株式会社いちたすの採用担当です。
今回は2025年12月1日に開催した、第一回社内読書会のレポートをお送りいたします!

読書会と言っても、各自が好きな本を持ち寄って紹介するような会ではなく、全員が「致知(ちち)」という月刊誌を読んで感想を共有する「社内木鶏会(もっけいかい)」を実施しました。

社内木鶏会レポートの挿入画像

これまでいちたすの社風として、コミュニケーションはチャットツールを利用したテキストベースで、雑談もなく必要以上に干渉しない適度な距離感を保っている、とお伝えしてきました。

仕事はプロとしてきっちりこなす、でもプライベートは持ち込まない。そんな誠実さの上に成り立つ簡潔な人間関係を築いてきたのですが、今回、新たな交流の場を設けることにしました。

  • 「これから交流を深めていくのであれば、表面的な世間話や飲み会ではなく、もっと意義のある、心の通った交流がしたい
  • 「その人が何を考えているのか、その背景にある考え方を知ることで、より強固で良好な信頼関係を築けるのではないか?

そんな思いからスタートした読書会について、記念すべき第1回目の様子を、「なぜ木鶏会だったのか」という理由も併せてお伝えしていきます!

社内木鶏会、そして致知とは

まずは社内木鶏会とはどんな会なのか、題材となる致知とはどんな雑誌なのかを紹介します。

社内木鶏会とは?

題材となる「致知」を出版している、致知出版社のホームページには以下のように紹介されています。

月刊誌『致知』をテキストに、会社内で人間学を学ぶ月例の社内勉強会が「社内木鶏会」です。

社内木鶏会の目的は、『美点凝視』の精神でお互いがお互いの素晴らしいところを見つめて認め合う。そしてお互いがお互いを尊重しつつ、共に人間的に成長することだと考えています。 

参照元:https://www.chichi.co.jp/study/contentsstudy/shanaimokkei_about/

木鶏会は、本を読むことが目的ではなく、人間学を学ぶことを目的としています。ここでいう人間学とは、「人間としての在り方」「いかに生きるか」を探求し、自らの人格(徳性)を高めるための学びです。

人間が生きていく上で必要な学びは大きく二つに分けられ、ひとつは「時務学」、もうひとつが「人間学」と考えているそうです。

時務学(じむがく)とは
  • 知識、技術、ノウハウ、職業上のスキル。
  • 「何ができるか」「どう生計を立てるか」という才能・手腕に関わる学問。
  • 現代の学校教育やビジネス研修が主に注力している領域です。
人間学(にんげんがく)とは
  • 徳性、品格、人間力。
  • 「どのような人間になるべきか」「いかに生きるか」という人格・徳に関わる学問。
  • 古典や歴史、先人の生き方から学ぶ「心の修養」です。

この二つを木に例え、時務学は幹や葉の部分であり、それを支えるためには屈強な根っこが必要である、その根っこになるのが人間学だと教えていただきました。

その人間学を通して徳性である思いやり、誠実さ、尊敬する心を学ぶ。それが木鶏会の大きな目的です。現在では、社内木鶏会は全国約1,280社、学内木鶏会は約100校ほどで実施されているそうです。

社内木鶏会でレクチャーを受けているときの挿入画像

致知とは

では、木鶏会の題材となる「致知」という雑誌はどういった雑誌なのでしょうか。致知出版社のホームページには、以下のように紹介があります。

月刊『致知』は有名無名やジャンルを問わず、各界各分野で一道を切り開いてこられた方々の貴重な体験談を毎号紹介しています。書店では手に入らないながらも、口コミで増え続け、11万人に定期購読されている日本で唯一の人間学を学ぶ月刊誌です。

参照元:https://www.chichi.co.jp/info/beginner/

日本で唯一人間学を学ぶことができる雑誌でありながら、書店で購入することはできません。

有名な経営者の成功ノウハウや、すぐに使えるビジネススキルは載っておらず、書かれているのは、いつの時代も変わらない「人としてどう生きるか」「逆境にどう向き合うか」という、人間の本質に迫る実話や対談ばかりです。

