奄美大島の自然豊かな龍郷町に位置する「サンサン保育園」は、定員12名の小規模保育園です。園長の南奈津香様は、子どもも職員も笑顔で過ごせるアットホームな保育を大切にされています。しかし、開園当初から南様は、処遇改善等加算の計算や複雑な書類作成、給与管理といった経営業務に奮闘し、「お金の不安」を抱えていました。
「このままだと潰れてしまうかもしれない」「職員に給与をちゃんと払えているか不安でたまらなかった」という悩みを抱えながらも、相談できる相手がいませんでした。そんな時、南様が出会ったのが私たち「いちたす」です。ウェブサイトの「家族のように本気で経営者を応援する」という理念に共感し、ご依頼くださいました。
いちたすのサービス導入後、明確な「数字の裏付け」を得られたことで不安は解消され、自信を持って職員と向き合えるようになりました。今回は南園長に、創業のきっかけから経営における課題、そして「いちたす」のサービス導入によって得られた変化と今後の展望についてお話を伺いました。
自然豊かな奄美大島で育ち、地元に根差した保育を志す

「サンサン保育園」を運営する南奈津香園長は、生まれも育ちも奄美大島。一度は東京の大学へ進学し、その後は宮城などで会社勤めを経験しましたが、ご結婚を機に地元奄美大島へUターンされました。
もともと南園長のご主人のご実家は、奄美大島の伝統工芸品である大島紬の製造・販売を行う「夢おりの郷」を経営されており、観光施設としても栄えています。その「夢おりの郷」の敷地内にあった旧レストランを改装し、保育園を始めることになったのは、ある町の動きがきっかけでした。
当時、龍郷町ではとある公立保育所が閉園するという話が持ち上がっていました。老朽化が主な理由でしたが、この動きに対し、「園児の受け皿がなくなるのは困る」と南園長は危機感を抱きました。さらに、「大きい施設に一極集中するのではなく、アットホームな小規模な場所があってもいいのではないか」という思いも強くありました。 ご自身も幼いお子さんを育てていらっしゃる中で、都市部で「マンションの一室で小規模保育園を運営している」という情報を偶然インターネットで見つけ、「奄美大島でもできるのでは?」と考えたことが、保育園設立の第一歩となりました。
役場も手探りの中、一人で始めた保育園運営

当時、龍郷町には小規模保育園の事例がなく、役場も手探りの状態でした。補助金申請や運営に関するノウハウがない中、南園長は全てを一人で進めることに。周囲は「本当に作るの?」という反応で「誰も手伝ってくれないし、大変だったんですよ」と当時を振り返ります。
ご家族からの理解も得にくい状況で、開園当初は調理員が不在という困難も経験しました。それでも、「昔、龍郷町で宅児所を運営していた」という龍郷町の元教育長の紹介で保育士の先生方が集まってくれ、どうにか開園にこぎ着けました。
2016年の開園当初は園児がわずか2名(うち1名は南園長のご子息、もう1名は現在の主任保育士のご子息)というスタートでしたが、少しずつ口コミで園児が集まるようになります。開園3年後には定員マックスとなり、今では地域に欠かせない存在となっています。
南園長が目指すのは、「ギチギチした保育園にはしたくない」という想い。「まずスタッフが幸せだったら、保育園は幸せになる」という信念のもと、職員の皆さんがゆとりを持って働ける環境を重視しています。これにより、職員の笑顔が子どもたちにも伝わり、アットホームな雰囲気の中で、子どもたちがのびのびと過ごせる保育を実現しています。
処遇改善等加算の課題を解決すべく「いちたす」に相談

そんな南園長が「いちたす」を知ったのは、2023年11月頃のこと。日々の保育業務と並行して、一人で運営に関する書類作成や職員の給与管理、処遇改善等加算に関する対応など、多岐にわたる業務をこなす中で、「このままだと、いつか潰れてしまうかもしれない」という不安を抱えていました。
特に南園長を悩ませていたのは、処遇改善加算に関する給与管理や書類作成でした。 「ちゃんと支払えているのか」「これで合っているのか」という疑問が常にありながらも、役場の担当者は毎年変わってしまうため、相談できる相手がいませんでした。
そこで、「処遇改善 代行」「作成 代行」といったキーワードでインターネット検索を開始。複数のコンサルティング会社がヒットする中で、南園長の目に留まったのが「いちたす」のウェブサイトでした。
「いちたす」の代表が女性であること、そしてその代表の会計事務所での経験や、現場の困り事に寄り添うエピソードが紹介されていたことに深く共感。「私、困ってます!」と直感的に感じ、他社を比較検討することなく、「いちたす」だけに問い合わせの連絡を入れたと言います。
「やらない不安」よりも「助けてもらえる期待」が上回った契約
問い合わせ後、無料の1時間相談を経て、南園長は「いちたす」との契約を決意しました。契約前の不安はなかったのかを尋ねると、「いえ、やらない不安の方が大きくて。これで助けてもらえるんだ、と素直に思いました」と即答。一度信じた相手にはとことん信頼を寄せる南園長らしいエピソードでした。
これまで、社会保険労務士や税理士といった専門家とは付き合いがありましたが、「保育の経営」に特化したコンサルティングを依頼するのは「いちたす」が初めてでした。ご主人の会社でもコンサルティングサービスを利用していたため、「コンサルティング会社」という存在自体への抵抗はなかったそうですが、「いちたす」のサービスについては「私の相談ごとを聞いてもらえるなら、金額もありがたいくらい」と、その価値を高く評価してくださいました。
「いちたす」導入で「数字の裏付け」と「心のゆとり」を獲得

