2025年10月28日(火)、当社主催の「【東北6県の園長先生、必見!】直接相談できる処遇改善一本化解説セミナー」を山形貸会議室にて開催いたしました。平日の貴重なお時間にもかかわらず、山形市をはじめ県内各地から計10名の幼保施設の経営層・事務担当者の皆様にご参加いただきました。
複雑化が予想される処遇改善加算の「一本化」について、制度の概要から申請書類作成の実務までを一挙に解説した本セミナー。ご参加いただいた皆様の、制度変更に確実に対応したいという気持ちが会場全体に満ちていました。
本記事では、セミナー当日の様子と講義の重要ポイントを詳報します。特に、山形県という地域で職員定着を図るための運用上のヒントを、ブログ独自の視点で深掘りして解説します。
開催概要と当日の雰囲気

こちらが開催概要です。
| 開催日時 | 2025年10月28日(火)14:00~16:30 |
| 会場 | 山形貸会議室 |
| 参加者 | 10名 |
| 参加法人 | 社会福祉法人、学校法人、合同会社 計8法人 |
今回は、理事長、園長、管理課長、事務担当者といった、組織の中核を担う方々にご参加いただきました。特に、制度変更を前に「どう対応すべきか」「申請書作成で失敗したくない」という切実な課題意識が強く、参加者の皆様は熱心にメモを取られていました。
本セミナーは14時から16時30分までの2時間30分、休憩を挟みながら2部構成で実施いたしました。前半は処遇改善等加算一本化の制度全体像、後半は実際の申請書類作成方法について、具体的な様式を見ながら解説する実践的な内容となりました。
【セッション1】処遇改善加算「一本化」制度の全体像と重要ポイント

当日の講義内容の前半部分について詳しくお伝えいたします。
複雑化する処遇改善制度への対応:一本化の背景・目的・概要を整理

講義ではまず、処遇改善等加算I、II、IIIが一本化される背景や、その目的が事務作業の簡略化や、ひいては職員の更なるキャリアアップと賃金水準の向上にあることを解説しました。
令和7年度(2025年度)から、従来の処遇改善等加算I・II・IIIは、区分1[基礎分]・区分2[賃金改善分]・区分3[質の向上分]という新たな枠組みに再編されました。
特に重要なポイントとして、キャリアパス要件を満たしていない場合、令和8年度から区分1[基礎分]の加算が非適用になるという点を強調しました。令和7年度は経過措置として区分2が2%減額されるにとどまりますが、令和8年度以降は区分1が全額非適用となるため、早急な対応が求められます。

今回はリアルセミナーということで、 皆様に直接お会いすることができたことを大変嬉しく思っております。 相槌を打ったりメモを取ったりしながら真剣に聞いてくださり、 誠にありがとうございました。
山形県の施設長が直面する課題解決へ!制度を定着に活かす運用ヒント
本セミナーの講義内容に加え、当社の専門的な知見から、山形県の幼保施設が特に注力すべき処遇改善等加算制度の運用ヒントを深掘りします。制度を「ただの手当」で終わらせず、職員の定着とモチベーション向上につなげるための具体的なアプローチです。
山形県は全国的に見ても保育士の有効求人倍率が比較的低い地域です(令和7年7月時点で1.86倍、全国平均2.77倍。出典:こども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移」)。しかし、それでも人材確保は容易ではありません。特に冬季の気候条件や通勤の課題から、職員の定着率向上が経営上の重要課題となっています。
処遇改善等加算を効果的に活用するためには、単に手当を支給するだけでなく、職員が「この園で長く働きたい」と思える環境づくりが不可欠です。具体的には、以下の点が重要になります。
- 研修受講を通じたキャリアアップの見える化
- 役職手当と連動した明確な昇給ルールの整備
- 職員への丁寧な説明
セミナーでは、区分3[質の向上分]の要件である研修修了について、「いつまでに」「誰が」「どの研修を」受講すべきかを整理する重要性をお伝えしました。特に、副主任保育士や専門リーダーの研修修了要件(4分野以上の研修修了)を満たすためには、計画的な研修受講が必要です。
【セッション2】実務直結!申請書類作成の具体的ステップと注意点

