保育分野(施設型給付費)における令和7年度からの処遇改善等加算一本化について、最新情報を基に解説しています。

従来の処遇改善等加算制度では、加算Ⅰ・加算Ⅱ・加算Ⅲと分かれていることにより制度が複雑化し、それに伴い事務作業が煩雑していることが課題となっていました。その課題を解決するために、処遇改善等加算の一本化が検討されています。
一本化により変更される主な内容は以下の通りです。

  • 制度体系
  • 配分ルール・賃金改善の方法
  • 賃金改善の確認方法

本記事では変更内容から幼保業界経営者への影響一本化に向けて必要な準備等を解説しています。
処遇改善等加算の最新情報が知りたい、という方はぜひご覧くださいませ。

この記事を監修した人

中小企業診断士:大窪 浩太

関西の税理士法人にて公益法人に対して決算・申告書作成、財務コンサルティングを担当。 2017年、同税理士法人の仙台支店に転勤。 2019年7月に税理士法人を退職後、株式会社いちたすに参画。
得意分野:幼稚園・保育園・認定こども園の経営・財務コンサルティング。 少子化がますます進む東北で、今後数十年、安定して運営していける園づくりの支援を行う。 新規園の設立や代表者の代替わりなどの際は、法人に入り込んで、伴走型の支援を行うこともある。
宮城県中小企業診断協会所属

処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化とは

処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化とはについての説明画像

ここでは、保育分野における処遇改善等加算が一本化される背景と目的について解説します。

注意

このページでは、保育士・保育教諭の処遇改善等加算制度について説明しています。
福祉・介護職員向けの処遇改善等加算についての説明ではありませんのでご注意ください。

処遇改善等加算制度の概要

処遇改善等加算は保育人材の不足解消を目的に、他業種と比べ給与の低い保育士等の待遇を改善するために導入されました。
処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲとあり、それぞれ趣旨や要件が異なっています。

処遇改善等加算Ⅰ

使途:(基礎分)職員の平均経験年数に応じた人件費
   (賃金改善要件分)賃金改善やキャリアパス構築のための費用

配分対象者、支給額や支給方法は園が自由に決めることが可能(恣意的な配分はNG)。

処遇改善等加算Ⅱ

使途:技能・経験を積んだ職員の追加的な人件費

所定の研修を修了した該当の役職者に月額で支給する必要がある。

処遇改善等加算Ⅲ

使途:職員の賃金の継続的な引上げ(ベースアップ)のための費用

加算額の2/3以上を月額で支給する必要があり、法人役員兼務の施設長に配分は不可。

処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲは、それぞれ公定価格に組み込まれた時期が異なり、使途も異なるため支給要件が複雑化していることが課題となっていました。
令和6年度までの処遇改善等加算制度について詳しくお知りになりたい方は以下記事をご覧くださいませ。

関連記事
中小企業診断士:大窪 浩太

令和6年度と令和7年度で処遇改善等加算制度自体が大きく変わりますが、これから令和6年度の実績報告がありますし、実績報告が終わっても、自治体から5年間遡っての監査が入ることもあります。
一本化になったからこれまでの考え方はなかったことになる、というわけではないので、令和6年度以前の処遇改善の考え方を理解しておくことは変わらず重要です。

一本化の背景と目的

前述のとおり、処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲについては保育現場だけではなく、審査する行政側からも改善の要望が出されていました。

保育事業者

処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの趣旨・対象者・要件・加算額の算定方法がそれぞれ異なっていて分かりにくい

地方公共団体

制度が複雑でわかりにくく、事務作業も煩雑多大な事務負担が発生している。

処遇改善等加算がⅠ~Ⅲと分かれていることにより、同じような様式を加算ごとに作成する必要があるなど、作成する側にとっても審査する側にとっても、かなりの負担となっていました。
そこで、処遇改善等加算加算の一本化にあたり、3つの観点で見直しが検討されています。

