料の価格競争に巻き込まれてしまいます。
実際は上乗せ徴収をしなくてはいけないという状況でも出来ないといった状態です。
一番人気の園だけが単価を上げる事が出来る状況、もしくは単価が低くても分母が集まっているのでさらに支持されるという状況ですが、〇〇に強い保育園は他とは違う事をしているため比較対象にならないという事が分かります。
そのため他法人との保育料の比較をされて高い・安いで選ばれる訳ではなくなりますので、必要な上乗せ徴収を行える様になります。
保育園企業ブランディングのデメリット
対してデメリットですが、ブランディングを成功させるために必要なことをコストと考えるなら、納得の内容かと思います。
- 時間が掛かる
- お金が掛かる
- やらない事が決まる
時間が掛かる
ブランディングはとにかく時間がかかります。
ブランドは一朝一夕で作ることが出来ない、短期的に考えて結果を伴うプロジェクトではありません。
なので、経営者とプロジェクトに携わる人の時間を確保しなければいけない事が最初のデメリットです。メンバーの時間を継続的に確保する事が何よりも難しくなります。
お金が掛かる
何でもそうですが、外部に任せる業務の分はお金がかかります。
外部に任せないとしても職員が通常業務に加えてブランディングに使う時間が増える分、人件費が追加でかかる可能性があります。
後にご紹介しますが、ブランディング戦略を実行する際に「新しく作る・変える」などを行わないといけない事がとても沢山あります。
さらに、ブランディングを有名なデザイン事務所や会社に依頼する際の料金は予想しているよりも多い可能性があります。
お金はかかりますが、長期的に見て何より効果が大きいことは既にご紹介しましたので、事前にしっかりと相場を調べておくことが大切です。
やらない事が決まる
経営者がブランディングに携わるという事はその分、他の経営判断や業務、渉外活動に回す時間が減りますので、必然的に時間の投資先が決まります。
また、ブランディングで決定した「自分達らしさ」が説明出来ない行事などはやらない事になります。
今まで長く続けてきたことを止めるという事は考えているよりも大変な決断です。
ですが、小規模の保育園ほど何をやるかと同じくらい、やらない事を決める事が大切になります。
なぜなら大規模保育園と比べると限られた人数と予算のため、差が出るからです。
保育園企業ブランディングの手順
この章では当社で実際に保育園でブランディングを実行する際の手順や流れをご説明します。
ブランディングの手順全体像
ブランディングの手順を以下、表にしました。
大きく「準備・実行・検証」3つのフェーズに分ける事が出来ます。
- 【準備】市場調査、現状分析
活躍するチームメンバー:経営者、クリエイティブディレクター、マーケッター
- 【準備】他者との区別、存在意義
活躍するチームメンバー:経営者、クリエイティブディレクター、マーケッター、コピーライター
- 【準備】職員の資質、DNA
活躍するチームメンバー:経営者、クリエイティブディレクター、コピーライター
- 【実行】職員との接点
活躍するチームメンバー:クリエイティブディレクター、デザイナー、フォトグラファー、イラストレーター、プログラマー
- 【実行】保護者との接点
活躍するチームメンバー:クリエイティブディレクター、デザイナー、フォトグラファー、イラストレーター、プログラマー
- 【検証】ブランディング浸透
活躍するチームメンバー:経営者、クリエイティブディレクター、マーケッター
準備フェーズ
ブランディングは単におしゃれなデザインに統一感を持たせる、自分達の事を好きに発信するだけではなく、顧客からの共感、支持を得る必要があります。
そのためには保育園が現在置かれている状況はもちろん、近隣保育園や周辺の保護者についても考える必要があります。つまり、ブランディングの際に当社では経営や事業戦略も含めて検討します。
準備フェーズは他のフェーズと異なり、保育園によって内容が異なりますのでご興味を持たれた方は、無料経営相談をお申込み下さい。
本当の強みを見出し、経営戦略がしっかり固まってようやく、ブランディングの実行に移ります。
実行フェーズ
ブランディングの準備フェーズを終えたら、いよいよ実行フェーズに移ります。
実行フェーズでは、まずは職員が目にするモノやコトのすべてに保育園「らしさ」を仕込みます。
