千葉県の保育園経営者が注目すべき児童数の実態と市町村制度と、そこから見えてきた課題に対する解決策を提案していきます。

千葉県の児童数や保育園・幼稚園・こども園の実態を分析したところ、

  • 園児の減少により、保育の供給が需要を上回っている
  • 保育を必要とするが特定の保育園等のみ希望しているが増えている

ということがわかりました。
このような状況から鑑みると、千葉県の幼稚園・こども園・保育園では、以下のように課題を整理することができます。

千葉県の幼稚園・こども園・保育園の課題
  • 課題① 保育の「量」から「質」への転換
  • 課題② 「量」から「質」への転換に伴う、保育人材の確保
  • 課題③ 保護者から求められる園であり続けるための表現活動

このような課題にどう対応していけばよいか、行き詰まりを感じる経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
弊社ではこれらの課題に対し、下記の2つの支援が有効であると考えています。

千葉県の幼稚園・こども園・保育園への有効な支援策
  1. 日々の記帳業務の代行
  2. 保護者・保育人材に自園の価値を伝える表現活動

本記事では、なぜ上記の2つが課題解決に有効なのか、課題を解決するために必要なプロセスも含めて解説しています。
千葉県の保育園経営者が注目すべき児童数の実態と市町村制度と、そこから見えてきた課題に対する解決策を提案していきますので、ぜひ最後までご覧くださいませ。

中小企業診断士:大窪

安定して園児と保育人材の募集がうまくいけば、少子化にも強い園として生き残ることができるはずです。
そのためには保護者から「ここに子どもを通わせたい」と言われ、保育人材の方から「ここで働きたい」と双方から求められる園になることが必要不可欠です。

簡単な道のりではありませんが、この記事が少子化に強い園づくりの参考になれば幸いです。

千葉県で保育園・幼稚園・こども園運営にお悩みではないですか?

千葉県で保育園・幼稚園・こども園運営にお悩みではないですか?についての説明画像

千葉県の幼稚園・こども園・保育園の運営には以下の3つが必要であると考えています。

千葉県の幼稚園・こども園・保育園で必要な取り組み
  1. 保育の「質」を高める取り組みを始める
  2. 保育人材を確保する
  3. 保護者から求められる園であり続けるための表現活動を始める

弊社が上記のように考えるに至った背景をご説明するため、まずは千葉県の保育園・幼稚園・こども園の実態自治体の取り込みを見ていきましょう。
本記事の後半ではこの3つに注力するために必要な経営支援サービスを紹介しています。

千葉県の保育園・幼稚園・こども園の実態

千葉県の保育園・幼稚園・こども園の実態についての説明画像

まずは千葉県の保育園・幼稚園・こども園の実態についてまとめていきます。
ここで千葉県の現状を把握していきましょう。

千葉県の就学前児童の実態

千葉県の就学前児童数はどのような傾向があるでしょうか。
就学前児童とは、義務教育年齢に達していない子どものことです。

千葉県では、教育・保育の量の見込みをまとめています。
ここでいう「教育・保育の量の見込み」とは、就学前児童のうち、教育・保育を必要とする又は希望する子どもの人数を意味しています。

結論を申し上げると「千葉県の就学前児童は減少傾向にあり、教育・保育の需要量は横ばい状態が続く見込みで、教育・保育の供給が余っている傾向が続いている」ことがわかりましたので、詳しく解説していきます。

千葉県の就学児童数

千葉県の就学前児童は減少傾向にあります。
2017年から2022年までの5年間で、千葉県の就学前児童数は9.9%減少しています。また、全国の就学前児童数も、2017年から2022年までの5年間で12.8%減少しています。

就学前児童数2017年2022年2017年比
全国5,947,000人5,185,000人▲12.8%
千葉県295,298人266,166人▲9.9%
全国と千葉県の就学前児童数の減少率

出典: 総務省統計局 人口推計の結果の概要 II. 各年10月1日現在人口「全国:年齢(各歳)、男女別人口」千葉県 年齢別・町丁字別人口

今度は、千葉県の就学前児童数の3歳以上児と3歳未満児に分けて、その推移を見てみましょう。
下記グラフは、千葉県における3歳以上児と3歳未満児の人数の推移を示したものです。

千葉県 就学前児童の推移(各年4月1日)についての説明画像
千葉県 就学前児童の推移(各年4月1日)

出典: 千葉県 年齢別・町丁字別人口

上のグラフを見ると、2017年から2023年の6年間で、3歳以上児が約9.1%減少3歳未満児が約15.9%減少しています。
このことから、3歳以上児よりも3歳未満児の減少率が高いことがわかります。