処遇改善等加算を見直す3つの観点
  1. 事業者や地方公共団体にとって、各加算の趣旨・目的を整理・再編し、わかりやすい制度とする観点
  2. 事業者や地方公共団体にとって、加算取得のための手続きに係る事務負担を軽減する観点
  3. 職員に対する処遇改善の効果を担保しつつ、事業者にとって、柔軟な事業運営を可能とする観点

(出典:こども家庭庁 処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について

いちたす:松嶋

処遇改善等加算は弊社へお問い合わせいただくご相談のなかでも、とても多いテーマですが、最近では審査担当の自治体の方からのご相談も多くいただいており、双方にとって負担が大きいということを肌で感じます。
ここから先は具体的な変更内容について触れていきますが、制度見直しの3つの観点を押さえておくと変更内容についてより理解が深まります。

【変更点】一本化による具体的な変更内容

【変更点】一本化による具体的な変更内容についての説明画像

ここからは一本化による具体的な変更内容について、令和6年12月19日に開催された第8回子ども・子育て支援等分科会にて発表された資料を基に見ていきます。

注意

令和7年2月現在、「案」として公表されている資料を基に記載しております。
今後、制度の本運用にあたり内容が変更となる場合もございますのでご注意くださいませ。

給付体系の変更

一本化ということで、令和6年度までの処遇改善等加算はⅠ~Ⅲに分かれていましたが、それが処遇改善等加算(仮称)として一つになります。
加算としては一つになりますが、区分としては三つの区分に分かれます。

処遇改善等加算一本化についての解説画像
出典:「処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について」(こども家庭庁 成育局保育政策課)より、株式会社いちたす作成

処遇改善等加算Ⅰの賃金改善要件分と処遇改善等加算Ⅲが区分②(賃金改善分)として統合され、処遇改善等加算Ⅱが区分③(質の向上分)としてスライドする形です。

いちたす:松嶋

ここで注目すべきは、キャリアパス要件です。キャリアパス要件は令和6年度までの処遇改善等加算Ⅰでは賃金改善要件分の中に含まれていました(2%分)。
一本化案の資料では、「キャリアパス要件については、職場環境の改善という観点から、1年の経過措置を設けた上で区分①(基礎分)の要件とする」と記載があります。キャリアパス要件を満たしていないと、区分①(基礎分)を受けることが出来なくなると読み取れるため、対策が必須になる可能性があります。

配分対象者・配分方法、賃金改善の方法

処遇改善等加算が一本化されることで、配分対象者や配分方法についても変更が検討されています。
大きく変わるのは以下の2点です。

配分対象者・配分方法(処遇改善等加算Ⅱ)
  • 従来の加算Ⅱの4万円を1人以上支給の要件は撤廃
  • 要件を満たす職員数が実際にいることを要件として年度内に研修修了を予定していて職務命令を受けている場合は配分対象。

令和6年度までの処遇改善等加算Ⅱでは、4万円を1人以上に支給する要件があり特に小規模保育事業等で職員間の賃金バランスを保つことが課題となっていまいしたが、その要件は撤廃される方向です。
施設全体としての質の向上を評価する」という観点から加算の配分について施設一定の裁量が認められます。

また、賃金改善の方法についても変更されます。

賃金改善(処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲ)
  • 「賃金改善分」と「質の向上分」の合計額について、1/2以上を基本給・決まって毎月支払われる手当により改善することとする。

令和6年度までの処遇改善等加算制度では、加算Ⅰ~Ⅲのそれぞれで支給方法のルールが異なっていたり、各加算ごとに実績報告書を作成して報告する必要があったりしました。
一本化により、区分②(賃金改善分)区分③(質の向上分)を合計した金額から1/2以上を基本給又は毎月の手当で支給することとなり、賃金改善方法の統一が図られます。