後にご紹介しますが、クレドのような職員向けのインナーブランディングのための冊子(当社サービスの「コンパスブック」)など目で確認できる資料がとても有効です。
職員に向けて自分達が大事にしたい保育とはどういう保育なのか?これから何を目指していくか?など保育園内や採用の媒体で職員向けに発信します。
以下、具体的な職員との接点を記載します。
- 採用のページや採用のための媒体
- 研修
- 職員会議のあり方
- 職員室
- マニュアル、ルール
- 福利厚生
- クレド、コンパスブックなどの内部向けの冊子
職員との接点を見直したら、いよいよ保護者との接点の見直しを行います。
この時点で職員は自分達がどういう存在でどんな保育をしたいか?など自分の保育園に対して共通認識である事が望ましいです。
- HPやSNS
- 法人案内書類
- ブランドブック
- 入園説明会
- 職員の対応や言葉遣い、子どもへの接し方 ( 名前の呼び方なども )
- 電話対応
- 保護者の前での職員同士のコミュニケーション
- 職員の身だしなみ、ユニフォームなど
- 行事の内容
- ドキュメンテーション
- 園舎
- 園だより
- 献立
- 保育室内 ( 照明なども含む )
- 使用するおもちゃ
- 整理整頓・清掃 ( トイレや職員室内も含めて )
- 職員室内の香りや音楽
検証フェーズ
ブランディングの実行が終わったら、検証のフェーズに移ります。
職員の反応はどうだったか、保護者の反応はどうだったか定期的に検証する必要があります。
以前の章でKPIを定める重要性をご説明しましたが、「新しく始める」「今まで行っていた事を止める」場合は結果どうなったのか? これからどうするべきか? という事をブランディングに関わるメンバーで話し合う必要があります。
参考:SEOマーケティング
ブランディングがどのように保護者や採用の場面で作用しているのかについて、なんとなくで捉えてはいけません、数字で確認するべきです。
ですが、ブランディングの効果はなかなか表に現れてきません。
そこで、HPや採用ページに関しては、以下のような数字を追いかけることが出来ます。
- どのエリアの人が見ているか
- アクセス数はどう変わったか
- アクセス数と入園児数、見学者数
- 採用ページのアクセス数と面接にくる職員の人数
数字を定点観測するとブランディングを数字で追いかける事が可能です。SEOマーケティングを入れるとKPIを設定しやすくなります。
保育園の企業ブランディングを実行する際の注意点
ブランディングを実行する際、注意すべきポイントを2つご紹介します。
- 事業に携わる全員で実行する
- 継続する仕組みが必要
事業に携わる全員で実行する
ブランディングは表現活動の全般のため、経営陣だけで全てを、常に手入れする事は出来ません。
職員に浸透していないと必ず綻びが見つかり、保護者は意外と細やかなところまで見ています。
また、ブランディングを実行する職員とは、保育士、保育補助者、事務職員、栄養士、調理員、(運転手)も含めてすべての職員です。
理由としては、保護者や地域の方は保育士なのか、事務職員なのかということは外から見た場合分からず、どんな職種であろうと接する人が保育園の顔になり、代表だからです。
- 保育士
- 保育補助者
- 事務職員
- 栄養士
- 調理員
- 運転手
早期に成果は出ないため、根気強く継続する仕組みが必要
ブランディングをやりたい、やろう!と考えている方に一番最初にお伝えしたい大切な事はスキームやノウハウではなく、長期間で取り組まなければいけないプロジェクトだと知っていただく事です。
一朝一夕にブランドは出来ない事、一回打ち出したブランドがずっとそのまま変わらず支持され続ける事は絶対に無いため、定期的にメンテナンスをする必要がある事を知っているのがとても重要です。
ブランディングを一回始めたなら、ずっと継続していく気持ちが無いのであればブランディングはオススメしていません。
例えば創業〇年とかなり長い間愛されてきたブランドのすべてが創業当初から一緒、全く変わらない、それが伝統であるという企業をご存じですか?その様な企業はかなり少ないはずです。
ロゴマークも商品も少しずつ変えられていたりします。時代に合わせて価値観も変化しますので、ブランドの中心である核は変えないけれど、今の時代に合わせた自分達らしさとは何か?そんな事を考え、追いかけ続けているものです。
ブランディングを始めるにあたり、必要な考え方のキーワードは、「長期」「定期」「継続」です!