「いちたす」のサービスを導入後、南園長は大きな変化を実感していると言います。
「もう数字の面でとてもありがたいです。入れてなかったら、今頃潰れてるなって思います。不安な中で職員に給与を分配している状況では、職員と向き合えないという思いが強くありました。でも、『いちたす』さんが『こうだから』という裏付けや理由をちゃんとしてくださるので、それだけでありがたいです。」
常に心の中で抱えていた給与管理や処遇改善等加算に対する不安が解消され、数字の面で確かな裏付けを得られたことで、南園長の心には大きなゆとりが生まれました。このゆとりは、南園長が最も大切にする「職員の幸せ」にも繋がっています。
「何も知らないで始めた園長先生」にこそ勧めたい
南園長は、「いちたす」のサービスをどんな方におすすめしたいかを尋ねると、力強くこう語りました。
南園長:もちろんいろんなタイプの園長先生がいらっしゃると思いますが、特に私のように、経営の知識もない中で、何も知らない状態で保育園を始めた園長先生には、必要不可欠だと思います。小規模保育園の園長先生は、自分の仕事というよりも、全てにおいて補佐的な役割が多く、調理に入ることもあれば、用務員のような仕事をしたり、お金を扱う仕事まで多岐にわたります。全てを中途半端にやるしかない中で、お金のことだけは一番大事じゃないですか。中にいる人とは相談しにくい内容だからこそ、外部の専門家である『いちたす』さんは特に必要です。
行政が公開する複雑な資料を読み解く時間も労力もない中で、「いちたす」が分かりやすく情報を提供してくれることにも、大変感謝しているとのことでした。
変わらない「今のメンバー」で「子どもたちを送り出す」という展望

最後に、今後の展望についてお伺いしました。多くの園が拡大を目指す中で、南園長は独自の、しかし非常に温かいビジョンを持っています。
南園長:他の園さんのように大きくしたいとか、そういう展望は正直ないんですよね。ただ、今のメンバーとずっと仕事をしていきたいという展望があって、そして、子どもたちを無事に卒園させていきたいという気持ちが一番強いです。この人数、このメンバーでずっとやっていきたいというのが、私の変わらない展望なんです。
この展望には、大島紬を着せて卒園式を行うという、ご主人の家業である「夢おりの郷」との連携も深く関わっています。奄美サンサン王国ならではの伝統を守りながら、毎年一定数の園児を大島紬姿で送り出す。この「現状を守る」という強い意志と、職員への深い愛情、そして地域への貢献が、南園長の保育の根底に流れています。
南園長の温かいお人柄と、子どもたち、そして職員の皆さんへの深い愛情がひしひしと伝わってくるインタビューとなりました。「いちたす」はこれからも、有限会社奄美サンサン王国様を支えるパートナーとして、全力でサポートしてまいります。
お客様情報

- 名称:有限会社奄美サンサン王国 サンサン保育園
- 所在地: 鹿児島県大島郡龍郷町
- 施設類型: 小規模保育事業B型
- 定員: 12名
- 職員数: 9名(パート含む)
保育園・幼稚園・認定こども園の経営でお悩みなら幼児教育・保育業界専門の経営コンサルティングいちたすへ

保育園・幼稚園・認定こども園等、幼保施設を運営するうえで、お困りのことがありましたら、株式会社 いちたすへお気軽にお問合せください。
いちたすについて
株式会社 いちたすでは、保育園・幼稚園・認定こども園の経営者の皆様に対して、運営・財務・経営に関するコンサルティングを専業で行っています。
会計事務所として、日常の会計の確認、記帳代行を行ってもいますので、園のバックオフィス業務、書類関係全般のご支援もしています。幼稚園・保育所・こども園の税務・労務に精通した税理士法人・社会保険労務士事務所とも提携しています。
会計事務所は法人設立からお世話になっているから変えたくない、というお声を頂きます。
そのような場合は、会計・税務ではなく、委託費(施設型給付費)の加算の取りこぼしがないか、処遇改善をどのように取り入れていけばよいかなどを確認する相談契約もございます。こちらは、セカンドオピニオンのようにお使いいただくことも出来ます。
料金プラン
株式会社 いちたすでは、定期的な顧問契約から、スポット(単発)での委託費の確認、申請書類の確認なども行っております。
たとえば顧問(相談)契約、コンサルティング契約は
で承っております。
依頼の流れ
お問合せフォームかinfo@ichitasu.co.jp宛にメールをお送りください。
詳しい内容をお伺いいたします。
その後は、
- 当社の担当者が園にお伺いする
- 当社事務所(仙台市一番町)にお越しいただく
- Zoomなどを利用してオンラインで打ち合わせをする
といった形で、具体的にどのようなご支援が出来るのかを打ち合わせいたします。
園によって状況は様々ですが、
など、ご要望に合わせてご提案いたします。
お気軽にお問い合わせください。