本記事では、山形県における就学前の子ども、保育園やこども園の実態について解説しています。
この記事を読めば、山形県内で保育園・こども園・幼稚園の経営者様に役立つ情報を得ることができます。
また、山形県の幼児教育・保育施設経営者様からよく頂くご質問についてもお答えしています。
山形県で保育園・幼稚園・こども園経営にお悩みではないですか?
さくらんぼやラ・フランス、ブドウなど果物が有名な山形県は、東北地方の日本海側に位置しています。
子育てに関する特色として、「三世代同居率」が全国1位という記録を持っており、山形県においても三世代同居・近居を勧める取組みを行っています。
(参考URL:山形県 三世代同居・近居の促進について)
山形県の出生数は、近年減少が続いており、2021年には5,898人となっています。また、合計特殊出生率は1.32で、全国の1.30を上回っているものの、人口を維持するために必要な水準である2.07を下回っています。
市町村別の合計特殊出生率は以下のようになっており、県内で一番高いのは1.91の三川町、一番低いのは0.89の尾花沢市です。
率 | 村山地域 | 最上地域 | 置賜地域 | 庄内地域 |
---|---|---|---|---|
~2.0 | 三川町(1.91) | |||
大蔵村(1.60) | ||||
東根市(1.58) | ||||
寒河江市(1.56) | ||||
飯豊町(1.54) | ||||
1.0~1.5 | 鮭川村(1.49) | 庄内町(1.48) | ||
鶴岡市(1.44) | ||||
朝日町(1.41) | 南陽市(1.41) | |||
天童市(1.41) | 川西町(1.41) | |||
長井市(1.33) | ||||
大石田町(1.29) | 新庄市(1.29) | |||
山形市(1.27) | 舟形町(1.26) | 遊佐町(1.26) | ||
山辺町(1.25) | 金山町(1.26) | 米沢市(1.25) | ||
真室川町(1.23) | 高畠町(1.23) | 酒田市(1.23) | ||
西川町(1.18) | 最上町(1.19) | |||
上山市(1.17) | ||||
村山市(1.16) | ||||
河北町(1.12) | 戸沢村(1.11) | 白鷹町(1.05) | ||
~1.0 | 大江町(0.94) | |||
中山町(0.92) | 小国町(0.93) | |||
尾花沢市(0.89) |
(出典:山形県 少子化・次世代育成支援対策関係データ集(令和4年12月))
以上のように山形県も全国と同様に少子化が急激に進んでいます。
子どもの数が減ったことによって、園児募集に大きく影響している保育園・こども園・幼稚園も多いのではないでしょうか。
当社(株式会社 いちたす)でも、令和3年度、令和4年度の園児募集で、園児が一気に減ってしまったが、今後どのようにしていくかというご相談を多くいただいています。
山形県保育園・幼稚園・こども園の実態
ここからは、山形県の就学前のこども、保育園数、こども園の実態について解説しています。
山形県の就学前のこどもの実態
山形県の特徴は、育児をしながら働く女性が多いことです。
平成29年の調査では、共働き世帯割合は57.9%で全国2位、育児をしている女性の有業率は79.0%で全国4位の高さです。
(出典:山形県 「やまがた子育て応援プラン」(令和2年度~6年度))
そのため、保育所等利用率も全国より高い水準となっています。
― | 2013年 | 2022年 |
---|---|---|
全国平均 | 35.0% | 50.9% |
山形県 | 69.6% | 81.2% |
そんな中、就学前児童数は少子化で減少しています。
― | 2013年 | 2021年 |
---|---|---|
就学前児童数 | 52,783人 | 39,799人 |
保育所等の入所児童数 | 36,729人 | 32,325人 |
上下二つの表を見比べていただくとわかるのですが、2015年から2020年にかけて保育所等利用率は上昇しているものの、そもそもの就学前の児童数が減少しているため、保育所等に入所している子どもの数も減少しています。
(出典:厚生労働省 「保育所等関連状況取りまとめ(令和4年4月1日)」)
(出典:山形県 少子化・次世代育成支援対策関係データ集(令和4年12月))
コロナの影響等で少子化が加速しており、保育園や幼稚園などの保育関係施設を利用する子どもの数は今後も減少していくことが予想されます。
一方で、山形県内の3歳未満児の約4割が保育所等を利用していません。人数にすると約9,000人。こども家庭庁が支援を本格化すると掲げている、未就園児(無園児)とどう関わっていくのか、保育園経営の点からみても重要になります。