- 「長期」
- 「定期」
- 「継続」
ブランディング戦略に役立つ施策
職員との接点の見直しの際、一役買うのがインナーブランディングにおける成果物(目で確認出来る「らしさ」)です。クレドの様な物を自分達で作成してももちろん構いません。あくまでも例として当社のサービスである「コンパスブック」をご紹介致します。
HPやコンパスブックやクレドのような成果物に料金の支払いが発生する訳ではないことをご承知おきください。
コンパスブック(クレドカード)
当社では特にインナーブランディングが大切だと考えています。
以前の章でもお伝えしましたが、経営者から保護者に直接ブランドを伝える事が出来ないからです。
そこで、保育園が目指すべき方向を指し示すコンパス(指針)になる様なものを目に見えるツールで作成することを大切にしています。
保育園らしさを1冊の冊子に詰め込み、会議などで職員が頻繁に目で確認出来る様にすることがとても大切です。
基本方針が固まる事で職員の日常業務の判断がしやすくなり、業務の効率化が進みます。
従業員研修
ブランドとは何か、自分たちが何を大切にしていくべきか、職員の理解があるとブランディングのスピードは加速します。
そこで当社ではブランド、ブランディングのチームに所属していない職員もある程度ブランディングについて知っておく必要があると考えています。
必要になった時代背景と今の世の中で重視される価値観(モノからコトへなど)についても共通の認識が必要です。
経営者自らがブランディングについて説明出来るのであれば、それが一番説得力がありますが、外部から話してもらうのも意外と職員に効果があります。
一番危険なのは研修も説明も何もせずにブランドやブランディングの理解を求める状態です。
保育園企業ブランディングの実例紹介
この章では、実際に導入されたお客様の例をご紹介致します。
宮城県 気仙沼市 けせんぬまおひさま保育園 様
- 他者との区別、存在意義の言語化
- 職員の資質、DNAの言語化
- 社風(ルール)の言語化と評価
職員の先生たちの経験年数も長く、地域の保護者からの支持も既に獲得されていらっしゃいましたが、もっと自分たちの保育理念の言語化や社風(ルール)の言語化を進めたいという想いでインナーブランディングのご依頼をいただきました。
長年勤める職員が自分たちの保育園でどんな目標を達成したいのか、どんな人間になりたいのか、他者からどう見られたいのかを考え、書くことが出来る冊子を作成致しました。
事業拡大のタイミングで導入していただき、自分たちが何を大切にしてどのような保育園を目指しているのか、外部の方にも説明することが出来たとお話をしていただきました。
- 職員が書きながら使い込むことで保育園の中でどう成長したいか、考える機会になった
- 自分達の目指す未来を外部の人に説明することが容易になった
- 新しく入職する職員に保育園の社風が伝わりやすくなった
- 職員がどう行動すれば良いのか、迷わなくなった
保育園ブランディングでよく頂くご質問(faq)
ブランディングとは簡単に言うとどういう事ですか?
- Qブランディングとは簡単に言うとどういう事ですか?
- A
ブランドを顧客に誤解なく感じてもらうための表現活動全般を指します。
リブランディングのお願いも可能でしょうか?