千葉県の就学前児童数2017年2023年2017年比
3歳以上児151,286人137,484人▲9.1%
3歳未満児144,012人121,122人▲15.9%
千葉県の就学前児童数の構成比率

出典: 千葉県 年齢別・町丁字別人口

ここまで、千葉県の就学前児童数はどのような減り方をしているのか分析していきました。

ここからは、千葉県の就学前児童数のうち

  • どのくらい教育・保育を希望する人がいるのか(需要
  • どのくらい教育・保育を確保しているのか(供給

という、需要と供給の観点から、
千葉県の就学前児童数における教育・保育の実態を見ていきましょう。

千葉県の幼児教育・保育の需要と供給、どちらが多い?

千葉県の教育・保育量の見込みと、それに対する教育保育等の確保方策は、見込み数に対して確保量が上回っている状況です。
教育・保育の量の見込みを需要とし、それに対する教育保育等の確保方策を供給とすると、千葉県の教育・保育の量は供給が需要を上回っている状態です。

下のグラフは、千葉県の就学前児童数における、教育・保育の需要見込みと供給見込みの推移を示したものです。

千葉県の教育・保育の見込み数についての説明画像1
就学前児童における教育・保育の需要見込みと供給見込みの推移(1~3号認定)

出典:千葉県子ども・子育て支援プラン2020 第5章 子ども・子育て支援新制度の推進(令和4年中間見直し)

上のグラフから、教育・保育を希望する人数よりも、供給される教育・保育の定員数が多く、2019年度から継続して供給が需要を上回っています
具体的には、2024年度の数字で見た場合、教育・保育を希望する人数に対して、供給される教育・保育の定員数は約1.2倍です。

では認定区分別に見ると、需要と供給のバランスはどのようになっているのでしょうか?
まず、1号認定の需要見込みと供給見込みの推移を見ていきましょう。下のグラフをご覧ください。

千葉県の教育・保育の見込み数についての説明画像2
就学前児童における教育・保育の需要見込みと供給見込みの推移(1号認定)

出典:千葉県子ども・子育て支援プラン2020 第5章 子ども・子育て支援新制度の推進(令和4年中間見直し)

この1号認定に含まれるのは、教育標準時間認定を受けた満3歳以上の子どもです。
1~3号認定の合計で見たグラフよりも、供給される教育・保育の定員数の余りが多くなっています
具体的には、2024年度の数字で見た場合、教育・保育を希望する人数に対して、供給される教育・保育の定員数は約1.5倍です。

では、2号認定の需要見込みと供給見込みの推移も見ていきましょう。下のグラフをご覧ください。

千葉県の教育・保育の見込み数についての説明画像3
就学前児童における教育・保育の需要見込みと供給見込みの推移(2号認定)

出典:千葉県子ども・子育て支援プラン2020 第5章 子ども・子育て支援新制度の推進(令和4年中間見直し)

この2号認定に含まれるのは、保育認定を受けた満3歳以上の子どもです。
1~3号認定の合計で見たグラフよりも、供給される教育・保育の定員数の余りが少なくなっています。
具体的には、2024年度の数字で見た場合、教育・保育を希望する人数に対して、供給される教育・保育の定員数は約1.1倍です。

では、3号認定のうち1・2歳児の需要見込みと供給見込みの推移も見ていきましょう。下のグラフをご覧ください。

千葉県の教育・保育の見込み数についての説明画像4
就学前児童における教育・保育の需要見込みと供給見込みの推移(3号認定のうち1・2歳児)

出典:千葉県子ども・子育て支援プラン2020 第5章 子ども・子育て支援新制度の推進(令和4年中間見直し)

このグラフに含まれるのは、保育認定を受けた1・2歳児の子どもです。
1~3号認定の合計で見たグラフよりも、供給される教育・保育の定員数の余りが少なくなっているだけではなく、2019~2021年度は教育・保育を希望する人数が供給される教育・保育の定員数を上回っていました。
2024年度の数字で見た場合、教育・保育を希望する人数に対して、供給される教育・保育の定員数は約1.0倍です。

では最後に、3号認定のうち0歳児の需要見込みと供給見込みの推移も見ていきましょう。下のグラフをご覧ください。

千葉県の教育・保育の見込み数についての説明画像5
就学前児童における教育・保育の需要見込みと供給見込みの推移(3号認定のうち0歳児)

出典:千葉県子ども・子育て支援プラン2020 第5章 子ども・子育て支援新制度の推進(令和4年中間見直し)

