2026年(令和8年)12月25日、こども性暴力防止法(正式名称:「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」)が施行されます。
いわゆる日本版DBSと呼ばれるこの制度は、子どもに対する性暴力を未然に防ぐための包括的な仕組みです。
幼稚園・認定こども園・認可保育所は法定事業者として対応が法的義務となります。本記事では、制度の全容から実務対応、必要書類、費用、FAQまで、園経営者が押さえるべきポイントを網羅的に解説します。
この記事でわかること
- 日本版DBS(こども性暴力防止法)の制度概要と導入背景
- 幼稚園・認定こども園・保育園が義務対象となる理由
- 確認対象となる特定性犯罪の範囲と職員の範囲
- 犯罪事実確認書の申請から交付までの実務フロー
- 新規採用時と現職職員の確認タイミング
- 就業規則・情報管理規程の整備方法
- 性犯罪歴判明時の具体的対応措置
この記事を監修した人

関西の税理士法人にて公益法人に対して決算・申告書作成、財務コンサルティングを担当。 2017年、同税理士法人の仙台支店に転勤。 2019年7月に税理士法人を退職後、株式会社いちたすに参画。
得意分野:幼稚園・保育園・認定こども園の経営・財務コンサルティング。 少子化がますます進む東北で、今後数十年、安定して運営していける園づくりの支援を行う。 新規園の設立や代表者の代替わりなどの際は、法人に入り込んで、伴走型の支援を行うこともある。
宮城県中小企業診断士協会 会員
日本版DBSとは?幼稚園経営者が知るべき基本知識

まずは、日本版DBSの制度概要と導入背景を理解しましょう。この制度がなぜ必要とされているのか、基本的な知識を押さえることが重要です。
日本版DBS(こども性暴力防止法)の概要
日本版DBSは、子どもに対する性暴力を未然に防止するための包括的制度です。正式名称は「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」(令和6年法律第69号)で、2024年6月19日に成立、2026年12月25日に施行されます。
イギリスのDBS(Disclosure and Barring Service)を参考に、日本独自の法制度として整備されました。こども家庭庁が所管し、法務省と連携して運用されます。
なぜ今、日本版DBSが必要なのか?制度導入の背景
近年、保育施設や教育現場での性暴力事案が社会問題化しています。しかし、既存の制度では性犯罪前科者の雇用を事前に防ぐ仕組みがなく、また、施設内での初犯を防ぐ体制も不十分でした。
日本版DBSは、2つの柱で子どもの安全を守ります。
特定性犯罪前科の有無の確認(再犯防止対策)
性犯罪歴のある者が子どもと接触する業務に就くことを防ぐ仕組みです。事業者が従業員の性犯罪歴を確認し、雇用判断や配置転換を行います。
施設内での未然防止対策(初版防止対策)
性犯罪歴がなくても、施設内で性暴力が発生しないよう、研修・環境整備・相談体制・行動規範などを構築します。
この両輪により、再犯と初犯の両方を防ぎ、子どもの安全を総合的に守ることが可能になります。
【重要】幼稚園・認定こども園は義務対象|対象施設の全容

日本版DBSでは、対象施設を法定事業者(義務対象)と認定事業者(任意対象)に分類しています。幼稚園・認定こども園・認可保育所は法定事業者として、犯罪事実確認と未然防止対策の両方が法的義務です。
幼稚園・認定こども園は義務対象|対象施設の全容
日本版DBSにおいて、幼稚園や認定こども園、認可保育所などは「法定事業者」に位置づけられます。つまり、これらの施設は制度への対応が法律で「義務」とされています。
一方で、学習塾やスポーツクラブなどは「認定事業者」として、任意で国の認定を受けることができます。義務対象となる施設は、法律に基づき、確実に性犯罪歴の確認を行わなければなりません。
(出典:こども家庭庁 こども性暴力防止法)
学校設置者等の対象施設|幼稚園と学校教育法に基づく施設

義務対象となるのは学校設置者等の「事業者の範囲が明確であり、問題が生じた場合の監督や制裁の仕組みが整っている施設・事業」です。
- 学校(幼稚園、小中学校、義務教育学校、高校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校)
- 専修学校(高等課程)
- 認定こども園(幼保連携型認定こども園を含む)
- 児童福祉施設(保育所、乳児院、母子生活支援施設、児童館 等)
- 指定障害児通所支援事業(児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援事業 等)
- 家庭的保育事業等(家庭的保育事業、小規模保育事業 等)
- 乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)
民間教育保育等事業者の対象範囲|一時預かりや病児保育は対象外
一方、民間教育保育等事業者として任意で認定を受けることができるのは、児童福祉法上の届出事業等の行政が事前に事業の範囲を把握しきれない事業です。
- 放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)
- 一時預かり事業
- 病児保育事業
- 子育て短期支援事業
- 認可外保育施設
- 学習塾、スポーツクラブ、ダンススクール
- ベビーシッター
- その他の民間教育事業

