子育て支援員になるためには、国で定めた「基本研修」と「専門研修」で構成される「子育て支援員研修」を修了し、「修了証書」の交付を受ける必要があります。
本記事では、子育て支援員の基礎知識から研修受講のフロー、研修の内容についてわかりやすく徹底解説しました。
保育園経営者様向けの子育て支援員についての記事は、こちらからご覧くださいませ。
子育て支援員資格の基礎知識
ここでは、子育て支援員資格の基礎知識について解説します。
子育て支援員ってどんな仕事?
子育て支援員は、小規模保育事業所等の保育分野、放課後児童クラブ、ファミリー・サポート・センターや一時預かり等の地域子育て支援など、子ども・子育て分野に従事します。
子育て支援員について、以下の記事で詳しく解説しています。
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子育て支援員になるために必要な資格
子育て支援員は厳密にいうと資格ではなく、国で定めた研修を修了したと認められた人が「子育て支援員」として認定されます。
そのため子育て支援員になるためには、国で定めた「基本研修」と「専門研修」を修了し、「子育て支援員研修修了証書」の交付を受ける必要があります。
必要な研修については、記事の後半で詳しく解説しています。
資格取得対象者
子育て支援員研修は、保育や子育て支援等の分野で就労したい方が対象です。
例えば、宮城県仙台市が主催する子育て支援員研修は参加対象者を次の通りとしています。
仙台市内に在住または在勤(保育や子育て支援分野)の18歳以上の方(高校生は除く)で、保育や子育て支援の仕事に関心があり、仕事に就きたい方が対象です。
また、鳥取県が主催する子育て支援員研修では、一部のコース受講者に実務経験を求めています。
本研修の対象者は、育児経験や職業経験など多様な経験を有し、地域における子育て支援の仕事に関心を持ち、子育て支援分野の各事業の職務に従事することを希望する鳥取県内在住者又は在勤者とします。
但し、地域子育て支援コース利用者支援事業(基本型)の受講にあたっては、相談及びコーディネート等の業務内容を必須とする市町村長が認めた事業や業務(例:地域子育て支援拠点事業、保育所における主任保育士業務等)に、1年以上の実務経験を予め有していることが、受講要件となります。
このように実施主体によって対象者が異なるため、事前に確認が必要です。
子育て支援員資格の取得方法
子育て支援員資格の基礎知識がわかったところで、ここからは子育て支援員になるための手順を紹介します。
子育て支援員資格はどうやって取得する?
子育て支援員になるためには、上述のとおり国で定めた「基本研修」と「専門研修」を修了し、「修了証書」の交付を受ける必要があります。
この子育て支援員研修は、都道府県や市町村等が実施主体となっており、都道府県や市町村のホームページや広報誌等で受講者を募集していることが多いです。
研修の実施主体に申込、研修を受講すると修了証書が発行されます。修了証書の交付を受けたことにより子育て支援員として認定されます。
また、この研修は全国共通の制度となっており、修了証書は全国で通用でします。
子育て支援員資格の取得手順
子育て支援員研修認定までの手順を説明します。
- コースを選択
地域保育コース、社会的養護コース、放課後児童コース等から受講するコースを選択します。
どのコースの研修が実施されるかは子育て支援員研修の実施主体によって異なります。 - 受講申し込み
ホームページ等、所定の申込方法で受講の申込を行います。
- 受講決定
実施主体において、定員を超えた場合は先着順・抽選等で受講者を決定する場合があります。
- 受講
「基本研修」と「専門研修」を受講します。
- 修了証書の発行
研修を修了すると「子育て支援員研修修了証書」が交付されます。
修了証はコース別に交付されます。 - 子育て支援員に認定
研修の実施主体が研修修了者を「子育て支援員」に認定します。
子育て支援員研修は、都道府県や市町村が主な実施主体ですが、企業主導型保育助成事業(児童育成協会)も実施主体として認められています。