このグラフに含まれるのは、保育認定を受けた0歳児の子どもです。
1~3号認定の合計で見たグラフよりも、供給される教育・保育の定員数の余りがやや多くなっています。
2024年度の数字で見た場合、教育・保育を希望する人数に対して、供給される教育・保育の定員数は約1.3倍です。

まとめると、千葉県の就学前児童数における需要見込みと供給見込みの推移から、特に1号認定の供給が余っていて、3号認定の1・2歳児は需要と供給見込みがほぼ均衡していることがわかりました。

ここまで千葉県の就学前児童の実態を解説していきましたが、どのような感想を持たれたでしょうか?
下に要点をまとめました。

千葉県の就学前児童の実態まとめ
  • 就学前児童数の推移
    ⇒ 3歳未満児の減少が著しい
    • 千葉県の就学前児童数: 約9.9%減少(2017年から2022年まで)
      • うち3歳以上児: 約9.1%減少(2017年から2023年まで)
      • うち3歳未満児: 約15.9%減少(2017年から2023年まで)
  • 幼児教育・保育の需要・供給見込み(2024年度)
    ⇒ 1号認定、3号認定(0歳児)が供給過多の傾向
    • 1~3号認定: 需要に対し供給が約1.2倍
      • 1号認定: 需要に対し供給が約1.5倍
      • 2号認定: 需要に対し供給が約1.1倍
      • 3号認定(1・2歳児): 需要に対し供給が約1.0倍
      • 3号認定(0歳児): 需要に対し供給が約1.3
中小企業診断士:大窪

千葉県の幼稚園・こども園・保育園は、量から質へと方向性を転換する時期に既に入っていると考えられます。

少子化の中で幼児教育・保育施設が生き残るためにも、「幼児教育・保育の質を高めるとはどういうことなのか」を見つめ直し、具体的な取り組みを実行しながら施設を運営していくことが必須の時代となってきています。

千葉県の保育園の実態

次に、千葉県の保育園の利用状況はどのようになっているのか、詳しく見ていきましょう。
こども家庭庁が公表している保育所等利用状況から、千葉県の利用申込者数・利用児童数・待機児童数などがわかります。

千葉県の保育所等利用状況から、

  • 保育所等の利用申込者と利用児童数は増加傾向
  • 待機児童数は減少傾向にあり、2023年4月1日時点で140名
  • 保育所等を利用申込みしたが利用しなかった人(待機児童から除外される4類型)が一定数存在する

ということがわかりましたので、その詳細をまとめていきます。
下記グラフは、2017~2023年における千葉県の保育所等利用状況の推移です。

千葉県 保育所等利用状況の推移(各年4月1日)についての説明画像
千葉県 保育所等利用状況の推移(各年4月1日)

出典:こども家庭庁 保育所等関連状況取りまとめ (参考)申込者の状況(各年4月1日)

2017年と2023年を比べると、
利用申込者数は約20.6%増加し、利用児童数は約10.6%増加していることがわかります。
また待機児童数は約92.1%減少しています。

ところで、待機児童数は年々減少していますが、待機児童数に含まれない「除外4類型」に該当する者が存在することはご存知でしょうか?

除外4類型とは、保育所等に利用申込みしたが、実際に保育園等を利用していない者の中で、以下に該当する者のことを指します。
この除外4類型に該当する方は待機児童数には含まれず、別枠として計上されています。

除外4類型に該当する者
①特定の保育所等のみ希望している者
②求職活動を休止している者
③育児休業中の者
④地方単独保育施策を利用している者
除外4類型に該当する者

出典:こども家庭庁 保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)概要資料

言い換えると、除外4類型に該当する方は
「保育所等の利用申込みをしたが、何らかの理由があり実際には保育園等を利用しなかった者」と考えられます。

では、この除外4類型に該当する者の数は、待機児童数と比べて多いのでしょうか?
下記グラフに、2023年の保育所等利用申込者のうち、実際には保育園等を利用されなかった方の内訳をまとめてみました。

千葉県 利用申込者のうち利用児童数に含まれない者の内訳(2023年4月1日)についての説明画像
千葉県 利用申込者のうち利用児童数に含まれない者の内訳(2023年4月1日)

出典:こども家庭庁 保育所等関連状況取りまとめ (参考)申込者の状況(各年4月1日)

注目すべきは、特定の保育所等のみを希望している者の割合です。
待機児童数の割合は全体の4%なのに対し、特定の保育所等のみを希望している者の割合は全体の71%を占めています

