本記事では、当社(株式会社いちたす)の「必読書」のひとつでもある『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』という書籍をご紹介いたします。
組織内で問題が起こったとき、咄嗟に「個人」に原因を追求してしまうこともあるのではないでしょうか?
「仕組み」で解決することは、「人の上に立つべき人」に必要な要素である。
当書では、人の上に立ち続けるためには、いかなるときも「ルール」を疑い「仕組み」で解決することが必要だと書かれています。
識学マネジメントを取り入れている当社が、「ルール」によって、社員の成長を「仕組み化」するために取り組んでいる、マニュアルの作成についても併せてご紹介いたします。
参考URL:ダイヤモンド社 とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法
『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』とは
『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』とは、「株式会社識学」の代表を務める安藤広大さんの著書で、2023年5月に出版され、現在37万部を超えるベストセラー本となっています。
「識学」とは「意識構造学」からとった造語であり、組織内の誤解や錯覚がどのように発生し、どうすれば解決できるか、その方法を明らかにしたマネジメント法です。
当書では、識学の考え方をもとに、経営者に限らず、中間管理職やチームリーダー、未来のリーダーを担うプレーヤーや若手社員にも役立つ「仕組み化」のための5つのポイントについて解説されています。
- 責任と権限:決めたことを守り切るようにすること
- 危機感:正しい恐怖を感じ続けるようにすること
- 比較と平等:正しく人と比べる環境を整えること
- 企業理念:自分がどこに向かっているかを迷わないこと
- 進行感:他者と共に大きなことを成し遂げること
『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』の書評
ここからは、当書から学んだ3つのポイントについてご紹介いたします。
ポイント1:なぜ、「仕組み化」が必要なのか?
当書では、仕組み化が必要な理由として、「性弱説」と「属人化」について書かれています。
「性弱説」というのは、「人はラクをして生きるものだ」と、精神論を諦めた上で物事を考えたほうがいい、という教えです。
『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』P28,29より
だから、仕組み化をやっておかないと、毎回、
(中略)
頭で考えてしまったり、自分の誘惑といちいち戦ってしまうことになります。
(中略)
このムダを極限までシンプルにするのが、「仕組み化」のメリットです。
性弱説にのっとって改善していく姿勢が、組織をどんどんよい方向に導きます。
ある業務が、1人部署でおこなわれていて、その人が休んだりすると、誰も業務がわからなくて、休みが明けるのを待つ……。
『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』P62より
そんなことがないでしょうか。
属人化はリスクです。
一時的にうまくいっていても、やがて停滞します。
人は、楽をして生きるもので、放っておくと属人化するため、ルールを決めて、マニュアルに忠実に取り組むことが大切だと書かれています。
当社でも、様々な業務についてマニュアルが作成されており、社内で共有されています。
なかでも、社内共通の業務である庶務業務については、「当番業務」として入社したばかりの職員が担当しますが、組織によっては、庶務業務は暗黙知として担当者に属人化されていることも多いのではないでしょうか。
そこで当社では、当番業務をマニュアル化することで、庶務業務の作業内容を社内で統一しています。
- 郵便物回収:朝出勤時と13時30分にポストへ行く。
- 窓の換気:昼休憩後、窓を開けて10分間換気する。
- 物品管理:週に1回、物品リストの最低在庫数を下回っていないか確認し、足りない物品があったら購入する。
各業務ごとに、作業の内容やタイミング、頻度が決まっているので、「何をすべきか?」「どこまでやるべきか?」について悩まず、業務に取り組むことができます。
入社した当初は、新しい業務について学びながら、決められた当番業務ができるか不安でしたが、作業手順がマニュアル化されルールが決まっているので、知識の習得と当番業務を並行しながら進めることができました。