山形県の保育園数の実態
続いては、山形県の保育園数について詳しく見ていきます。
山形県が公表している資料によると、2017年と2022年を比べて保育等関連施設数は減少しています。
ここでの保育等関連施設とは、認可保育所、へき地保育所、児童館(集団保育)、幼稚園、幼保連携型認定こども園、認可外保育施設のことを言います。
― | 2017年 | 2022年 |
---|---|---|
保育等関連施設数 | 518か所 | 494か所 |
2017年から2022年までの5年間で、24施設が減少しています。これは主に、へき地保育所の休所や、公立保育園の統廃合が影響しています。
山形市や新庄市では、市立保育所の建物老朽化が課題となっており、整備計画を策定し、統合や建替を実施・予定しています。
他方、庄内町では、公立保育園・幼稚園を民間に移管し、2022年に民営の認定こども園が開園しました。
このような取組みから、山形県の国公立の保育施設は2017年の160施設から2022年には131施設まで減少しています。
(出典:山形県 少子化・次世代育成関係データ集)
(参考リンク:山形市 第二期山形市子ども・子育て支援事業計画)
(参考リンク:新庄市子育て推進課 新庄市公立保育所整備計画)
山形県のこども園の実態
ここからは、山形県のこども園の実態についてです。
2022年現在で山形県には、120の認定こども園があります。前年と比べて11施設増加しています。
4つの類型の中では幼保連携型が77施設で一番多いです。続いて、幼稚園型が26施設、保育所型が17施設となっており、地方裁量型はありません。
ここで山形県の保育関係施設の利用児童数の推移を見てみます。
以下の図から、保育所、幼稚園の利用者数が減少し、幼保連携型認定こども園の利用者数が年々増加していることがわかります。
下図では、保育所型認定こども園は保育所に、幼稚園型認定こども園は幼稚園に入っています。
(出典:山形県 少子化・次世代育成支援対策関係データ集(令和4年12月))
上のグラフでは、保育所型認定こども園は保育所に、幼稚園型認定こども園は幼稚園に入っています。法律上の立ち位置があいまいなので、統計資料では幼稚園型と保育所型はわかりにくくなります…。
保育園や幼稚園が幼保連携型認定こども園に移行しているため、幼保連携型認定こども園の利用者数も増加していることがわかりました。
では、個々の施設でみてみると、園児数は増加しているでしょうか?
実は、2022年度とその前年度の園児数を比べてみると、ほとんどの幼保連携認定こども園で前年度園児数より減少しています。
山形県内には、73の幼保連携型認定こども園がありますが、前年度と比べて園児数が増えているのは、22施設のみです。
一部の市町村別に表を作成しました。
市町村 | 幼保連携型認定こども園 の施設数 | 前年度比で園児が 増加した施設数 | 構成比 |
---|---|---|---|
山形市 | 20 | 7 | 35% |
米沢市 | 5 | 2 | 40% |
鶴岡市 | 10 | 4 | 40% |
酒田市 | 8 | 0 | 0% |
天童市 | 5 | 2 | 40% |
上表の市町村では、前年度比で園児数が増加しているのは全体の40%にとどまっており、一部の園に人気が集中しているのがわかります。
せっかく良い保育を行っていても、地域で認知されていなければ園児は集まりません。
今後の園児募集・職員採用では、「発信する力」も大切になってきます。
山形県の保育園・幼稚園への取り組み
山形県では、「子育てするなら山形県」の実現をめざしており、子育て支援に力を入れています。
そのため、山形県の事業として、県内の市町村と連携し、国の無償化の対象とならない3歳未満児を対象とした保育料の負担軽減補助を行っています。
(参考リンク:山形県事業に基づく山形市保育料負担軽減補助金について)
また、各市町村では、保育事業者向けにも助成事業を実施しています。
主な市町村で保育施設が受け取れる補助金をご紹介します。
- 運営費補助
- 研修教材等費
- 保育士増員費
- 宿舎借上げ支援
- 1歳児受入れ促進支援事業費補助
- ICT化推進事業費補助
- 教育・保育安心サポート補助
- 入所児童受入推進事業
- 研修事業
- AED常設事業
- 事故防止推進
- ICT化推進事業費補助
- 民間立保育所等運営費補助
- 障害児等保育事業費補助
- 保育所等地域活動事業費補助
- 保育環境改善事業補助金
- ICT化推進事業費補助
【参考記事】:【プロが解説】保育園補助金の基礎知識!補助金から事例までご紹介
この他にも、市町村で行っている補助事業はあります。
国の補助事業、市の助成事業、公定価格の加算等、「沢山あって取りこぼしがないか不安…」という方は、ぜひお問い合わせください!