いちたす:松嶋

気になる加算額の算定方法については従来と同様、全額賃金改善に充てる要件も従来と同様とされています。また、人勧分についても従来通り対応が必要です。

中小企業診断士:大窪 浩太

処遇改善Ⅱの配分方法には、頭を悩まされることも多かったと思います。
今回の変更で、4万円を1人以上に支給という要件がなくなる可能性が高いですが、「制度が変わったから手当の金額を4万円から2万円にします」という対応を取ることは難しいと思います。
新たに「区分②と区分③の合計額から1/2以上を毎月支給」という要件も出来ますので、これまで支給してきた手当を、新しい制度にどう当てはめていくか、という検討が必要になりそうです。

新制度下での支給の流れ(賃金改善の確認方法)

処遇改善等加算の一本化について、全体的に介護・障害分野の仕組みに倣う方向で制度改正が検討されています。保育事業における令和6年度までの処遇改善等加算は、次のような課題感がありました。

保育業界の経営者

利用児童減少に伴い収入も減少しているのに、起点賃金水準を下げることができず法人の経営を圧迫している。

令和6年度までの処遇改善等加算制度は、支払賃金が起点賃金水準を下回っていないことを確認していたため、たとえ園児数減少により収入が下がったとしても賃金水準を維持する必要がありました。また、法人が独自に加算額以上の賃金改善を行っても、翌年度に引き続き賃金水準を維持する必要があるため、法人独自の賃金改善に消極的になってしまうという指摘もあります。

そこで、加算額として入ってきた額を支払うという確認方法に変更されます。具体的には以下の変更が検討されています。

内容現行対応方針
賃金改善の確認方法支払賃金が起点賃金水準を下回っていないこと、新たに加算を取得した場合は加算額が賃金改善に充てられていることを確認①加算額以上の賃金改善となっていること
②加算以外の部分で賃金水準を下げていない
ことの確認を行う
基準年度の賃金水準(総額)の考え方加算当年度の職員について、雇用形態、職種、勤続年数、職責等が同等の条件の下で、基準年度に適用されていた算定方法に基づく賃金水準加算当年度の全ての職員の前年度の賃金の総額(実績)
定期昇給額の特定加算Ⅰの基礎分(定期昇給分)で対応し賃金改善額に含めていないため、特定していない賃金改善額に含めず、金額の特定を行う
施設独自の改善額初めて処遇改善加算を取得した年度以降で、加算等の加算額を超えて実施した賃金改善額を前年度の賃金水準から除く
出典:「処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について」(こども家庭庁 成育局保育政策課)
賃金改善の確認方法のポイント

①加算額以上の賃金改善となっていること②加算以外の部分で賃金水準を下げていないことの確認を行う(加算額の増減の影響や施設独自の改善額を除いた形で確認を行う)

加算額として入ってきた額を支払う

これまで処遇改善等加算Ⅰの加算額の増減は賃金改善に反映することができませんでしたが、この制度改正により加算額が減った場合は、減った金額分だけ職員への支給分も減らすことができます。ちなみに、加算額が増えた場合は、増えた分を職員へ支給する必要があります。

いちたす:松嶋

定期昇給については令和6年度までの制度ですと賃金改善に含めない、ということであえて特定はしていませんでした。一本化の案では、賃金改善額に含めないのは変わりませんが、金額の特定を行うとされています。法人として定期昇給額を定めていない園がありましたらご注意くださいませ。

中小企業診断士:大窪 浩太

株式会社いちたすとしては、国の流れとして保育士の賃金改善を進めており、処遇改善等加算Ⅰの基礎分が経験年数に応じて増えていく仕組みになっているので、定期昇給は制度上求められている、とお伝えしてきました。
ただ、定期昇給が明文化されているわけではないので、ベテラン・若手に限らず定期昇給を行わないという方針の園もありました…。定期昇給については、短期的には人件費を抑制することが出来ますが、長期的に見ると園の競争力を著しく減少させると考えてきましたので、明文化されて良かったです。