企業主導型保育事業については、現時点(2026年2月時点)で日本版DBSの義務対象として特記されていません。
法律上は認可外保育施設に分類されるため、原則として「認定事業者」(任意対応)となります。
ただし、企業主導型保育事業はこども家庭庁所管の認可保育所に近い位置付けで運営されています。そのため、今後児童育成協会から義務対象化などの方針が発表される可能性もあります。
企業主導型保育事業を運営されている事業者様は、最新情報に注意しながら、任意での認定取得も検討されることをお勧めします。
法定事業者マークと認定事業者マークの違い
対応を完了した事業者は、「こまもろうマーク」を施設に掲示できます。

法定事業者マーク(右:ピンクの背景)
- 幼稚園、認定こども園、認可保育所など、法律で義務付けられた施設が表示可能
- 制度対応が必須の施設であることを示す
認定事業者マーク(左:青の背景)
- 学習塾、スポーツクラブなど、任意で国の認定を受けた事業者が表示可能
- 自主的に安全対策を講じている施設であることを示す

「こまもろうマーク」を付けられるものの例として、制服・パンフレット・メディア案内・ウェブサイト・名刺・玄関ホール・看板・求人広告などがあります。法定事業者以外や認定事業者以外がマークを使うことは法令で禁止されており、違反した場合は罰則等が課されます。
幼稚園が対応すべき日本版DBSの具体的な内容

法定事業者である幼稚園・認定こども園・保育所が対応すべき内容は、大きく2つに分かれます。本セクションでは、犯罪事実確認(再犯防止策)について詳しく解説します。
犯罪事実確認(再犯防止策)
性犯罪歴のある者の雇用を防ぐため、従業員の性犯罪歴を確認します。
確認対象となる「特定性犯罪」の範囲
日本版DBSで確認の対象となるのは、「特定性犯罪」と呼ばれる罪の経歴です。
- 不同意わいせつ罪
- 児童買春
- 児童ポルノ所持
- 未成年淫行
- 各都道府県が定める迷惑防止条例違反(痴漢や盗撮など) 等
確認できる期間は、刑の重さによって異なります。
- 拘禁刑の執行が終わってから20年が経過していないもの
- 拘禁刑の執行猶予の判決が確定してから10年が経過していないもの
- 罰金刑の執行が終わってから10年が経過していないもの
こどもに対する性的な不適切行為は、広く網羅される仕組みとなっています。
対象となる職員の範囲|教員だけではない
性犯罪歴の確認が必要となる職員の範囲は、非常に広くなっています。幼稚園教諭や保育士といった、直接こどもに指導を行う職員だけが対象ではありません。

一律対象となる職種
教員、保育士等、こどもと常に接する職種は一律対象となります。
- 幼稚園教諭
- 保育士
現場判断で対象となる職種
業務内容によって、こどもに継続的に接する可能性がある職種は、現場判断で対象とできるように整理されています。
- 事務職員
- 送迎バスの運転手
(出典:こども家庭庁 こども性暴力防止法の施行に向けた検討状況について)

主な職種における業務の具体例と考え方について、こども性暴力防止法施行ガイドラインの46ページ以降に記載があります。迷われた方はガイドラインをご参照ください。
短期間の労働者やボランティアも対象
雇用形態の違い、雇用契約の有無などにかかわらず、短期間の労働者、ボランティアなども対象になります。
施設内で働く人々の職務内容を再確認し、誰が対象となるのかを明確に線引きする必要があります。業務委託のスタッフやボランティアについても、慎重な対応が求められます。
性犯罪歴が判明した場合の対応措置
性犯罪歴が確認された場合、事業者は適切な対応を取る必要があります。対応方法は、経歴詐称に該当するか否かにより異なります。

