現在、弊社(株式会社 いちたす)では、東北工業大学の大矢研究室と産学連携でいちたすのリブランディングに取り組んでいます。約1年がかりで行うプロジェクトの第5回ワークショップを2023年7月に開催しました。この記事では第5回の取り組みについてご紹介いたします。

これまでのまとめ

これまでのまとめについての説明画像

これまでに行った、ワークショップについてまとめます。

第1回WS(ワークショップ)のまとめ

第1回ワークショップではブランド・アイデンティティ・プリズムに取り組みました。
縦軸と横軸によって分かれた6つの項目について考えることで、自社のブランドアイデンティティの定義に必要な要素を整理していくフレームワークです。

第1回WS(ワークショップ)のまとめについての説明画像
東北工業大学 大矢研究室 作成資料

弊社社員からあげられた意見をもとにブランド・アイデンティティ・プリズムをまとめて頂いたものがこちらになります。

第1回WS(ワークショップ)のまとめについての説明画像
東北工業大学 大矢研究室 作成資料

ブランド・アイデンティティ・プリズムを活用することにより、魅力をわかりやすく顧客に伝えられるようになり自社のありたい姿と顧客が感じるイメージに一貫性を持たせることに繋がります。

ブランド・アイデンティティ・プリズムについてはこちらの記事で詳しく解説しております。
第1回:東北工業大学ブランディングワークショップ第1回|ブランド・アイデンティティ・プリズム

第2回WS(ワークショップ)のまとめ

第2回ワークショップでは、SWOT分析を行いました。SWOT分析とは、会社の置かれている現状を整理することで状況や課題を明確化し、次の戦略やマーケティングにつなげるための分析方法のことです。
弊社社員がSWOT分析に取り組んでみた結果…

いちたすSWOT分析
  • 強み(S):保育業界の経営スペシャリスト/事例・専門的知識が豊富
  • 弱み(W):社歴が浅く、知名度が低い/業務が属人化している
  • 機会(O):少子化による園経営の競争激化/経営陣の人手不足
  • 脅威(T):少子化による廃園増加に伴う市場規模縮小/保育士不足

以上のような意見が弊社社員からあげられました。今回のフレームワークを通して自社の現状を整理し、社員からあげられた結果を今後の活動につなげていきます。

SWOT分析についてはこちらの記事で詳しく解説しております。
第2回:東北工業大学ブランディングワークショップ第2回|SWOT分析

第3回WS(ワークショップ)のまとめ

第3回ワークショップではクロスSWOT分析を行いました。クロスSWOT分析とはSWOT分析をもとに、各要素を互いにかけ合わせて戦略を考えていくのに有効なフレームワークです。

クロスSWOT分析の4項目

強み(S)×機会(O)…積極化戦略

弱み(W)×機会(O)…改善戦略

強み(S)×脅威(T)…差異化戦略

弱み(W)×脅威(T)…防衛戦略

第2回ワークショップで行ったSWOT分析の結果をもとに、クロスSWOT分析を行った結果、積極化戦略はこうなりました。

いちたすの積極化戦略 強み×機会

幼児教育の重要性←質重視の法人に絞った
経理面サポート×ブランディング 総合支援

量より質、狭く深く
デザインまで含んだ専門性をアピール

その他にも差異化戦略や改善戦略といった領域の異なる戦略を考えていただきました。この戦略をブランドコミュニケーションの軸に置き、弊社がお客様とどのようなコミュニケーションを行っていくのかを考えていきます。

クロスSWOT分析についてはこちらの記事で詳しく解説しております。
第3回:東北工業大学ブランディングワークショップ第3回|クロスSWOT分析

第4回WS(ワークショップ)のまとめ

第4回ワークショップではブランドコミュニケーションの軸をどこに置くのかを検討し、大矢研究室のゼミ生の方が作成したムードボード案を説明していただきました。これまでのクロスSWOT分析を踏まえ、大矢研究室のみなさんに弊社社員からでた意見をまとめていただき、3つのブランドコミュニケーション案を出していただきました。