介護分野等における特別事情届出書

保育分野における処遇改善等加算制度において、これまでにはなかった「特別事情届出書」という仕組みが新たに設けられます。

これは特例措置として、園児減少等により影響で経営が悪化した場合、労使合意の下起点となる賃金水準を「必要最小限な範囲」において引き下げることを認めるという仕組みです。

介護分野等における特別事情届書の説明画像
介護分野における特別事情届出書(出典:「処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について」(こども家庭庁 成育局保育政策課)

介護分野では上記の様式を用いて、運用しています。

いちたす:松嶋

一本化により、加算額として入ってきた額を支払う方法に変更されますが、支給額を下げる場合、あくまでも下げて良いとされるの加算額が減少した差分です。しかし、上記の「特別事情届出書」では経営悪化を理由に「必要最小限な範囲」において賃金水準の引き下げが可能となります。
ただし、労使の合意が必要なため給与が下がってもこの園で働きたい、と思ってくれる職員がいるか、というところもポイントになりそうですね。

中小企業診断士:大窪 浩太

保育士の人材不足はこれからも続いていくと思いますので、短期的な赤字であれば、積立金を取り崩してでも人件費を維持する、といった判断も必要になるかと思います。
制度として賃金引き下げが可能になりそうではありますが、万が一のための方法、という位置づけで、園として利用することを検討する前に、手を打ちたいですね…。

保育園・幼稚園運営者への影響

保育園・幼稚園運営者への影響についての説明画像

ここまでは処遇改善等加算の一本化による具体的な変更内容について解説しました。
ここからは変更に伴い、幼保業界の経営者への影響についてメリット・デメリットをみていきます。

一本化のメリット

処遇改善等加算の制度改正により以下のメリットが考えられます。

処遇改善等加算一本化のメリット
  • 支給要件が緩和され、施設の裁量で柔軟な運用を行うことができる。
  • 改善方法が統一されたことにより、各加算の配分を検討する必要がない
  • 一本化により実績報告書の様式の枚数が減る(現在は最大で9枚)。
  • 園児数減少等により、加算額が減少した場合は支給額も減額できる。
  • 加算額を超えて実施した賃金改善は前年度の賃金水準から除くため、施設独自の改善を行いやすい

これまで各加算で使途や支給要件やルールが異なり複雑化していることが問題でしたが、制度が一本化され支給条件や確認方法が統一化されることにより運用面の透明性が向上することもメリットと言えます。

いちたす:松嶋

制度が複雑なことにより審査する行政側も負担が大きく、これまで適切に運用できているかの判断が、有耶無耶になっていた部分もあるのではないでしょうか。
令和7年度から処遇改善等加算が一本化され、制度内容の透明性が上がり正しく運用できているかの確認がより厳格になることも予想されます。

中小企業診断士:大窪 浩太

たとえば「今年は園児募集がうまくいき、園児が多くて先生方に負担をかけたから今年だけ賞与を多く支払おう」といったことも行えるようになります。
そのためにも、どこまでが施設独自の改善かを明確にしておき、説明できるようにしておく必要があります。

一本化のデメリット

続いて、処遇改善等加算の一本化により考えられるデメリットを以下に記載します。

処遇改善等加算一本化のデメリット
  • 処遇改善等加算制度について知識をアップデートする時間と手間が必要。
  • 新制度に沿った運用を検討・実施するため、運営側の対応コストがかかる。
  • 報告書に記載の内容が変更になり、記載項目が増える可能性もある。
  • 令和7年2月現在で公表されている「案」だけでは情報が不十分

令和7年度からの処遇改善等加算の一本化は、制度の大幅な変更とも言えるため、法人によっては賃金改善の方法を大きく変える等の対応が必要になる可能性があります。
一本化の制度を正しく理解し、正しく運用するために、経営者の「時間」を費やすことが求められます。