この特定の保育所等のみを希望している者は「他に利用可能な保育園等があるにも関わらず、保護者の私的な理由により待機している者」とされており、下記のように説明されています。

<特定園希望の取扱いについて>
(中略)

他に利用可能な特定教育・保育施設又は特定地域型保育事業等があるにも関わらず、特定の保育所
等を希望
し、保護者の私的な理由により待機している場合には待機児童数には含めないこと。

※ 他に利用可能な特定教育・保育施設又は特定地域型保育事業等とは、

(1) 開所時間が保護者の需要に応えている。(例えば、希望の保育所と開所時間に差異がないなど)
(2) 立地条件が登園するのに無理がない。(例えば、通常の交通手段により、自宅から20~30分未満で
登園が可能など)
(3) 特定教育・保育施設又は特定地域型保育事業以外の場で適切な保育を行うために実施している、国庫
補助事業による認可化移行運営費支援事業及び幼稚園における長時間預かり保育運営費支援事業の
対象となっている施設
(4) 地方公共団体における単独保育施策(いわゆる保育室・家庭的保育事業に類するもの)の対象となっ
ており、市町村子ども・子育て支援事業計画の提供体制確保に規定されている施設(保護者の保育ニー
ズに対応していることが利用者支援事業等の実施により確認できている場合)

出典: 厚生労働省 特定の保育園等を希望する者などの取扱いについて<自治体の取扱い例>

では、2023年以外の年はどうでしょうか。
下記グラフで、待機児童と除外4類型に該当する人数の推移を見ていきましょう。

千葉県 利用申込者のうち利用児童数に含まれない者の推移(各年4月1日)についての説明画像
千葉県 利用申込者のうち利用児童数に含まれない者の推移(各年4月1日)

出典:こども家庭庁 保育所等関連状況取りまとめ (参考)申込者の状況(各年4月1日)

上のグラフを見ると、2017年から2023年の6年間で待機児童は年々減少しているのに対し、特定の保育園等のみ希望している者は約1.8倍に増加しており、その占める割合も35%から71%に増加しています。

このことから、人気の園に希望が集中しているもしくは第一希望以外の園に入らなかったことが推測されます。
例えば、

  • 勤務先と自宅の移動経路を考えると、このエリアでなければ送迎が難しい
  • この園の雰囲気や保育方針が気に入っており、定員が空くまで待ちたい

など、保護者が保育園に求めるニーズが多様化している、ということも考えられます。

ここまで千葉県の保育園の実態について解説していきましたので、下に要点をまとめておきます。

千葉県の就学前児童の実態まとめ
  • 保育所等の利用状況(2017年から2023年まで)
    • 利用申込者数: 約20.6%増加
    • 利用児童数: 約10.6%増加
    • 待機児童数: 約92.1%減少
  • 実際に保育園等を利用しなかった者の内訳(3,426人、2023年)
    • 待機児童: 140人(4%)
    • 特定の保育園等のみ希望している者: 2,448人(71%)
    • 育児休業中の者: 692人(20%)
    • 求職活動を休止している者: 120人(4%)
    • 地方単独事業を利用している者: 26人(1%)
中小企業診断士:大窪

保護者が保育園に求めるニーズが多様化している、と書きましたが、言い換えると「自園の良さがしっかりと伝わっていなければ、選ばれなくなってしまう」ということでもあります。

幼児教育・保育の質を高める取組みを実行しながら、それを保護者に伝えていく活動もしていくことで、自園の価値が保護者に伝わり、より安定した園児獲得ができるようになります。

千葉県の幼稚園・こども園の実態

ここからは、千葉県の幼稚園・こども園の実態を解説していきます。
まず、幼稚園数、在園者数、本務教員数の推移を下記グラフで見ていきましょう。

千葉県 幼稚園数、在園者数、本務教員数の推移についての説明画像
千葉県 幼稚園数、在園者数、本務教員数の推移

出典:千葉県 令和5年度学校基本統計速報

際立って減っているのは、幼稚園の在園者数です。
平成25年度を100とすると、令和5年度(2023年度)は約4割が減少しています。

幼保連携型認定こども園はどうでしょうか。下のグラフをご覧ください。

千葉県 幼保連携型認定こども園数、在園者数、本務教育・保育職員数の推移についての説明画像
千葉県 幼保連携型認定こども園数、在園者数、本務教育・保育職員数の推移

出典:千葉県 令和5年度学校基本統計速報

幼保連携型認定こども園では、園数・在園者数・本務教育保育職員数がすべて増加しています。
例えば令和5年度(2023年度)の在園者数は平成27年度の約4.8倍になっていますが、幼稚園と合わせた在園者数になるとどうでしょうか?