【ケース1】経歴詐称に該当する場合(新規採用者・試用期間中)
該当する場面
- 新規採用時(試用期間中を含む)に性犯罪歴が判明
- 採用時に「性犯罪歴の有無」を書面で確認していたが、本人が「なし」と虚偽申告
対応の基本方針
就業規則に「重要な経歴の詐称(さしょう)」が解雇事由として定められている場合、特定性犯罪前科の有無を明示的に確認していたにもかかわらず、虚偽告知または隠蔽があった場合には、当該事由に該当すると考えられます。
事業者は以下の対応をとることが適当です。
- 就業規則に試用期間中の解約事由又は懲戒事由として「重要な経歴の詐称」を定めて説明しておくこと
- 採用募集要項の採用条件に、特定性犯罪前科が無いことを明示すること
- 誓約書、履歴書等を通して、特定性犯罪前科の有無を書面等で明示的に確認すること
【ケース2】経歴詐称に該当しない場合(現職者)
該当する場面
- 法施行後、現職職員の確認で性犯罪歴が判明
- 採用時には制度がなく、本人に申告義務がなかった
対応フロー
- 本人への通知と説明
犯罪事実確認書の内容を本人へ丁寧に伝えます。 - 配置転換の検討(必須)
子どもと接触しない業務への配置転換をまず検討します。配置転換先の業務内容・給与条件を提示し、本人の意向を確認(書面で記録)。 - 配置転換が困難な場合、解雇を検討
配置転換先がない、または本人が拒否した場合、就業規則に基づき解雇を検討。配置転換が困難であることを客観的に証明する必要がある。

万が一の労務紛争に備え、施設側の対応に問題がなかったことを証明できるよう、就業規則や募集要項、誓約書等の書面を整備しておくことが重要です。特に現職者の場合、即時解雇は認められない可能性が高いです。配置転換の打診・拒否・困難理由をすべて書面で記録し、弁護士・社会保険労務士への相談をおすすめいたします。
施設内での未然防止対策(初版防止対策)
犯罪歴確認だけでは、施設内で初めて性暴力を行う者(初犯)を防ぐことはできません。日本版DBSでは、以下の未然防止対策も義務付けられています。
主な対策内容
- 研修・教育の実施(年1回以上の全職員研修)
- 相談体制の構築(内部・外部相談窓口の設置)
- 環境整備(死角の排除、複数職員配置)
- 行動規範の策定(身体接触、言葉かけのルール明文化)
- 早期発見と対応手順の明確化(発見時の報告ルート)
未然防止対策の詳細な実施方法については、ガイドラインで具体例が示されています。就業規則への反映や年間計画の策定が必要です。
日本版DBSの申請手続きと幼稚園の実務フロー

実際の申請手続きはどのように進めるのでしょうか。申請から交付までの流れ、必要書類、費用など、実務担当者が知っておくべき情報をまとめました。
犯罪事実確認書の申請から交付までの流れ
性犯罪歴の有無を確認するための手続きには、犯罪歴なしの場合と犯罪歴ありの場合で2つのフローがあります。それぞれの流れを理解しておきましょう。
【犯罪事実確認書交付フロー1(犯罪歴なしの場合)】
- 対象事業者がこども家庭庁に申請
- 性犯罪歴確認の申請は対象事業者が行うこととするが、申請には本人(従事予定者)が関与することとする
- 対象事業者に対して、情報の適正管理義務や、一定期間経過後の情報消去義務を課す
- 必要書類のうち戸籍情報については、本人から直接こども家庭庁に提出
- こども家庭庁が法務省に対し、性犯罪歴照会
- 法務省が回答
- こども家庭庁が犯罪事実確認書を作成・申請事業者に交付
【犯罪事実確認書交付フロー2(犯歴ありの場合)】
- 対象事業者がこども家庭庁に申請
- 必要書類のうち戸籍情報については、本人から直接こども家庭庁に提出
- こども家庭庁が法務省に対し、性犯罪歴照会
- 法務省が回答
- こども家庭庁は、まず本人に対し、回答内容を事前に通知し、本人は、通知内容の訂正を請求可能
- 訂正請求期間(2週間)は犯罪事実確認書は交付されない
- こども家庭庁が犯罪事実確認書を作成・申請事業者に交付
- 訂正請求期間中に本人が内定辞退等すれば、申請却下(犯罪事実確認書の交付なし)
- 訂正請求せず2週間が経過すれば、対象者の性犯罪歴がある旨の犯罪事実確認書を交付