いちたす:松嶋

制度を見直す観点の一つである「事務負担を軽減する」という点について、令和7年2月現在では実績報告書の様式が公表されていないため何とも言えませんが、「定期昇給額」「施設独自の改善額」を特定するにあたり、記載項目が増えることも予想され、見方によっては事務手続きの簡素化とまではいかない可能性もあります。

中小企業診断士:大窪 浩太

あくまで個人の感想ではありますが、事務負担が軽減されるのは行政側で、園側はそこまで作成の負担が減ることはないかなと思っています…。
ただ、基準年度の賃金水準など、ひとによって判断が分かれることが減りますので「行政の担当者が変わるたびに、言うことが違う」のような話は減っていくか思います。
曖昧さがなくなる、という面で作成する負担は増えるかもしれませんが、差し戻し対応が減る、という大きなメリットがあるように感じています。

一本化に向けた準備とポイント

一本化に向けた準備とポイントについての説明画像

それでは、令和7年度からの処遇改善等加算の一本化に向けて、幼保業界の経営者が行うべき準備とそのポイントについてお伝えします。

必要な対応事項

令和7年2月時点で考えられる、対応が必要な事項は以下の通りです。

  • 申請書や実績報告書等の新様式への更新
  • 支給方法、支給対象者、支給額の変更
  • 処遇改善等加算の手当等、給与項目(名称)の変更
  • 給与規程の改定
  • 賃金テーブル、評価基準の見直し
  • 職員への周知・説明

このように列挙してみると、必要な対応事項が多く、また一つ一つが重たく感じるでしょうか。
どのような変更を行うかは、法人が令和6年度までの従来の制度でどのように処遇改善等加算を運用しているかによっても異なります。効率的に一本化制度に対応したい方は次をご覧ください。

効率的な移行のためのヒント

令和7年度からの処遇改善等加算一本化に向けて今から出来ること、それは
令和6年度までの従来の制度の中で、どのように処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲを支給してきたのかを整理しておくこと、です。

令和7年度に処遇改善等加算が一本化されると、現行の加算Ⅰ(賃金改善要件分)~Ⅲの加算額の合計の1/2以上を月額で支給する必要があります。ところが、特に処遇改善等加算Ⅰについては、職員に何の支給項目で配分しているのか分からなくなっている法人も多いのではないでしょうか。

令和7年2月現在、公表されている「案」からは、まだ不透明な部分もありますが、現状の支給方法、支給基準を明確化しておくことが処遇改善等加算の一本化へのスムーズな移行の第一歩です。

いちたす:松嶋

処遇改善等加算は職員の給与に直結するため、慎重な検討が求められます。お困りのことがございましたら、専門家や行政にご相談されることをおすすめします。
弊社でも処遇改善等加算の運用についてご支援を行っておりますので、ぜひお気軽に無料相談をご利用くださいませ。

【Q&A】処遇改善等加算一本化に関するよくある質問

【Q&A】処遇改善等加算一本化に関するよくある質問についての説明画像

ここからは令和7年度からの保育分野における処遇改善等加算の一本化についてよくある質問にお答えいたいします。

Q
一本化後の支給額はどう変わる?
A

令和7年度からの処遇改善等加算の一本化案では、従来の処遇改善等加算Ⅱの4万円を1人以上支給の要件は撤廃される予定です。また、現行の加算Ⅰ(賃金改善要件分)~Ⅲの加算額の合計の1/2以上を月額で支給する方法に変わり、加算額として入ってきた額を支払うことになります。これにより、職員への支給額を変更する必要がある可能性がありますが、加算額の算定方法については従来と同様とされています。

Q
経営者が注意すべきポイントは?
A

処遇改善等加算の一本化により検討されている主な変更内容は以下です。

  • 制度体系
  • 配分ルール・賃金改善の方法
  • 賃金改善の確認方法

制度を正しく理解し、施設での運用に落とし込む必要があります。
必要な対応事項については本記事で解説しておりますので、ご覧ください。

Q
保育士の処遇にどのような影響が出る?
A

処遇改善等加算の一本化されると、制度内容の簡素化により透明性や公平性の向上が期待され、保育士の処遇の見える化に繋がります。また、令和7年度からの処遇改善等加算は加算額として入ってきた額を支給することになるため、園児数減少の影響により支給額が下がる可能性もあります。