山形県の経営者様に提供出来る経営コンサルティングサービス
これまでは、山形県の保育園・こども園・幼稚園の実態について解説しました。ここからは、山形県の経営者様におすすめの当社のサービスをご紹介します。
決算書(計算書類)作成
当社では、各会計基準・都道府県の処理標準等に則り、日常会計を行い、決算書を作成しております。
また、園で作成した決算書や附属明細書が正しいかどうかの確認も行っています。
当社の決算書作成サービスの特徴は3つあります。
- 保育事業における、さまざまな会計基準・施設類型に対応した会計支援!
- 学校法人、社会福祉法人、株式会社、NPO、宗教法人、その他
- 保育園、幼稚園、こども園、小規模保育施設、企業主導型保育施設、その他
- コンサルティングサービスと会計サービスをまとめて契約できる!
- 2つのサービスを別々の会社と契約するよりもお得です。
- 当社の会計サービスをご契約いただけますと、電話やメールを使った相談業務(税込22,000円)が無料でご利用いただけます。
- 学校法人・社会福祉法人の場合、附属明細書を園で作成できる場合は料金を抑えられる!
- 適用となる附属明細書の種類については、お問合せください。
ブランディング支援
山形県では、保育所等の利用率が上昇しているものの、少子化が進んでいるため、保育所等の利用児童数は減少していることがわかりました。
また、2022年度の調査では幼保連携型認定こども園にて、園児が前年と比べて増加しているのは約3割の施設のみ、という結果でした。
一部の園に人気が集中している状況となっており、この状況はこの先さらに顕著になっていくと考えられます。
当社のブランディング支援では、チラシやパンフレットの作成にとどまらず、他園との差別化を図り、存在の核となる部分を打ち出していくご支援も行っております。
ブランディングについて詳しくお知りになりたい方は、以下をご覧ください。
山形県の保育園・幼稚園経営者様から頂くご質問
ここでは、山形県の保育園・こども園・幼稚園経営者様からよく頂くご質問にお答えいたします。
- Q山形市で認可保育園を経営しています。
少子化の影響で入園児が減少してきており、収入も減少してきています。何か解決策はございますか? - A
入園児の減少は、保育園経営の収入に直結するため、大きな問題です。山形市では、0~5歳の子どもの人数は2020年に11,203人だったのが、2024年には10,589人に減少すると予測されています。ますます入園児は減少していくことが予想されます。
(参考リンク:山形市 第二期山形市子ども・子育て支援事業計画)
収入を維持する解決策としては、例として以下のような策があげられます。
収入を維持する解決策- 利用定員の変更
- 施設類型の検討
- 委託費の取りこぼしがないか確認
- 加算の検討
- 園児募集の強化
以上の解決策は、一例です。法人や地域の状況によって、解決策も異なります。
当社では、収入最大化支援や補助金・委託費支援等、さまざまなサービスを行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。
- Q鶴岡市で認定こども園を経営しています。
自法人で日常の会計は行っているのですが、決算書の作成だけお願いすることは可能でしょうか? - A
決算書作成のみのご依頼も可能です。
当社(株式会社いちたす)は、社会福祉法人や学校法人等、さまざまな会計基準・施設類型に対応した会計支援サービスを提供しています。
園で作成した決算書や附属明細書が正しいかどうかの確認サービスもございますので、園の状況に合わせてご契約を承っております。
- Q米沢市で幼稚園を運営しています。
会計サービスは別の会計事務所で既に契約しているのですが、コンサルティング契約をお願いできますか? - A
現在契約している会計事務所を変えたくない場合でも、コンサルティング契約は可能です。
当社(株式会社いちたす)では、収入最大化や園児募集のご支援等、法人のお悩みに対してご支援・コンサルティングを行っております。「複数施設を運営しているが本部で契約したい」「打ち合わせは2か月に1回でよい」など、オーダーメイドのご契約内容作成が可能です。
まずは、貴園のお困りごとを無料相談で承ります。
いちたすが注目する山形県のこども園・保育園・幼稚園のご紹介
いちたすが注目する、山形県の認定こども園をご紹介します。
社会福祉法人立正会 りっしょう子ども園
りっしょう子ども園は、山形県鶴岡市にある定員90名の認定こども園です。
平屋建で、大きなホールやモンテッソーリルーム等の特殊教育部屋があり、木の温かみが感じられる園舎です。
三川町に、60名定員の認定こども園「三川りっしょう子ども園」があります。
保育の特色として、『ピラミーデ(ピラミッドメソッド)教育法』を導入しています。
ピラミーデ教育法とは、オランダ政府教育機構Citoが開発した3歳から6歳までの幼児教育法です。
りっしょう子ども園では、『プロジェクト保育』を行っています。約1か月ごとに設定された”テーマ”に沿って、身近なものから抽象的なものの概念を主体的に学べるプログラムです。
りっしょう子ども園のホームページでは、ピラミーデの様子が写真付きで掲載されています!