ここからは幼稚園と幼保連携型認定こども園を合わせて、園数と在園者数の推移を見ていくことにします。下記グラフをご覧ください。

千葉県 幼稚園・こども園(3~5歳児)在園者数と園数の推移(各年5月1日)についての説明画像
千葉県 幼稚園・こども園(3~5歳児)在園者数と園数の推移(各年5月1日)

出典:千葉県 令和5年度学校基本統計速報

2019~2023年の5年間で、幼稚園の数は減り幼保連携型認定こども園の数は増えましたが、その園数の合計は変わっていません

一方で幼稚園と幼保連携型認定こども園の在園者数約13%減少しており、
87,877人から76,179人に減っています。

ここまでの内容を、幼稚園・こども園の実態として下にまとめました。

千葉県の幼稚園・こども園の実態まとめ
  • 幼稚園(2017年から2023年まで)
    • 園数: 約7.6%減少
    • 在園者数: 約22.4%減少
  • 幼保連携型認定こども園(2017年から2023年まで)
    • 園数: 約37%増加
    • 在園者数: 約32.2%増加
  • 幼稚園+幼保連携型認定こども園(2017年から2023年まで)
    • 園数: 変化なし
    • 在園者数: 約13.3%減少
中小企業診断士:大窪

従来制度の幼稚園から「新制度の幼稚園や認定こども園に移行したいけど、移行して大丈夫か心配だ」というご相談をよくいただきます。

自園が本当に認定こども園に移行して良いかは、利用定員の検討や施設類型が変わることによる補助金や加算制度への影響などを踏まえて決断しないと、移行後に園の収入が下がるなどのリスクもあります。

千葉県の保育園・こども園への取り組み

千葉県の保育園・こども園への取り組みについての説明画像

千葉県ではどのような取り組みがなされているか、その動向を調べました。

千葉県では「千葉県子ども・子育て支援プラン2020」を掲げ、以下の3本柱でプランを推進しています。
幼稚園・こども園・保育園に関わるプランの柱は下記のです。

千葉県子ども・子育て支援プラン2020 概要
  • 基本理念

子どもは地域の宝
すべての子どもと子育て家庭の育ちを
地域のみんなで支える

  • 3つの柱

Ⅰ. 安心して妊娠・出産し、ゆとりをもって子どもを育てられる環境づくり
Ⅱ. 子どもが愛情に包まれて健やかに成長し、自立できる環境づくり
Ⅲ. 地域全体で、子育てを応援し、子どもを守る環境づくり

  • プランの期間

令和2年度から令和6年度までの5年間(令和5年3月30日に中間見直しを策定済み)

千葉県子ども・子育て支援プラン2020は令和5年3月30日に中間見直しを策定し、目標設定の見直しが行われました。
中間見直しの中で、幼稚園・こども園・保育園に関わるプランに対する、現状と令和6年度の最新目標を下にまとめました。
計画作成時の目標から数値が下方修正されたものは青上方修正されたものは赤でマークをつけています。

目標項目現状(中間見直し)目標(計画策定時)目標(R6年度)
保育所等定員数134,002人(R4.4.1)149,613人139,956人
保育所等待機児童数250人(R4.4.1)0人(R3.4.1以降)0人(R6.4.1以降)
民間保育所等で従事する常勤
保育士の平均勤続年数
3年7ヵ月(R3.4.1)増加を目指す増加を目指す
延長保育事業実施数1,441か所(R3年度)1,773か所1,823か所
一時預かり事業実施数533か所(R3年度)612か所660か所
休日保育実施箇所数35か所(R3年度)49か所35か所
病児保育事業実施数307か所(R3年度)243か所321か所
小規模保育事業所定員数7,325人(R4.4.1)10,502人8,451人
千葉県子ども・子育て支援プラン2020中間見直しの策定における現状と目標

出典:千葉県子ども・子育て支援プラン2020 第6章 施策推進の目標千葉県子ども・子育て支援プラン2020中間見直し 第6章~資料編、裏表紙

保育所や小規模保育事業所の目標定員数が下方修正されているところを見ると、千葉県が立てた見込みほど利用児童数が増えていないことが示唆されます。

以上のような千葉県子ども・子育て支援プラン2020を受けて、千葉県内の各市町村ではどのような取組みが行われているのでしょうか?
ここからは千葉市の補助金・加算制度を取り上げ、見ていくことにします。