まとめ

本記事では、令和7年度からの処遇改善等加算の一本化について、令和6年12月19日に開催された第8回子ども・子育て支援等分科会にて発表された資料を基に解説しました。

各加算の賃金改善方法が統一されたり、園児減少の影響を受けた場合に加算額が減った分だけ賃金水準を下げることが認められたり、現行制度の問題点が改善される予定です。
また処遇改善等加算制度の透明性が向上し、正しく運用できているか、保育人材の待遇の向上につながっているかをより厳しい目で見られるようになります。

制度を正しく運用することで保育士等の待遇改善につながり、延いては保育の質向上に帰結します。
処遇改善等加算の配分額や手当の在り方等、お困りのことがございましたらぜひお問い合わせくださいませ。

幼稚園・保育園・こども園経営でお悩みなら東北・宮城の幼児教育・保育業界専門の経営コンサルティングいちたすへ

いちたす無料相談受付中

処遇改善等加算の運用について、お困りのことがありましたら株式会社 いちたすへお気軽にお問合せください。

いちたすについて

株式会社 いちたすでは、幼稚園・保育園・こども園の経営者の皆様に対して、運営・財務・経営に関するコンサルティングを行っています。

処遇改善等加算について株式会社いちたすで出来ること
  • 処遇改善という制度の説明や考え方の研修
  • 園に導入する際の導入支援
  • 所轄庁に提出する申請書類の作成支援
  • 所轄庁に提出する実績報告書の作成支援
  • 就業規則や給与規程の改訂支援(社会保険労務士と連携)
  • 組織図の作成支援(責任と権限の明確化)
処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ支援
詳しくはこちら

会計事務所として、日常の会計の確認、記帳代行を行ってもいますので、保育所のバックオフィス業務書類関係全般のご支援もしています。幼稚園・保育所・こども園の税務・労務に精通した税理士法人・社会保険労務士事務所とも提携しています。

会計事務所は法人設立からお世話になっているから変えたくない、というお声を頂きます。
そのような場合は、会計・税務ではなく、委託費(施設型給付費)の加算の取りこぼしがないか、処遇改善をどのように取り入れていけばよいかなどを確認する相談契約もございます。こちらは、セカンドオピニオンのようにお使いいただくことも出来ます。

料金プラン

株式会社 いちたすでは、定期的な顧問契約から、スポット(単発)での委託費の確認、申請書類の確認なども行っております。
たとえば、職員15名の園の場合

処遇改善等加算Ⅰ、処遇改善等加算Ⅱの申請・実績報告の支援

16.5万円~
(税込)

で引き受けております。

また、相談契約、コンサルティング契約ですと

保育園の顧問(相談)契約の場合(1施設)

月額22,000円~
(税込)
保育園のコンサルティング契約(月1回1時間の打ち合わせあり)の場合(1施設)

月額55,000円~
(税込)

で引き受けております。

その他、オプションにはなりますが、処遇改善等加算Ⅰの配分方法の検討園内でのキャリアパスの明確化の支援処遇改善等加算Ⅰの期末一時金としてどの程度支給すればよいのかの試算なども承っております。

依頼の流れ

お問合せフォームかinfo@ichitasu.co.jp宛にメールをお送りください。
詳しい内容をお伺いいたします。

その後は、

その後の流れ
  • 当社の担当者が園にお伺いする
  • 当社事務所(仙台市一番町)にお越しいただく
  • Zoomなどを利用してオンラインで打ち合わせをする

といった形で、具体的にどのようなご支援が出来るのかを打ち合わせいたします。

園によって状況は様々ですが、

など、ご要望に合わせてご提案いたします。
お気軽にお問い合わせください。