※こちらは2024/04/16にメールマガジンで配信した内容です。
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いつもお世話になっております。
株式会社いちたす マーケティングチームです。
幼稚園、保育園、認定こども園、小規模保育事業、企業主導型保育事業など
様々な施設類型の経営に役立つ情報を配信しています。
本日は、株式会社いちたす代表取締役のエッセイをお届けします。
当社のメルマガをご覧いただきまして、ありがとうございます。
株式会社いちたす代表取締役の大窪由衣と申します。
今回は経営よもやま話として、
「新規事業を始める前に気を付けたいこと2つ」についてです。
最近、幼保業界の経営者の方とお話すると
新規事業について話題になることが多いです。
保育の受け皿が整備され、新規開園が難しい状況のため、
経営者の方々が次の事業について、考え始めるのは当然のことかと思います。
または、今の事業がうまく回るようになってきたので
新しい事業を始めたいという方もいらっしゃるかと思います。
ここでまずご注意いただきたいことの1つめが、
「既存の事業のノウハウがどこまで通用するのか?」
ということです。
- 学童
- プログラミング
- 発達支援
- こども食堂
など、幼保業界と親和性が高い事業については困難はもちろんあるでしょうが、
既存のノウハウが通用するところも多いと伺います。
成功事例も入手しやすいです。
ですが、福祉事業ではないカフェの運営や飲食関係など、
完全に別の事業は、全くの別の世界である。
ということをお客様より教えていただきました。
飲食店のマネジメントでいえば、求職者は幼保業界の人ではありませんので、
幼保業界とは全く別の価値観の人を管理していかなければいけないということになります。
そして、考えていただきたいこと2つめは、
「誰のために行う事業なのか?」
新規事業を利用される方の具体的な顔まで思い浮かべることが
出来るかどうか。
上記に尽きると考えております。
- 「人が集まりそうな場所だから」
- 「おそらくこういう人がいるだろうから、儲かりそう」
上記の様な理由はとても危険です。
本業とは別の新規事業を立ち上げて
見込み通りにいかず、損切りされる経営者は業界問わず多いです。
例えば飲食を始めるのであれば、
飲食専門のコンサルタントに事前調査の段階からアドバイスをもらうなど、
事業開始の前の準備をいかに行えるかが重要です。
そして、そこまで本気の事業なのであれば、
必ず、お客様の顔が事前に浮かぶのではないかと思います。
例えば現状の事業と関連して総菜屋を始めるのであれば、
- あのご家庭の〇〇さんは、
いつも忙しそうにされていらっしゃる。 - 外食が多いと聞くけれど、今は子どもの体力を作る大切な時期だから、
栄養豊富で添加物の少ない総菜を食べてもらいたい。 - 園の給食1回だけでは、
1日に必要な栄養を補えないので総菜屋を始めようと考えている。
そのような流れで新規事業を始めるのであれば、
そのご家庭の方にどんな総菜屋だったら気軽に利用出来るのか?
など、実際に話を聞くことも出来るはずです。
何かにつけて、その方を基準にビジネスモデルを設計することが出来ますので、
迷いは少なくなります。
必然的にこの場合の事業の対象は、
「自分の園の保護者」になります。
他にも、
- うちの園には若い先生が多く、
他県から出て来ており、実家が遠い人が多い。 - 話をしてみると、生活に必死で自炊があまり出来ていない。
体調を崩す先生が多いので、栄養豊富の食事をしてもらいたい。 - そのために栄養バランスの取れた総菜屋を始めよう。
- まずは、あの先生にどんな総菜屋だと利用したくなるのか、
聞いてみよう。
上記のような自園の職員向けの総菜屋もエピソードとして考えられますが、
そうすると最初のエピソードと同じ総菜屋になる可能性は低いです。
エピソードを総括すると、
お客様の顔が見えない新規事業は本当に危険ですのでご注意下さい。
そして、新規事業を始める前に、
既存の事業を深める道もあるかと思います。
例えば、
- 今のマネジメント・オペレーションを極めて、同業他園に向けて横展開する。
- おもちゃや保育理論を極めて保護者向けにセミナーを開催する、新規コミュニティを創る。
など、新規事業を立ち上げなくても既存のノウハウを使って
新しいことをする方が、労力もお金も時間もかかりません。
新規事業はお客様の顔が見えるようになってから始める。
それまでは、既存の事業を深めて横展開する。
そういう方法もあるのではないかと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、
「新規事業を始める前に気を付けたいこと2つ」をご紹介しました。
よろしければ、次回もご覧下さいませ。