マニュアルがあることで、業務に対する悩みや迷いがなくなり、業務が標準化され、誰が担当しても同じクオリティで業務を行うことができる体制がつくられていくのだと実感しました。
マニュアルは作成したら終わりではなく、状況に応じて内容を更新する作業が発生するため、少し面倒で時間を取られてしまうと感じていました。
実際は、担当する職員がマニュアルを把握し、業務が標準化されていると変更点のみを伝えるだけで周知ができるため、職員間の共通理解や認識の擦り合わせの時間を削減することができます。
ポイント2:ルールの明文化
当書では、社員が「成長」を感じることができる、環境の「仕組み」をつくることが大切だと書かれていますが、そのために必要な「ルールの明文化」について、次のように書かれています。
「明文化されたこと」について指摘するだけです。
『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』P129より
(中略)
つねに責めるのは、「仕組み」のほうです。
そうすることで、「明文化されたルール」に価値が生まれます。
書いてあることの意義が強くなり、守らないといけない意識が高まるのです。
当社では、社員が閲覧できる社内ポータルサイト上に業務のマニュアルが登録されてあるので、いつでもマニュアルを検索して確認することができます。
業務上のルールが明文化されていると、次に何をすればいいか「作業の流れ」と「業務の境界線」が明確になると同時に、ルールを守るために「業務を完遂する」意識が高まり、社員の成長にもつながります。
新しい仕事を担当するときは、特に不安を感じることが多いのではないでしょうか?
私は、マニュアルによって業務のルールが明文化されていると、読んで分からないところを質問し、確認することができるため、より業務の理解を深めることができると感じています。
さらに、いつでも確認することができるので、安心して業務に取り組み、自信をもってできる仕事が増えたと感じています。
自分が普段行っている業務についてマニュアルを作成するには、自分以外の職員がマニュアルを読み業務を完遂できるよう、「読み手」を意識し、「業務手順」を整理しながら明文化していく必要があります。
そのため、客観的な視点で自分の業務を振り返り、より効率的な方法や手順を検討するため、自分自身の業務への取り組み方を見直す機会にもなっています。
ポイント3:「企業理念」を再認識する
当書では、「企業理念」についてこのように書かれています。
いかなるときも、頭の中に理念が入っている状態で働かないといけない。
『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』P216,217より
もし、言えないのであれば、どこに向かっているのかわかるのでしょうか。
それを知らないまま、走っている状態です。
自分の働いている組織の企業理念について、いざ聞かれると、言葉に詰まってしまうこともあるのではないでしょうか?
当社 株式会社いちたすでは、世の中の好循環は幼稚園や保育園から始まり、保育業界の経営者が幸せになれば、そこで務める職員、その家族、そして子ども、みんなが幸せになると考え、「明るい未来はこどもから。」という経営理念と「経営者の家族になる。」という使命を掲げています。
理念:明るい未来はこどもから。
使命:経営者の家族になる。
私は働く上で、自分の仕事が「こどもの明るい未来」につながっていると思うと、自然と業務に対する意欲が湧いてきます。
また、社内で理念が共有されることで、一緒にはたらく社員と同じ目的に向かって進んでいるという一体感から、前向きに業務へ取り組むことができると感じています。
弊社の採用面接の場でも、志望理由に「明るい未来はこどもからという理念に共感した」とお話しされる求職者の方が多くいらっしゃいます。
社内だけではなく、社外に向けても「企業理念」を発信していくことで、同じ目的意識を持った方から、ご応募いただけていると実感しています。
まとめ
『とにかく仕組み化 人の上に立ち続けるための思考法』は、リーダーが「仕組み」で解決することの大切さについて書かれた書籍です。
当社では、この書籍の内容を社内ルールに取り入れ、「ルール」によって、社員の成長を「仕組み化」するために、社員全員でマニュアルの作成にも取り組んでいます。
実際にマニュアルを作成すると、明文化することの難しさを実感し、ルールを決める側の大変さも感じることができます。
当書に書かれている「仕組み化」で解決するマネジメントは、保育園や幼稚園の組織づくりにも、きっと役立つ内容かと思いますので、ぜひこの本を手に取ってみてください。