総務省は2023年7月26日に、2023年1月1日現在の住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数を公表しました。

保育園・こども園・幼稚園を経営するうえでは、人口動態はとても重要になります。
園児募集にも直結する人口減少について、保育業界専門コンサルティング会社のいちたすが独自の目線で解説しました。
年少人口の割合が大きい地域・小さい地域市町村が行う子育て支援策についてもご紹介しております。

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総務省が2023年7月26日に、住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(2023年1月1日現在)を公表しました。

住民基本台帳とは

住民基本台帳は、氏名、生年月日、性別、住所などが記載された住民票を編成したもので、住民の方々に関する事務処理の基礎となるものです。

(引用元:総務省 住民基本台帳等

これによりますと、2023年1月1日現在の日本人の人口は1億2,242万3,038人で、前年同月比で80万523人減少しました。率にすると0.65%の減少です。
日本人の人口は、2009年をピークに14年連続で減少しています。

また、出生者数から死亡者数を引いた自然増減数△79万3,324人となり、調査を開始した1979年度以降最大の減少数です。
出生者数77万1,801人で、こちらも調査開始以降最少の人数を記録しました。

日本人の住民人口は、これまで増加していた沖縄県が2022年は減少に転じたため、初めて47都道府県すべてで人口が減りました。

一方で、日本国内に住む外国人は2020年以来、3年ぶりに増加し、299万3,839人(10.7%増)となっています。

(出典:総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和5年1月1日現在)

中小企業診断士:大窪

2023年2月末に厚生労働省が、2022年の出生数は80万人を切ったと速報を出しました。
今回は、総務省より住民基本台帳に基づき、日本人の出生数が77万人、外国人を含めても78万8,000人と発表されました。出生数が初めて100万人を切ったのは2016年ですので、かなり早いスピードで少子化が進んでいます。

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総務省の発表により、2022年の日本人人口は、全都道府県で減少したことがわかりました。
ここからは、人口について更に深堀していきます。

年少人口の割合が大きい地域、小さい地域

ここでは、0歳から14歳までの年少人口について解説します。
日本人住民の年少人口は、調査を開始した1994年以降、毎年減少しています。

2023年の人口で、年少人口の割合が大きい都道府県は以下の通りです。

順位都道府県割合
1沖縄県16.41%
2滋賀県13.38%
3佐賀県13.20%
4福岡県13.04%
5鹿児島県13.01%
年少人口の割合が大きい都道府県(総計)

上位5位の中で滋賀県以外は、九州地方という結果になっており、6位以降も熊本県宮崎県と九州地方が続きます。

続いては、年少人口の割合が小さい都道府県を紹介します。

順位都道府県割合
1秋田県9.26%
2青森県10.19%
3北海道10.37%
4岩手県10.58%
5高知県10.67%
年少人口の割合が小さい都道府県(総計)

こちらは、年少人口の割合が大きい都道府県とは変わって、東北地方が上位を占めています。
6位に山形県、10位に福島県と10位以内に宮城県以外の東北地方があがっています。

中小企業診断士:大窪

東北地方を中心に、年少人口の割合が減少しています。
弊社へいただくご相談も、園児の減少が影響している内容が急増しています。早ければ早いほど、打てる施策の数も多いですので、お困りの方はお気軽にお問合せください。

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人口(日本人住民)が増加している市町村の取組

ここでは、全国的に人口減少が進行する中、2020年から2022年の3年連続増加傾向にある市町村の子育て支援対策について紹介します。

市町村名2023年1月1日現在の人口
(2022年からの増加数)
人口増加に影響したと考えられる
主な子育て支援策
茨城県阿見町47,962人(611人)病児保育の開始、第3子以降の学校給食無償化や
18歳までの医療費無料化など
滋賀県守山市84,544人(572人)保育士等の収入を3%程度引き上げるための
処遇改善や民間園を対象とした補助金の創設等、
保育人材の確保策を実施。
鳥取県日吉津村3,567人(21人)保育所、児童館、子育て支援センター等が一体と
なった複合型子育て拠点施設を開設。
保育所及び幼稚園等での副食費の完全無償化
3年連続人口が増加している市町村の取組(出典:総務省

加速する少子化に対抗するべく、市町村ではこのような取組みを実施しています。
一方で、国としても2023年6月に「こども未来戦略方針」を閣議決定するなど、子育て支援策の強化を進めています。

中小企業診断士:大窪

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まとめ

総務省が、2023年1月1日現在の住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数を発表しました。

人口動態のポイント(2023年1月1日現在)
  • 日本人人口1億2,242万3,038人(対前年80万523人減少 △0.65%)
  • 自然増減数79万3,324人(調査開始以降過去最大の減少数)
  • 出生数77万1,801人(調査開始以降の最小数)
  • 年少人口の割合:九州地方が大きく、東北地方が小さい

少子化が加速し、園児獲得競争が激化することで保育園・こども園・幼稚園経営に大きく影響しています。これから、どのように法人を運営していくのか、経営判断が問われます。

今後は、理事長先生や園長先生が日常業務を手放し、経営について考える時間をどれだけ確保することが出来ているかが、とても重要になってきます。