また、都道府県等の実施主体は民間団体に委託できるものとされているため、研修事業者が県や市から委託を受けて子育て支援員研修を開催している場合が多いです。
資格取得のための勉強方法
子育て支援員になるために、特別な試験はありませんが、子育て支援員として保育施設や放課後児童クラブで従事するには、多様な保育や子育て支援分野に関しての必要な知識や技能を身につける必要があります。
子育て支援員研修はコースにもよりますが、テキストを使って講義を進めることが多いです。
そのため、テキストを使った予習・復習や、講義中は集中して受講するようにしましょう。
子育て支援員資格の研修について
ここでは、子育て支援員になるために受講が必要な子育て支援員研修について詳しく解説します。
子育て支援員研修は次の2つの研修で構成されています。
- 基本研修…子育て支援分野の各事業のベースとなる共通の研修
- 専門研修…各事業の特性に応じた研修
(出典:内閣府 「子育て支援員」研修について)
以下でそれぞれ詳しく説明します。
基本研修
基本研修は8科目8時間で構成されます。
基本研修の内容について、内閣府の資料から抜粋します。
子育て支援員としての役割や子どもへの関わり方を理解し、子育て支援員としての自覚を持つことを目的に子育て支援員として最低限習得しておくことが必要な子育て支援に関する基礎的な知識・原理・技術・倫理について習得するものとする。
(出典:内閣府 「子育て支援員」研修について)
保育士・社会福祉資格を取得している方、幼稚園教諭・看護師・保健師の資格取得の方で日々子どもと関わる業務に1年以上携わっている方は基礎研修が免除となります。
専門研修
専門研修は、各事業の特性に応じた内容となっているため選択するコースによって内容や研修時間数が異なります。
上記の画像は、内閣府が作成した資料から抜粋しました。
このように従事する事業によってコースがそれぞれ4つに分かれており、コースに合わせた専門研修を受講します。
過去に修了した科目がある場合は、一部科目修了証をもって履修したものとみなされる場合があります。
資格取得に掛かる費用/料金
子育て支援員研修の受講料は原則として無料です。
ただし、受講時のテキスト代は自己負担の場合が多いです。
また研修会場までの交通費や昼食代、見学実習時を行う場合の健康診断等にかかる費用も自己負担です。
子育て支援員資格についてよくある質問
ここでは、子育て支援員資格についてよくある質問にお答えします。
- Q子育て支援員は誰でも取得出来ますか?
- A
子育て支援員は、国で定めた研修を修了し、都道府県や市町村等の実施主体から認定されると「子育て支援員」として従事することができます。
子育て支援員研修を受講する際に必要な資格はありません。研修受講対象者は、実施主体によって異なるため、お住まいの地域で実施している子育て支援員研修の要綱を確認しましょう。
- Q子育て支援員資格を取得するとどこで働けますか?
- A
子育て支援員は、保育所や小規模保育事業所、企業主導型保育事業の他にもファミリー・サポートセンター、一時預かり、放課後児童クラブ、地域子育て支援拠点等の事業で働くことができます。また、障害児支援の指導員等、幅広い事業で活躍できます。
- Q子育て支援員資格を取得すると就職に有利ですか?
- A
子育て支援員は、保育士資格や幼稚園教諭の免許を持っていなくても、保育や子育て分野の事業で仕事をすることができます。そのため、子ども・子育て分野に従事する際に有利な資格と言えます。
まとめ
本記事では、小規模保育事業所等の保育分野、放課後児童クラブ、ファミリー・サポート・センターや一時預かり等の地域子育て支援など、子ども・子育て分野に従事することができる「子育て支援員」の取得方法や子育て支援員研修について解説しました。
子育て支援員研修は、都道府県や市町村が主な実施主体となり、子育て支援分野に関しての必要な知識や技能を習得するための全国共通の研修制度です。基本的には無料で受講することができます。
保育園経営者様向けの子育て支援員についての記事は、こちらからご覧くださいませ。
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