千葉市の補助金

千葉市の主な補助金と、新たに創設された補助金について紹介していきます。

まず千葉市の主な補助金について、その対象施設と概要を下記表にまとめました。
より詳細に知りたい方は千葉市の補助金関係書類ページをご覧ください。

補助金名対象施設概要
配置基準改善事業補助金保育園、認定こども園国が定める職員定数を超えて、職員を配置する園に対し、職員の雇用にかかる人件費を補助
施設運営費改善事業補助金保育園、認定こども園、給付型幼稚園、小規模保育事業、事業所内保育事業、家庭的保育事業保育園等の施設運営にかかる経費を補助
延長保育事業費補助金保育園、認定こども園、小規模保育事業、事業所内保育事業延長保育の時間帯及び通常保育時間の朝と夕方の時間帯における経費(主に人件費)を、児童数から算出された配置基準数に応じて補助
給与改善事業費補助金保育園、認定こども園、小規模保育事業、事業所内保育事業、家庭的保育事業、居宅訪問型保育事業各園で雇用する常勤保育士等に対し、給与の上乗せ(千葉市手当)を行う園に対し、月額3万円を上限に、給与改善に要する費用を補助
宿舎借り上げ支援事業補助金保育園、認定こども園、小規模保育事業、事業所内保育事業、家庭的保育事業、
待機児童解消加速化プラン対象認可外保育施設、企業主導型保育事業
各園を運営する事業者が、雇用する保育士等のために借り上げた宿舎の賃借料等を補助
研修代替職員雇用費補助金保育園、認定こども園、小規模保育事業、事業所内保育事業、家庭的保育事業キャリアアップ研修及びサバティカル研修の受講に係る、研修代替職員の雇用に要する費用を補助
コロナに係る補助金保育園、認定こども園(幼稚園型を除く)、小規模保育事業、事業所内保育事業、家庭的保育事業、認可外保育施設感染症対策に係る費用(感染者や濃厚接触者が発生した場合における「緊急時の職員確保(割増賃金、手当等)」及び「職場環境の復旧・環境整備等(消毒清掃費用等)」)を補助
ICT化推進事業補助金保育園、幼保連携型認定こども園、小規模保育事業、事業所内保育事業、家庭的保育事業、
認可外保育施設(居宅訪問型保育事業を除く)、千葉市一時預かり事業実施施設
保育士等の業務負担軽減を図るための保育業務支援システムの導入や、外国籍児童の保護者とのやりとりに係る言語の通訳等のための機器の購入に要する費用を補助
一時預かり事業補助金千葉市一時預かり事業実施施設一時預かり事業実施事業者に対して、その実施に要する経費を補助
千葉市 保育士等配置基準改善補助事業 概要

次に、千葉市で新たに創設された補助金「キッズ・ガード雇用等支援事業補助金」を紹介します。
概要を下記にまとめました。この補助金の詳細は千葉市キッズ・ガード事業概要をご参照ください。

概要内容
目的園外活動時の事故防止のため、園外活動の頻度が高い園庭の無い保育園に対し、園外等での活動においての見守り活動や、子どもが集団で移動する際の安全確保を図る保育支援者を配置し児童の安全確保と保育士の負担軽減を行うため実施する。(配置の際に要する費用を補助する)
対象施設園庭のない下記の施設
・保育園
・幼保連携型認定こども園
・小規模保育事業
・事業所内保育事業家庭的保育事業
対象者園外活動時の見守り等を行う支援者
※無資格者、短時間勤務などの人材も対象
補助要件年度内「市が認めた交通安全に関する講習会」を修了すること
補助金額1施設1か月あたり 上限4万5千円
千葉市 キッズ・ガード雇用等支援事業補助金 概要

このキッズ・ガード雇用等支援事業補助金は、下記のとおり千葉県の子ども・子育て支援プラン2020でも掲げられている取り組み事項となっているため、他の市町村でも今後導入されるかもしれません。

また、令和元年5月に滋賀県大津市で発生した園児らの死傷事故を受け、国において、
保育所や認定こども園周辺の道路の交通安全対策を進めていることから、危険個所への局
所的対策やキッズゾーン*の設定、さらに見守り活動を行ういわゆるキッズガードの配置
等具体策の実施
について、市町村及び関係機関と連携して取り組むことが必要です。

(出典:千葉県子ども・子育て支援プラン2020 第4章 具体的施策の展開 Ⅲ-8-① 保育所等の整備促進と質の向上

ここまで千葉県内の取り組みについて紹介し、千葉市の補助金制度について取り上げましたが、皆様の保育園等が属する自治体の制度との違いはありましたでしょうか?
この機会に自園が所在する自治体の補助金・助成金・加算制度の取得漏れがないか、確認するきっかけとなれば幸いです。