以下URLから、ご覧ください。
学校法人東谷学園 天童しぜん幼稚園
天童しぜん幼稚園は、山形県天童市にある定員150名の幼保連携型認定こども園です。
市内には、幼稚園型認定こども園「天童東幼稚園」と小規模保育園「あそか保育園」という姉妹園もあります。
天童しぜん幼稚園では、山形県の伝統行事である芋煮会を行う中で、子どもたち主体でみそ汁を作っています。(『スーパーみそ汁』と子どもたちが名付けたそうです。とても素敵なネーミングですね!)
また、東谷学園様が運営する子育て支援センター「つながりテラス」に、送迎ステーションがあります。
これは、「送迎ステーションをつくることで親御さんの負担を軽くしたい」という理事長先生の想いから出来ました。
「つながりテラス」には、たこやき屋やパン屋があり、地域の人が集まる複合施設になっています。
天童しぜん幼稚園のホームページは、こちらからご覧ください。
山形県の保育園・幼稚園経営のご相談なら幼児教育・保育専門コンサルティング会社いちたすへ
保育園・こども園・幼稚園を経営するうえで、お困りのことがありましたら株式会社 いちたすへお気軽にお問合せください。
今後どのように運営していけばよいか、給付費(委託費)や補助金はしっかりと取れているのかといった経営・財務に関するご相談から、保育士・職員に外部研修を行ってほしい等の人材育成に関するご相談まで、幅広くご支援しています。
いちたすについて
株式会社 いちたすでは、保育園・こども園・幼稚園の経営者の皆様に対して、経営・運営・財務に関するコンサルティングを専業で行っています。
会計事務所として、日常の会計の確認、記帳代行を行ってもいますので、保育所のバックオフィス業務、書類関係全般のご支援もしています。幼稚園・保育所・こども園の税務・労務に精通した税理士法人・社会保険労務士事務所とも提携しています。
「会計事務所は法人設立からお世話になっているから変えたくない」というお声を頂きます。
そのような場合は、会計・税務ではなく、
- 委託費の加算の取りこぼしがないか、第三者に確認してもらいたい。
- 認定こども園への移行を考えているが、何から手を付ければよいかわからない。
- 処遇改善をどのように取り入れていけばよいか、他園がどのように行っているかを知りたい。
などのお悩みに対してご支援・コンサルティングを行う顧問(相談)契約もあります。こちらは、セカンドオピニオンのようにお使いいただくことも可能です。
料金プラン
株式会社 いちたすでは、定期的な顧問契約から、スポット(単発)での委託費の確認、申請書類の確認なども行っております。
たとえば相談契約、コンサルティング契約ですと
で引き受けております。
「複数施設を運営しているが本部で契約したい」「打ち合わせは2か月に1回でよい」など、オーダーメイドでご契約内容を作成いたしますので、お気軽にご連絡ください。
依頼の流れ
お問合せフォームかinfo@ichitasu.co.jp宛にメールをお送りください。
詳しい内容をお伺いいたします。
その後は、
- 当社の担当者が園にお伺いする
- 当社事務所(仙台市一番町)にお越しいただく
- Zoomなどを利用してオンラインで打ち合わせをする
といった形で、具体的にどのようなご支援が出来るのかを打ち合わせいたします。
園によって状況は様々ですが、
など、ご要望に合わせてご提案いたします。
お気軽にお問い合わせください。