申請から結果が交付されるまでには、2週間から1か月程度の期間を要すると想定されています。特に犯罪歴ありの場合は、本人への事前通知と訂正請求期間(2週間)が設けられているため、さらに時間がかかります。
そのため、採用活動においては、スケジュールに十分な余裕を持つことが重要です。
新規採用時と現職職員の確認タイミング
性犯罪歴の確認を行うタイミングは、新規採用者と現職職員で異なります。また、確認の期限や再確認のルールも定められています。
新規採用・配置転換時の確認期限
新規採用や配置転換の際は、内定・内示等から従事開始までに確認を行う必要があります。
ただし、以下のような場合は特例が認められています。
やむを得ず間に合わない場合の特例
- 急な欠員、人事異動等:従事開始から3か月以内に確認
- 合併・新設、国による確認の遅れ等:従事開始から6か月以内に確認
※ 確認が済むまでは、原則こどもと1対1にさせない等の措置をとる必要があります。
現職職員の確認期限
すでに働いている現職職員については、以下の期限内に確認を行う必要があります。
- 義務事業(法定事業者)の現職職員:法施行から3年以内
- 認定事業の現職職員:認定から1年以内
- 一度確認を受けた職員:5年ごとに再確認
制度施行後、順次本人の同意を得たうえで確認手続きを進めることになります。職員の不安を煽らないよう、制度の目的を丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。
また、一度犯罪事実確認を受けた者は、5年ごとに再確認が必要です。これは、確認後に新たな犯罪歴が発生する可能性があるためです。施設側は、職員ごとに確認日を記録し、5年後の再確認時期を管理する仕組みを整える必要があります。
申請に必要な書類と準備事項
犯罪事実確認の手続きは、原則としてオンラインのシステムで行います。 そのため、施設側は事前に「GビズID」を取得しておく必要があります。 申請には、施設側と職員の両方が書類を用意します。
主な必要書類は、以下の通りです。
【施設側が用意する書類】
- 雇用契約書の写し
- 内定通知書の写し
【職員が用意する書類】
- 申請対象者情報(氏名や住所など)を記載した書面
- 戸籍または除籍の抄本など
※マイナンバーカードを使ったオンライン提出が原則
申請手数料と認定にかかる費用
日本版DBSの制度を利用するにあたり、費用について正しく理解しておきましょう。 幼稚園や認定こども園では、犯罪事実確認の申請自体に手数料はかかりません。
一方で、学習塾などの民間事業者が、国の「認定」を受ける場合には申請手数料が必要です。 この認定申請の手数料は、1事業あたり30,000円と定められています。
ただし、義務対象施設であっても、情報管理のための初期費用が発生する可能性があります。 厳重な個人情報管理が法律で求められるため、鍵付きの書庫やセキュリティソフトの導入が必要になる可能性があるためです。
初期費用はかかりますが、安全な体制を整えることは保護者からの厚い信頼獲得につながります。 安全対策の証である「こまもろうマーク」を掲示し、施設の安全性をアピールしましょう。
幼稚園が今すぐ始めるべき準備と対応策

就業規則・社内規程の見直しと整備
日本版DBSの導入に伴い、施設の就業規則をしっかりと見直す必要があります。 特に、採用の条件や配置転換、懲戒解雇(ちょうかいかいこ)に関する項目は重要です。
具体的には、就業規則の懲戒事由に「重要な経歴の詐称(さしょう)」を追加します。 これにより、採用時に性犯罪歴を隠していた場合の対応が可能になります。
また、「児童対象性暴力等対処規程」などの社内ルールを新たに整備します。 こどもに対する「不適切な行為」の範囲を明確にし、禁止事項として規定しましょう。

就業規則の参考例や児童対象性暴力等対処規程のひな型は、こども家庭庁のHPからダウンロードできます。初めての対応で具体的なイメージがつかみにくい場合も、ひな型を参考にすることでスムーズに準備を進められます。ぜひご活用ください。
現職職員への説明と意向確認の進め方
制度が始まるときに働いている職員も、犯罪事実確認の対象となります。 幼稚園の場合、制度開始から3年以内に全員の確認を終える必要があります。
職員の不安を和らげるため、事前に制度の目的を丁寧に説明することが大切です。 戸籍などの提出が必要になることや、情報管理が徹底されることを伝えます。
もし手続きに応じない場合は、こどもと接する業務ができない可能性があります。 これらのルールを事前に伝え、全職員からしっかりと理解を得ておきましょう。
情報管理体制の構築と責任者の配置
性犯罪歴という非常に機微な個人情報を扱うため、厳重な管理が求められます。 施設内に「情報管理規程」を策定し、情報の管理責任者を決める必要があります。
情報漏洩(ろうえい)を防ぐため、情報にアクセスできる職員を必要最小限に限定します。 また、犯罪事実確認書の記録や保存は、極力避けることが基本ルールとなります。
万が一記録を残す場合は、施錠できる鍵付きのキャビネットや書庫が必要です。 パソコン等のセキュリティ対策も強化し、安全な情報管理体制を整えましょう。
情報管理規程については、3パターンのひな型をこども家庭庁のHPからダウンロードすることができます。
採用スケジュールの見直しと内定プロセスの変更
採用活動では、募集要項の採用条件を明確に変更する必要があります。 「特定性犯罪前科がないこと」を明記しましょう。
また、履歴書や誓約書を通じて、前科の有無を書面で確認することが重要です。 内定取消しの事由として「重要な経歴の詐称」を定めておくことも推奨されます。
犯罪事実確認書の交付には、通常2週間から1か月程度の期間がかかります。 照会結果を待つ期間を考慮し、採用スケジュールには余裕を持たせることが必要です。

