2023年7月13日、株式会社エンペイ様と弊社(株式会社いちたす)の共催セミナーを開催いたしました。
株式会社エンペイ社は、「やさしいフィンテックを。」というミッションを掲げ、集金業務支援サービス「enpay(エンペイ)」を提供されています。現在は、1700施設以上で導入実績があり、全国各地の保育園・こども園・幼稚園で業務効率化の支援を行っています。
今回は、そんな株式会社エンペイ様と共催したセミナーのレポートをお届けします。
セミナーの開催概要
本セミナーでは、
- 業界のICT利用に関する現状共有
- お金周りの業務の効率化による効果
について、事例を交えながらお話しいたしました。
今まで軽んじられてきた事務部門の業務効率化がどれだけ経営に良い影響を与えるのか、ヒントとなるようなセミナー内容でした。
登壇者の紹介
本セミナーの登壇者は、弊社(株式会社いちたす)の代表取締役 大窪 由衣です。
株式会社いちたす 代表取締役社長。
関西の中堅会計会社の公益法人向けのサービスを行う部署を経て、株式会社いちたすを設立。「経営者の家族になる」という理念を掲げ、東北の宮城県仙台市を拠点に全国の幼稚園、保育園の経営者を専門的に支援する事業を営む。自らが女性経営者であり、コンサルタントである事と、幼児教育、保育の現場は女性が多い事から女性が活躍出来る組織作りを目指す。
セミナー内容の紹介
ここからは実際のセミナーの様子をお届けします。
経営者の役割とは?
皆様もよくご存知の通り、少子化が加速しています。
そういった中で、園児不足・人不足を補うような、ブランディング支援や処遇改善等加算の取得支援といったご依頼を多く頂戴しております。
園児・保育士等職員の獲得において、既に園間の競争が始まっていると言えます。
保育園・こども園・幼稚園の経営にとっては、逆風が吹いているとも言える状況の中、経営者の役割とは一体なんでしょうか?
大窪:(経営者は)自分の園の価値を高め、保護者や職員から求められる園にする責任があります。
これまでは女性の就業率上昇に伴い、保育園利用率も増加の一途をたどっていましたが、施設数の増加・少子化の加速により、これからは保護者の就労状況に問わず「この園の教育や保育をうけさせたい!」と思ってもらう必要があります。
保護者や職員から求められる園にするために、最初に考えるべきことについて大窪は、以下のように述べました。
大窪:経営者が、経営のためや子どもの環境について考える時間があるかどうかです。日々の業務に追われていては、経営に使える時間が競争相手よりも少なくなってしまいます。まずは、経営者が日々の業務を手放すことが必要です。
では、日々お忙しい経営者の皆様の時間を確保するための1stステップとは何だと思われますか?
それは・・・
経営者の時間を確保するための初めの一歩は・・・事務職員の活躍です!
事務職員の活躍が肝心
とはいえ、事務職員も既に業務を抱えていて、動けなくなっている事も多いです。
事務職員の業務を挙げてみます。
- 来客対応、電話対応
- 保護者や市町村への請求、未収の管理
- 会計ソフト入力業務
- 小口の管理
- 銀行での支払い、通帳記帳
- 給与計算
- 自治体に提出する資料の作成
- 掃除
- 物品の在庫管理、発注業務
- 保育補助
これについて、大窪はこのように述べました。
大窪:事務職員の業務は一見軽く扱われがちなため、業務改善に着手する経営者の方は少ないです。しかし、事務の効率化にいち早く着手する園では、事務職員は日常業務を楽に終わらせ、経営に有用な業務を行っています。
経営に有用な業務は、例えば以下のようなものがあります。
- 財務分析に必要な資料の作成
- 業界の情報収集、社内外への発信
- 経営者の外部向け説明資料の作成
- 新規事業に関する書類作成
- 業務改善提案
事務業務をいち早く効率化し、上記のような業務を行えるよう事務職員を育てることで、経営において競合他社よりもリードすることができます。
「だったら事務職員を増やそう! 」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この後は、事務職員を増やすメリットとデメリットの話に続きます。
事務職員採用のメリットとデメリット
求められる園になるためには、事務職員の活躍が欠かせないと聞いて、事務職員を採用しよう! と考えた方もいらっしゃるかと思います。
新規採用で人数が増えると、たしかに手が増えるのですが、事務職員の育成・管理のコストがかかります。
また、労働人口の縮小により最近では事務職員の採用に難航している、といった声も聞かれます。
そこで必要なのは、ICT導入による業務効率化やBPOなど外部へのアウトソーシングの比較・検討です。
大窪:ICTや業務の外部委託はたしかにお金がかかりますが、誰にでも作業ができるようなマニュアル作成が容易であったり、何より作業量の縮小、そして人件費が下がる、ということが最大のメリットです。ICTも業務委託もお金はかかりますが、法人の都合でいつでもサービスを停止することができます。ですが、職員を一度採用すると、園の都合で解雇ができませんし、自分たちの都合で給与を下げるのは難しいですよね。
ここからは、ICTの活用状況について解説がありました。
ICT導入による効果
皆様の園では、ICTの導入状況はいかがでしょうか。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが令和4年に行った、全国の認可保育園、認定こども園、小規模保育施設にICTの導入効果についての調査研究結果を紹介していきます。
その報告書によると、調査に回答した私立園の約95%が何かしらのICTを導入している、という結果でした。
では、ICT導入によりどのような効果があるでしょうか。
こちらは、「総じて保育に集中ができる職場であるか?」という問いに関して、ICTの利用状況別に分析した資料です。