取締役
大窪 浩太

致知は経営層が購読していることが多く、幼稚園・保育園の理事長先生も例外ではありません。経営者とお話しするうえで、知識として、どういう経験をしてきたのか、どういうことを大事にしているのか、を理解しておくためにも致知はお勧めの雑誌です。

致知をただ読んで終わりではなく、人生や仕事に生かすことができる教えや言葉に出会うこと、それが最大の目的です。致知は言葉と出会うための道標なのです。

なぜ今、「木鶏会」なのか

全職員との交流の機会として木鶏会を選んだ理由を、弊社代表取締役の大窪由衣に聞きました。

代表取締役
大窪 由衣

役員と職員、職員同士の交流の場として、「自己肯定感が満たされたのち、それぞれが他者貢献といった社会全体の最適に気持ちが向かわないもの」はいちたすでは行わないと決めていました。

そのため、「素心」「美点凝視」のトレーニングを行いつつ、いちたすのコアバリューを自分自身のものにすることを目的とした、社内木鶏会を開催することにしました。
経営者の意思決定や価値観について理解を深める手段としても有効だと考えています。

「素心」とは、言葉から嘘や飾りを排除した開いた心、ありのままの心のことです。自分の心をさらけ出すことだけでなく、相手の思いを受け入れることも必要です。

また、「美点凝視」とは、人や物事の長所や優れた点に意識的に注目することを言います。

木鶏会に参加することで「素心」と「美点凝視」のトレーニングを行い、最終的にはいちたすのコアバリューを、職員それぞれが自分のものにできるように、という目的があり開催に至りました。

番外編:いちたすのコアバリュー

木鶏会開催の目的であるコアバリューの浸透ですが、いちたすでは下記のコアバリューを定めています。

いちたすのコアバリュー
  1. 仁(利他の精神):社会に対する影響力を持ち、本質的な豊穣を目指して社会構造を変革しよう
  2. 義(約束と結果):約束や目標に対して、効率を求めて結果を出そう
  3. 礼(礼儀と敬意):円滑な人間関係を築くための規範を守ろう
  4. 智(自彊(じきょう)):物事を正しく判断するため、多様な視点や知識を倦まず弛まず習得しよう
  5. 信(誠実)   :言動の一貫性を通して、他者からの信頼を獲得しよう
  6. 夢(未来志向) :先人に感謝し、自らの意思や行いを未来に託そう

ひとが常に守るべき道徳5つを五徳(仁・義・礼・智・信)といい、五徳を基にいちたすの資質を当てはめて、さらに1つ加えた、「六徳」をコアバリューとしています。

読書会当日の様子

ここからは、社内木鶏会である読書会を開催した当日の様子を紹介いたします!

  1. 致知・木鶏会・人間学についての説明

    第1回目の開催ということで、致知出版社の方お越しいただき、「致知について」「社内木鶏会について」「人間学について」、レクチャーをしていただきました。

    木鶏会は致知を読むことが目的ではなく「言葉と出会うことが目的」、という最も大切な心構えを教えていただきました。

    いちたす
     及川

    致知出版社の方のお話しで心に残ったのは、「人生は出逢いによって決まる」という言葉です。
    ここでいう出逢いは人や出来事だけでなく、言葉も含まれており、自分の心の中にどんな言葉・教えがあるかで人生が変わるということを教えていただきました。

  2. グループでの感想発表

    3~4人のグループをくじ引きで作り、推薦記事の中から1つにの記事ついての感想をグループ内で発表し合いました。事前に用意してきた感想は「そのまま」読むことがルールです。

    感想を発表した後は、発表者に対し全員がコメントをします。コメントをする方法にもルールがあり、
    ・美点凝視で「○○さんの素晴らしいところは~」から始める
    ・評価や批判など、ネガティブな言葉は禁止
    これらをしっかり守って行いました。

    社内木鶏会でグループワークをしている挿入画像

    普段の業務では、どうしても問題解決のための会話が多くなりがちです。しかし、この場ではお互いの人間性や感性を認め合うことだけに集中します。

    発表が終わり時間が余ったグループは、特定のテーマについて自由に意見交換をしました。今回のテーマは「父・母・祖父・祖母などからもらった、大切にしている教え、言葉」でした。