今年(2026年)の12月25日までに幼稚園・保育園・認定こども園は対応する必要がありますが…。実際は、新卒の採用なども始まるかと思いますので制度への対応は、前倒しで行っていく必要があります。
「ただでさえ、人手不足で事務が出来る人も少なくなってきているのに、こんなに複雑な制度、対応できない…」というお話も出てくるかとは思います。ただ、「こどもを性暴力から守る」ということと「人権を守る」ということを両立させるには、ここまでガチガチのルールを決めておかないといけないというのも、とてもよくわかります…。
日本版DBSのためだけに事務のフローを整える、と考えると負担が大きく見えてしまうかもしれませんが、もともと幼稚園や保育園は、園児の情報や保護者の情報など、とてもデリケートな情報を扱うことも多くあります。
ほぼすべての園で対応が必要になりますので、これを機にICT化を推し進める、セキュリティ体制を厳しくする、といったことまで広げることが出来れば、結果的に保育の質を高めることにも繋げることが出来るのではないでしょうか。
日本版DBSに関するよくある質問(FAQ)

各園の経営者様から寄せられる、よくある質問をまとめました。
- Q
幼稚園は必ず日本版DBSに対応しなければなりませんか? - A
はい、幼稚園は法律上の「義務対象(法定事業者)」となります。そのため、必ず制度に対応し、職員の性犯罪歴の確認を行う再犯対策や相談体制の措置や研修等の初犯対策を行う必要があります。
- Q
性犯罪歴の確認はどの範囲まで遡って調べられますか? - A
刑罰の種類によって異なります。拘禁刑の場合は刑の執行終了後から最長20年、罰金刑以下の場合は最長10年遡って確認の対象となります。
- Q
現在働いている職員も全員確認が必要ですか? - A
はい、現職の職員も確認の対象となります。制度の施行後、順次本人の同意を得たうえで確認手続きを進めることになります。
- Q
教員以外の事務職員や送迎バスの運転手も対象ですか? - A
はい、対象となりえます。しかし、事務職員や送迎バスの運転手は、現場判断で対象とできるように整理されています。
- Q
性犯罪歴が判明した職員はすぐに解雇できますか? - A
すぐに解雇できるとは限りません。まずは、こどもと接しない業務への配置転換を検討する必要があります。解雇は最終手段であり、就業規則に適切な規定を設けておくことが重要です。
- Q
性犯罪以外の前科(交通違反や窃盗など)も確認されますか? - A
いいえ、確認されません。日本版DBSで確認されるのは、こどもに対する性暴力に関連する「特定性犯罪」の履歴のみです。
- Q
申請手続きは幼稚園が自分で行えますか?それとも専門家に依頼すべきですか? - A
施設ご自身で手続きを行うことは可能です。
しかし、就業規則の改定には社労士などの専門の法的知識が必要となる場合がございます。いちたすでは、提携社労士のご紹介や、制度対応に伴う財務・経営面でのサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
- Q
いちたすさんでは日本版DBSの導入サポートは行っていますか? - A
はい、サポートしております。株式会社いちたすは、幼保業界に精通した専門家として、日本版DBS対応に必要な準備内容や手順を分かりやすくお伝えし、園の状況に応じた対応計画の策定を伴走支援いたします。また、就業規則の改定等が必要な場合は提携社会保険労務士をご紹介することも可能です。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
まとめ

本記事では、2026年(令和8年)12月に施行される日本版DBS(こども性暴力防止法)について解説しました。
幼稚園や保育園にとって、これは避けては通れない重要な制度変更です。
就業規則の見直しや、児童対象性暴力等対処規程、そして厳格な情報管理規程の整備など、事前準備が不可欠です。
犯罪事実確認書の申請から交付までには数週間を要するため、採用スケジュールにも余裕を持つことが重要となります。
初期の対応には多くの労力がかかりますが、「こまもろうマーク」の掲示などを通じて、保護者からの厚い信頼を獲得するチャンスでもあります。
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依頼の流れ

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- 当社の担当者が園にお伺いする
- 当社事務所(仙台市一番町)にお越しいただく
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