千葉県の幼児教育・保育の実態と自治体の取り組みについて見てきましたが、千葉県の幼稚園・こども園・保育園が生き残るためには、どんな課題を乗り越えなければならないのか、下記にまとめてみました。

千葉県の幼稚園・こども園・保育園の課題
  • 起きている現象: 園児の減少により、保育の供給が需要を上回っている
    ⇒ 課題① 保育の「量」から「質」への転換
    ⇒ 課題② 転換に伴う、保育人材の確保
  • 起きている現象: 保育を必要とするが特定の保育園等のみ希望している層が増えている
    ⇒ 課題③ 保護者から求められる園であり続けるための表現活動

上記の課題に対する解決策を次からご提案していきます。

千葉県の経営者様に提供できる経営コンサルティングサービス

千葉県の経営者様に提供できる経営コンサルティングサービスについての説明画像

ここからは千葉県の幼稚園・こども園・保育園が生き残るために解決すべき3つの課題について、解決までのプロセス弊社が提供できる経営支援をまとめていきます。

まず、解決すべき課題は下記の3つではないかと考えております。

  • 課題① 保育の「量」から「質」への転換
  • 課題② 転換に伴う、保育人材の確保
  • 課題③ 保護者から求められる園であり続けるための表現活動

そしてこれらの課題は、このようなプロセスで解決できるのではないでしょうか。

  1. 保育の質を高める取り組みに充てる時間を確保する

    経営者だけではなく、経営者の指示を受けて作業を担う職員の時間を確保するため、
    業務負荷がかかっている日々の記帳業務などを手放す

  2. 保育の質を高める取り組みを実施する

    確保できた時間を使って、新たな取り組みを検討し実行する

  3. 質の高い保育をしていることを保護者・保育人材に伝える

    自園の保育に対する取り組みを、保護者や保育人材に伝える表現活動を行っていく

  4. 安定して園児と保育人材が獲得ができ、少子化に強い園

    「ここに子どもを通わせたい」「ここで働きたい」と求められる園になる

弊社ではこのプロセスに沿った経営支援をご提供しています。
その経営支援は

  1. 日々の記帳業務の代行
  2. 保護者・保育人材に自園の価値を伝える表現活動

の2つです。それぞれご紹介します。

記帳代行

保育の質を高める取組みを実行していくためには、まずはその取組みを計画するための時間が必要です。

千葉県の幼稚園・こども園・保育園の経営者様の中に、自ら記帳業務や経理業務を担っている方はいらっしゃいますか?

もし経営者様ご自身が日々の会計・経理業務を担われているのであれば、今すぐその業務を他の方に頼み、未来を向けた取組みを計画する時間を確保する必要があります。
また、保育の質を高めるための取組みを実行に移すためには、実行者となる職員を確保する必要もあります。

弊社では、幼児教育・保育業界に特化した専門性の高い職員が在籍し、様々な施設類型に対応した記帳業務を代行しております。

下のボタンより、記帳代行の詳細をご覧くださいませ。

\支援の詳細はこちら/
記帳代行

ブランディング

ブランディングという言葉は知っている」という経営者様の方がほとんどではないでしょうか。
ではこのブランディングを保育園で行うと、どのような意味合いになると思われるでしょうか?

保育園におけるブランディングは、
他園にない自園の価値を、保護者や保育人材に理解してもらうための表現活動と言えます。

HPや園児募集ポスターのデザインをおしゃれにしたり、職員がおそろいのエプロンをつけるなども一つの方法ではありますが、表現活動が説得力を持つには

  • 自園らしさを象徴する保育理念を確立する
  • 質の高い保育を築く

という過程を辿る必要があるため、ブランディングはとても時間がかかります。
ブランディングを始める際は、経営者がこれまで行ってきた日常業務を極力外す必要があるということが、お分かりいただけるのではないでしょうか。

弊社では

  • 保育人材に「働きたい」と思ってもらうための表現活動
  • 保護者に「通わせたい」と思ってもらうための表現活動

の両面から支援することが可能です。これにより
安定して園児と保育人材が獲得ができる「少子化に強い園」により早く近づくことができます。

ブランディングの詳細は下のボタンよりご覧くださいませ。

\支援の詳細はこちら/
ブランディング

千葉県の保育園・幼稚園経営者様から頂くご質問

千葉県の保育園・幼稚園経営者様から頂くご質問についての説明画像

ここからは、千葉県の保育園・幼稚園経営者様からいただくご質問やお悩みについてお答えしていきます。

Q
松戸市で小規模保育事業を運営しています。
数年前から、自園が取得している補助金や加算などの取得状況が変わっていません。最新の情報を踏まえた取得漏れがないかのチェックをしてもらうことは可能ですか?
A