講義の後半は、制度理解を「加算の取得」に直結させるための申請書作成に焦点を当てました。
確実に加算を取得するための「申請書」作成の具体的ステップ
セミナーでは、実際の様式を投影しながら、入力項目を一つひとつ丁寧に解説しました。特に参加者の関心が高かったのは、「様式4別添1」の書き方です。
一本化に伴い新しい様式になり、書き方に迷いが生じている法人の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。こども家庭庁からFAQで通知されている内容も織り交ぜながら、「どこ」の項目に「なにを」入力するのかを一つ一つ説明いたしました。
申請書作成における最大のポイントは、賃金台帳や給与規程との整合性を確保することです。申請書に記載した内容が実際の支給状況と一致していることが重要なため、申請段階から丁寧な記録管理が求められます。

山形でのリアルセミナーにご参加いただき、ありがとうございました。 遠方からは新潟よりお越しいただいた法人様もいらっしゃり、心より感謝申し上げます。 今回は、R7年度処遇改善加算の制度説明と申請書作成という実務に焦点を当てた内容でございました。 特に実務の解説は高評価をいただき、とても嬉しく思います。 引き続き、皆さまに制度のポイントが明確に伝わるよう、専門的な内容を分かりやすくお伝えすることを心がけてまいります。
無料相談と参加者の声

セミナー終了後には、個別のご相談を実施いたしました。
無料個別相談で人事院勧告対応の悩みを解消
個別相談では、2法人から具体的なご相談を承りました。特に、「人事院勧告分の給与の支払い方」についての実務的な対応について詳細なアドバイスを行いました。これは、公定価格と連動する幼保施設特有の複雑な課題であり、その場で解決策と具体的な手順を提示させていただきました。
人事院勧告による公定価格の改定は、処遇改善等加算とは別の枠組みですが、職員の給与体系全体に影響を及ぼします。特に、基本給に反映させるのか、手当として支給するのか、またその際の就業規則や給与規程の改定はどう行うべきかといった点について、多くの園が悩まれています。
アンケート結果:参加者の声
ご参加いただいた皆様にご記入いただいたアンケートの結果は以下の通り、高い評価をいただきました。



オンラインセミナーも利用させていただいておりますが、無料での開催にありがたく存じます。

わかりやすい説明と資料で、御社のブログと合わせて拝聴させていただき、処遇改善のことがよく理解できました

申請書類の記入実務に関しては、実際の様式を使用してのセミナーは初めてだったので大変ありがたいと思いました
といった前向きなご意見を多数いただき、今回のセミナーが皆様の課題解決の一歩となったことを確信しております。
まとめと今後の情報提供

本セミナーにご参加いただいた山形県の幼保施設の皆様、誠にありがとうございました。
処遇改善加算「一本化」は、単なる事務手続きの変更ではなく、職員の待遇とキャリアを真剣に見直すための大きな転機です。今回のセミナーが職員の定着と質の高い保育・教育の提供へとつながりますと大変うれしく思います。
当社では、今後も処遇改善等加算に関する最新情報をブログで発信してまいります。また、より深く学びたい方向けに、「少人数制で学ぶ処遇改善等加算の「本質理解」と「運用」集中講座」を開催しております。
本講座では、制度の腹落ち理解から自律的な運用まで、全5回の集中講座で一気通貫でナビゲートいたします。社労士監修の給与規程記載例や、処遇改善等加算の支給額を管理する「検討表(賃金の見える化ツール)」など、実務に直結する3大プレゼントもご用意しております。
処遇改善等加算制度を「正しく」「賢く」「上手く」運用し、職員が安心して長く働ける環境づくりを一緒に実現しましょう。