第4回WS(ワークショップ)のまとめについての説明画像
東北工業大学 大矢教授 作成

また、大矢研究室のゼミ生の方が作成したムードボード(アイディアやコンセプトを紙面やスクリーン上にまとめコラージュしたもの)を発表していただき、言葉と視覚でいちたすというブランドをより明確にしていきます。協議を重ねた結果、10年後のいちたすを見据えてブランドコミュニケーション案3【経営者の意識を未来志向(こども中心)に変革するゲームチェンジャー】をもとにブランドコミュニケーションの軸を考えていくという結論に至りました。

ブランドコミュニケーション・ムードボードについてはこちらの記事で詳しく解説しております。
第4回:東北工業大学ブランディングワークショップ第4回|ブランドコミュニケーション

第5回WS(ワークショップ)について

第5回WS(ワークショップ)についての説明画像
第5回WS(ワークショップ)の様子

ここからは、本題の第5回ワークショップの内容をご紹介いたします。今回はコーポレートスローガン&ステートメントについてディスカッション(討論)をメインに行っていきました。

ムードボード案

大矢研究室のゼミ生の方から第4回ワークショップで3つのムードボード案(アイディアやコンセプトを紙面やスクリーン上にまとめコラージュしたもの)を発表していただきました。ブランドコミュニケーションの方向性が定まり、今回再度検討させていただきました。

ムードボード3つの案
  • いちたすの現状をイメージしたもの
  • ブランドコミュニケーション案1をイメージしたもの( 家族・親しみ・相談しやすさをイメージ)
  • ブランドコミュニケーション案2と3をイメージしたもの( 経営・未来をイメージ)

ムードボードのイメージで今後のブランドロゴなどを考えて頂く際の参考にします。10年後のいちたすを考えながら意見を出し合いました。

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代表 大窪
お客様に直接いちたすに対しての意見を伺うことが多いですが、保育園に特化しているとは言え、こども関連のものを求められていないように感じます。保育業界以外の他業種の方の意見を取り入れたいと伺うことがあるためです。お客様は保育のプロフェッショナルであるため、デザインもこども・家族という温かみよりも、もっとスタイリッシュでより企業感があるものを求められている気がしていています。

コーポレートスローガン&ステートメント案

コーポレートスローガン&ステートメント案を大矢研究室のゼミ生の方が発表してくださいました。大矢研究室ゼミ生の方によるとスローガンは私たちの志をお客様と共有する合言葉のようなものステートメントはその志やコンセプトを心に響く文章に落とし込んだものと教えていただきました。

今回発表していただいたコーポレートスローガン&ステートメント案がこちらになります。

コーポレートスローガン&ステートメント案についての説明画像
東北工業大学 大矢研究室 作成資料

とても素敵なコーポレートスローガン&ステートメント案を発表していただきました。私たちの思いが外部の方にも届きやすい、素敵な言葉で表現されています。
「みつめる」という言葉1つとっても、「こどもをみつめる」、「みらいをみつめる」、「こどもがみらいをみつめる」など、その人の受け取り方によって色々なメッセージを発することができるように考えて下さいました。

一点、弊社社員で議論になったのが【こども目線】という言葉でした。現在の業務との違和感を感じました。弊社社員からはこんな意見もでました。

いちたす
松嶋

大切にしている言葉があってそれは、「こどもの最善の利益」という言葉です。こどもにとって一番良いことを考えていきたいという思いがあります。

目指すところはこどものためなのですが…現在の業務がこども目線なのかと考えると…と頭を抱えました。最終的には現実との違和感があるなら変えなければならないと再度大矢研究室の皆さんに修正していただくことになりました。

いちたす
伊藤

こども目線という言葉を違う表現で考えてただくことになりましたが、こども目線がなくなったら普通にならない?と大矢教授に問いかけていただき、確かに!と衝撃が走りました。差異化を図る点でもそうですが、何か引っかかりやスパイスがある言葉は覚えやすい、心に残りやすいとう学びがありました。

まとめ

第5回ワークショップでは、これまでの要点をまとめ、コーポレートスローガン&ステートメント案を発表していただきました。弊社の思いが外部の方にも伝わりやすい素敵な言葉で表現されていました。今後はこれまでの取り組みを踏まえ、会社案内のようなものにまとめてくださるとのことです。新しいいちたすをどう表現してくれるのかとても楽しみです。