松戸市からの事務連絡や補助金等の書類一式と貴園の状況について情報提供していただければ、取得できる補助金・加算をご提案することが可能です。
詳しくは補助金・助成金・給付費・委託費等を活かした運営支援サービスをご覧くださいませ。

Q
船橋市で幼保連携型認定こども園を運営しています。
千葉県の就学前児童の実態と同じように1号認定のクラスが定員割れしており、3号認定の1・2歳児クラスの空きがありません。この場合、定員を見直した方がよいでしょうか?
A

定員と職員数のバランスを検討する必要があります。
園児数減少に合わせて定員を変更するだけでは、収入が減ってしまうリスクがあるため、職員数の検討もあわせて行うことをお勧めいたします。
弊社の収益最大化支援コンサルティングでは「この認定区分を何人に設定して、職員数をどのように配置すれば、収益が確保できるのか」を、具体的な数字でご提案しています。

Q
浦安市で認可保育園を運営しています。周りの園が続々と認定こども園に移行しており、このままでいいのか不安です。移行するかの検討は、何から始めていけばいいでしょうか?
A

理想としては、認定こども園に移行する上で必要な収益と費用を試算することです。
弊社の認定こども園への移行支援では、法人の理念や目的を踏まえた移行支援をしております。
多数お問い合わせをいただくテーマで、悩まれている方が多いのを感じております。
無料相談も実施しておりますので、お問合せフォーム公式LINEアカウントよりお問合せくださいませ。

千葉県の保育園・幼稚園経営のご相談なら幼児教育・保育専門コンサルティング会社いちたすへ

いちたす事務所画像

保育園・こども園・幼稚園を経営するうえで、お困りのことがありましたら株式会社 いちたすへお気軽にお問合せください。
今後どのように運営していけばよいか、給付費(委託費)や補助金はしっかりと取れているのかといった経営・財務に関するご相談から、保育士・職員に外部研修を行ってほしい等の人材育成に関するご相談まで、幅広くご支援しています。

いちたすについて

いちたすについて説明画像

株式会社 いちたすでは、保育園・こども園・幼稚園の経営者の皆様に対して、経営・運営・財務に関するコンサルティングを専業で行っています。

会計事務所として、日常の会計の確認、記帳代行を行ってもいますので、保育所のバックオフィス業務書類関係全般のご支援もしています。幼稚園・保育所・こども園の税務・労務に精通した税理士法人・社会保険労務士事務所とも提携しています。

「会計事務所は法人設立からお世話になっているから変えたくない」というお声を頂きます。
そのような場合は、会計・税務ではなく、

  • 委託費の加算の取りこぼしがないか、第三者に確認してもらいたい。
  • 認定こども園への移行を考えているが、何から手を付ければよいかわからない
  • 処遇改善をどのように取り入れていけばよいか、他園がどのように行っているかを知りたい。

などのお悩みに対してご支援・コンサルティングを行う顧問(相談)契約もあります。こちらは、セカンドオピニオンのようにお使いいただくことも可能です。

料金プラン

いちたすの料金プラン説明画像

株式会社 いちたすでは、定期的な顧問契約から、スポット(単発)での委託費の確認、申請書類の確認なども行っております。

たとえば相談契約、コンサルティング契約ですと

保育園の顧問(相談)契約の場合(1施設)

月額22,000円~
(税込)
保育園のコンサルティング契約(月1回1時間の打ち合わせあり)の場合(1施設)

月額55,000円~
(税込)

で引き受けております。

「複数施設を運営しているが本部で契約したい」「打ち合わせは2か月に1回でよい」など、オーダーメイドでご契約内容を作成いたしますので、お気軽にご連絡ください。

依頼の流れ

いちたすの依頼の流れ説明画像

お問合せフォームかinfo@ichitasu.co.jp宛にメールをお送りください。
詳しい内容をお伺いいたします。

その後は、

その後の流れ
  • 当社の担当者が園にお伺いする
  • 当社事務所(仙台市一番町)にお越しいただく
  • Zoomなどを利用してオンラインで打ち合わせをする

といった形で、具体的にどのようなご支援が出来るのかを打ち合わせいたします。

園によって状況は様々ですが、

など、ご要望に合わせてご提案いたします。
お気軽にお問い合わせください。