一番下の「ICTを利用しており、使いこなせている」と回答した職員の68.2%が「保育に集中できる職場であるか」の問いに対し、そう思う・又はややそう思うを回答しています。
この「保育に集中できる職場であるか」の問いに「そう思う・ややそう思う」と答えた職員の割合は、「ICTを利用しているが使いこなせていない」と答えた職員の63.4%、「ICTの導入や利用なし」と答えた中では52.5%でした。
このように、実際に保育現場で勤務している職員への調査報告から「ICTを利用し、使いこなせている」園では、保育に集中ができる職場である割合が高いという結果がでています。
こうした結果がでている一方で、「ICTを導入したものの、使いこなせていない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お金周りの課題 Aこども園
ここからは、システムやサービスを導入しているけれど、使いこなせていないという具体例をご紹介していきます。
Aこども園では上記の図のように、それぞれの請求内容に対しそれぞれのツール・方法で回収を行っており、せっかくシステムを2つ使っているのに横の連携が全くない、結局手で入金確認をしている、という課題があります。
このような非常に手間のかかる業務を、事務職員の方が力技で対応している園は少なくありません。
こういった場合は、システム同士がどう連携できるのか、考慮する必要があります。
例えば、上の図のように決済のシステムが横連携を行っていると、手入力の時間を減らすことができます。Aこども園では、手作業を減らし、保育料と実費徴収の管理システムを統一、そしてシステム同士の横連携、出口で全て同じシステムに統一したことで随分と効率化が進みました。
このように、日常業務の効率化をいち早く終わらせることで、事務職員がもっと経営判断に近いところで活躍することができます。
株式会社エンペイ社紹介
ここまでで、お金周りの業務効率化についてICT活用も一つの手段であることをお話しました。
ここからは、そういった集金業務を効率化するサービス「enpay(エンペイ)」についての紹介がありました。
本レポートでも、その内容を抜粋してお届けいたします!
まず始めに、集金業務支援サービス「enpay(エンペイ)」とはどういったサービスでしょうか?
「enpay(エンペイ)」は、3つの「えん」を掛け合わせたのが名前の由来です。
単なるキャッシュレス決済ツールとは異なり、請求書の作成から集金~銀行入金、会計データの作成まで、集金の前後に発生する業務をトータルで支援しています。
クラウド型のサービスのため、園でご利用のPCで操作することができます。上図のように、請求から保護者の方の支払い、集金状況の確認や会計データの作成まで、すべてオンラインで完結する仕組みとなっています。
また、エンペイはコドモンやバスキャッチ、キッズプラスともデータを連携することができます。
集金業務支援サービス「enpay(エンペイ)」について、もっと詳しくお知りになりたい方はエンペイ社のホームページをご覧くださいませ。
集金システムでラクラク管理|集金業務支援サービス「enpay(エンペイ)」
参加者の声
本セミナーに参加された方の声をご紹介します。
事務員の業務削減、集金方法の説明で、便利そうだと思いました。
大変分かりやすい説明をありがとうございました。
ICTを入れており、今後どう活用していいか迷っていたので参考になりました。
今後の開催予定
今後も、幼児教育・保育業界の経営者様に向けたセミナーを開催していく予定です。
詳細が決まり次第、当ブログでご案内いたします。
保育園・こども園・幼稚園の経営でお困りの方はいちたすへご相談を
保育園・こども園・幼稚園を経営するうえで、お困りのことがありましたら株式会社 いちたすへお気軽にお問合せください。
今後どのように運営していけばよいか、給付費(委託費)や補助金はしっかりと取れているのかといった経営・財務に関するご相談から、保育士・職員に外部研修を行ってほしい等の人材育成に関するご相談まで、幅広くご支援しています。
いちたすについて
株式会社 いちたすでは、保育園・こども園・幼稚園の経営者の皆様に対して、経営・運営・財務に関するコンサルティングを専業で行っています。
会計事務所として、日常の会計の確認、記帳代行を行ってもいますので、保育所のバックオフィス業務、書類関係全般のご支援もしています。幼稚園・保育所・こども園の税務・労務に精通した税理士法人・社会保険労務士事務所とも提携しています。
「会計事務所は法人設立からお世話になっているから変えたくない」というお声を頂きます。
そのような場合は、会計・税務ではなく、
- 委託費の加算の取りこぼしがないか、第三者に確認してもらいたい。
- 認定こども園への移行を考えているが、何から手を付ければよいかわからない。
- 処遇改善をどのように取り入れていけばよいか、他園がどのように行っているかを知りたい。
などのお悩みに対してご支援・コンサルティングを行う顧問(相談)契約もあります。こちらは、セカンドオピニオンのようにお使いいただくことも可能です。
料金プラン
株式会社 いちたすでは、定期的な顧問契約から、スポット(単発)での委託費の確認、申請書類の確認なども行っております。
たとえば相談契約、コンサルティング契約ですと
で引き受けております。
「複数施設を運営しているが本部で契約したい」「打ち合わせは2か月に1回でよい」など、オーダーメイドでご契約内容を作成いたしますので、お気軽にご連絡ください。
依頼の流れ
お問合せフォームかinfo@ichitasu.co.jp宛にメールをお送りください。
詳しい内容をお伺いいたします。
その後は、
- 当社の担当者が園にお伺いする
- 当社事務所(仙台市一番町)にお越しいただく
- Zoomなどを利用してオンラインで打ち合わせをする
といった形で、具体的にどのようなご支援が出来るのかを打ち合わせいたします。
園によって状況は様々ですが、
など、ご要望に合わせてご提案いたします。
お気軽にお問い合わせください。