  3. グループで一番良かった人の選出、全員の前で発表

    グループ全員の発表が終わったら、多数決で一番素晴らしかった感想を発表した人を選びます。選ばれた人は全員の前に立って、自分が書いた感想を発表しました。

    社内木鶏会で代表者が感想を発表している挿入画像
  4. 社長からの総括

    今回の読書会の総まとめを社長にしていただきました。

同じ記事を読んでいたとしても、人によって感想は全く違っていました。これまでの生き方、環境、境遇によって考え方は全く違います。そして、その感想には良いも悪いもありません

それぞれが持っている考えを「素心」で伝え、「素心」で受け入れる。そして「美点凝視」でお互いのすばらしさに気づき、認め合い、尊敬する。その目的が大いに達成された読書会だったと実感しています。

また、職員だけでなく役員も含めた全員が参加することで、会社のトップが何を考え、どこを向いているのか直接触れることで、自分が進むべき方向性が明確になる機会にもなると期待しています。

社内木鶏会の様子の挿入画像

参加した感想

職員の感想を抜粋して紹介します!

いちたす
 室井

普段職員同士で業務以外の内容をお話しする機会がないので、 参加前から楽しみにしていました。

実際、読書の感想だけでなく、その人の人柄が垣間見える場面もあり、 想像以上に充実した時間になりました。 参加してみて、思っていることをその場で言葉にすることに難しさを感じました。 今後回数を重ねてトレーニングしていけたらと思っています。

いちたす
 大友

もともと活字を読むことは好きなのですが 、家事や子育ての傍ら、業務時間外に読むことに少々抵抗がありました…。

しかし今は、読書会が開催されること、致知を支給されることに、貴重な機会をいただいたと心から思えています。

実際に読んでみると「振り切った人の思考回路」の説得力は圧倒的で、自分の不明瞭な思考が言語化され、人としての「在り方」が、自分の近くへ一縷の光となって射したような感覚を得ました。一言でいうなら「振り切った人は強い」。こんなに振り切った方々の思考や言葉に触れる場に、すっかり動揺してしまいました。

今後はいかにこの光を見失わずに、「在り方」を自分に定着させられるか、を自分に期待しています。

いちたす
 及川

私はもともと、致知という雑誌を知りませんでした。読書会を機にはじめて読むことになり、「なんて難しそうな雑誌なんだ…」と思ったのを覚えています。ですが読み進めてみると、対談形式になっている記事も多く、負担なく読み進めることができました。

自分で選んで読む本や雑誌は、自分の好みの内容にどうしても偏りがちです。題材が指定されているからこそ、これまで出会えなかった言葉に出会うことができる、そう実感しました。

致知を読む目的、木鶏会の目的は「本を読むことではなく、言葉や教えと出会うこと」であることを忘れず、読むときにも「素心」で読むことを心がけたいと思いました。

最後に

今回が1回目ということで緊張もありましたが、終わった後の会場はとても温かい空気に包まれていました!いちたすでは今後も月に1回のペースで社内読書会を開催していく予定です。

冒頭でお伝えしたように、私たちはテキストベースの効率的なコミュニケーションを大切にしています。しかし、その根底に「この人の考え方は素晴らしい」「この人の精神性は信頼できる」という共通認識があることで、私たちのチームワークはより強固なものへと進化していくのではないでしょうか。効率やスキルと人間力、その両輪を回しながら、職員全員で共に成長していきます。

また、一回一回の読書会を点として終わらせず、線としてつなげていくことで、「素心」や「美点凝視」をあたりまえの習慣にしていきたいと考えています。木鶏会を通じて養った人間力や感性は、必ず日々の業務の質を高め、お客様へのより良い価値提供につながると信じています

株式会社いちたすでは、専門的なスキル(時務学)はもちろん、一人の人間としての心の在り方(人間学)も追い求めながら働きたいという仲間を募集しています。

そんないちたすの社風や、今回の木鶏会の取り組みに少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひフォームやLINEから、お気軽にお問い合わせください!

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