こんにちは! 大窪 浩太です。
今回は、番外編として、前回紹介しました

資料1 令和3年度における子ども・子育て支援新制度に関する予算案の状況について
(参考URL :https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_55/pdf/s1.pdf)

上記PDFの資料より、令和3年2月、3月の給付費の請求・受領額にどのように影響があるのかを
見ていこうと思います。

関連記事:企業主導型保育事業の予算が340億円も削減!?第55回 子ども・子育て会議について(1)

まずは、上記資料から引用すると…

(実施時期)
単価表に係る改正告示の公布日の翌月分の公定価格から適用(4月に遡及して適用しない)→改定後の月の公定価格で年間の減額相当額の全額を減額

【例】令和3年2月分の公定価格から減額を適用する場合は、令和3年2月分及び3月分の公定価格から それぞれ6か月分を減額
※令和3年度以降については、毎月の公定価格から年間の減額相当額の1/12を減額

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_55/pdf/s1.pdf 
資料1 令和3年度における子ども・子育て支援新制度に関する予算案の状況について  P15

とありますが、第一印象として「2月、3月には間に合わないだろうな…」と思いました。
理由は3つあります。

 (1)令和2年4月から遡及して適用しない。

これまでの、人事院勧告に伴う公定価格の単価改定の際は、4月から遡及して調整が入りました。
どのように調整するかは、市町村によってまちまちでしたが、概ね2パターンに分かれていました。
1.所轄庁が、過去に提出した請求書を基に新しい単価で計算してくれ、差額まで出してくれる。
2.事業者が(園が)、過去に提出した請求書を基に、所轄庁が作成した新しい単価表で計算できるシートに入力して、差額を計算する。

どちらになるかは、所轄庁の規模(人員・能力)と子育てに力を入れているかどうかが、分かれ目になるのかな、と感じます。

ただ、今回は4月から遡及しないという事なので、これまで利用してきた給付費の請求書を再利用するのは難しそうです。

 (2)2月、3月の公定価格から半年分をそれぞれ減額

(1)でも書きましたが、今回は4月から遡及するのではなく、2月、3月分の公定価格からそれぞれ1年間の半額分(つまりは6ヶ月分)を減額することになっています。
毎月の給付費から減額するためには、新たにその減額分を計算するシートを作成する必要があります。

国が、全国で使える計算用のエクセルファイルを配布すれば問題ないのでしょうが…。
これまで作成されていないことを考えるとそうした計算シートが出てくると期待するのは現実的ではありません。
そうなると所轄庁(都道府県や市町村)が作成することになりますが、12月に方針が出て、2月の支給の際に反映させる、というのは…。なかなかの過密スケジュールです。

4月からの遡及調整であれば、毎月の公定価格の請求とは別に、遡及調整分として事業者から請求してもらう方法をとれば、毎月の公定価格はいつも通りの方法で請求してもらい、イレギュラーな作業として調整分の計算を行えば足りました。

しかし今回は、2月、3月分の公定価格からの減額。
つまり毎月の請求と同じタイミングで、請求額の減額調整として、処理をする必要があります。

2月分の請求が2月の月初から始まって
中旬には所轄庁が事業者から請求書を受け取らないと、所轄庁からの2月分の支給は間に合わないのではないでしょうか。

そう考えると、単価表の入力間違いなどは許されない計算シートを1月下旬、遅くとも1月末には完成版の計算シートを事業者に渡さないと、事業者側が間に合いません。
単価表の計算シートが間違えていると、年度末さらに所轄庁は改定の改定で地獄を見ることになってしまいます(園側も巻き込まれます)…。
そんな、これからどれだけ残業をしないといけないんだ…。

 (3)新型コロナウイルス感染症及びそれに伴う緊急事態宣言

令和3年1月8日から2月7日の31日間、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県(1都3県)を対象に、緊急事態宣言が行われました。

「いや、うちは東北だから」「1都3県には該当しないから…」という考え方も出来ますが、前回の緊急事態宣言のとき、省庁や地方公共団体とは、本当に連絡が取りづらくなりました。

該当地域の企業は「出勤者数の7割削減」をお願いされていますが、実際に行った場合、日常業務を回すことに必死で、イレギュラーな作業に対応する余力は残っていないのではないでしょうか(残っていたとしても、人命に関わる分野に資源を投入すると思います)。

公務員の方が出勤者数7割削減に対応するのかはわかりませんでしたが、いずれにせよ影響が出るのは自明と考えます。
また、市町村内でコロナ感染者が現れた場合、対応に多くの方が携わっているのが見て取れますし、市町村で働かれている方の中から感染者が出た場合、一時的にその部署の機能が停止するのも見てきました。

言葉はとても悪いですが、もし保育園に関係する方の中からコロナウイルスに感染した方が出た場合、その対応に所轄庁の担当課全員が追われる中で、ひとりだけ落ち着いて、公定価格の計算シートを新しい単価に切り替えるための作業を行うことが出来るのでしょうか…。


上記3つの点より、2月・3月での調整は難しいだろうな、と考えます。
今回は減額調整なので、職員に追加で支給する必要はありません。減額調整が入ることになりますので、調整時期が資金繰りに与える影響は抑えられます。
所轄庁の対応が遅れた尻拭いを園で行う、という切迫感も少ないはずです。
(決算に間に合わせるために、急いで作業する必要はあるかもしれませんが…)

現時点で対策を打つことが出来ることとしては、
・公定価格が調整になった分を、これまで通り職員の給与に反映させるのか(減額するのか)。
・今回は減額調整だから、腹を括って園側で負担するのか。

のどちらかを、事前に選んでおくことです。

ただ、今回の公定価格の減額については、令和3年度以降も減額されたままになりますので、園側で負担するという決断をした場合、ずっとその人件費負担分は続くことになります。
園がその人件費増にも今後耐えていくことが出来るのか、という視点も踏まえて、決断する必要があります。

2月、3月の調整が間に合わない理由を書きましたが、調整額が簡単に計算できるエクセルファイル等が配布されれば、間に合うと思います。
日本の全市町村で、2月、3月の調整が間に合う、というのが一番良い結果ですが、幼稚園・保育園・こども園を運営されている皆様には、間に合わない、という前提で動いていただいたほうが良いかと思います。

本日もお読みいただき、ありがとうございました!
(当記事は、2021年1月9日時点の情報を基に作成しています。)

株式会社 いちたす
大窪 浩太
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