- Qリブランディングのお願いも可能でしょうか?
- A
株式会社いちたすでは、リブランディングも行っております。
ブランディングは定期的に見直しを図る必要がありますので、当社では法人の節目を迎えるタイミングでリブランディングする事をおすすめしています。リブランディングを行う過程で、現在のブランディングのまま続けるべきであるという結果が出る場合もございます。また、以前の章でご紹介しました、インナーブランディングのためのツール、コンパスブックの作成の単体のご依頼も承っております。
ブランディングの一環で保育園ロゴの制作もお願いしたいのですが…
- Qブランディングの一環で保育園ロゴの制作もお願いしたいのですが…
- A
当社でロゴの製作はしておりませんが、信頼の置けるデザイナーの方をご紹介する事が出来ます。
保育園経営コンサルティングならいちたすへ
保育園のブランディングを検討するうえで、お困りのことがありましたら株式会社 いちたすへお気軽にお問合せください。
保育園のブランディングをどのように行っていくのかといった具体的なご相談から、今後の園運営を考えて、園が目指す保育をどのようにして実現していくのかという長期的な目標達成のご支援まで、幅広くご支援しています。
いちたすについて
株式会社 いちたすでは、保育園・こども園・幼稚園の経営者の皆様に対して、経営・運営・財務に関するコンサルティングを専業で行っています。
- ブランディング支援
- 配置基準の確認
- 認定こども園等への移行支援
- 少子化に対応し、継続的に運営していける体制作り
- 園児募集支援(強みの明確化・見える化)
- 保育士募集支援(安心して働ける環境づくり、ライフステージに合わせたキャリアプランの支援)
- 所轄庁の行政監査対策
- 園業務のICT化支援
- 日常の会計確認・記帳代行、決算作業、計算書類作成
会計会社として、日常の会計の確認、記帳代行を行ってもいますので、園のバックオフィス業務、書類関係全般のご支援もしています。税務については保育所・こども園・幼稚園等の税務に精通した税理士法人と提携しています。
「会計事務所は法人設立からお世話になっているから変えたくない」というお声を頂きます。
そのような場合は、会計・税務ではなく、
- 委託費の加算の取りこぼしがないか、第三者に確認してもらいたい。
- 認定こども園への移行を考えているが、何から手を付ければよいかわからない。
- 処遇改善をどのように取り入れていけばよいか、他園がどのように行っているかを知りたい。
などのお悩みに対してご支援・コンサルティングを行う顧問(相談)契約もあります。こちらは、セカンドオピニオンのようにお使いいただくことも可能です。
料金プラン
株式会社 いちたすでは、定期的な顧問契約から、スポット(単発)での委託費の確認、申請書類の確認なども行っております。
たとえば相談契約、コンサルティング契約ですと
で引き受けております。
「複数施設を運営しているが本部で契約したい」「打ち合わせは2か月に1回でよい」など、オーダーメイドでご契約内容を作成いたしますので、お気軽にご連絡ください。
依頼の流れ
お問合せフォームかinfo@ichitasu.co.jp宛にメールをお送りください。
詳しい内容をお伺いいたします。
その後は、
- 当社の担当者が園にお伺いする
- 当社事務所(仙台市一番町)にお越しいただく
- Zoomなどを利用してオンラインで打ち合わせをする
といった形で、具体的にどのようなご支援が出来るのかを打ち合わせいたします。
園によって状況は様々ですが、
- 会計・財務顧問契約
- 収入最適化に向けたコンサルティングサービス
- 園運営を行う上での課題を解決するプロジェクト
- 顧問(相談)契約
- 監査対策を中心とした契約
- 処遇改善等加算の申請書・実績報告書などの書類作成支援契約
- 加算の取りこぼしがないかなどのセカンドオピニオン契約
- 社内研修、幹部研修開催支援
など、ご要望に合わせてご提案いたします。
お気軽にお問い合わせください。